河島英昭のレビュー一覧
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君主としていかに臣下や人民を抑え統治するか、歴史上の君主の事例から言及されている。その方法には、人を恐れさせる、反逆されないための残忍な方法も説かれているため、現在を生きる自分からは賛同しにくいと感じられるような方法も多い。とはいえ、必ずしも否定できるようなものでなく、当時の時代背景からそのような方法が取られてきたこととその合理性に対する理解はできる。
また、考え方として、相手に恐れられるような存在であること、且つ、相手に憎まれたりしないことが大事であることと、それを維持するためにどのように振る舞うか、どのような施策を打つことが重要であるか、自分の影響力の与え方を考える上での新たな視点としての -
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ネタバレ私生児の「ぼく」が成長し、知恵をつけて独立し、アメリカで資産を得て故郷に戻ってくる話だが、時が行ったり来たりするのと登場人物が多くて整理しきれなかった。
解説を読んで、たくさんの象徴が用いられているのがわかった。
月は死と復活の象徴であり、篝火も夏至の夜、聖ジョヴァンニの祭りに焚かれて再生と豊穣を祈るものである。
最後に、ファシストと通じていた美しいサンティーナが銃殺されて葡萄の枝と燃やされ、その痕が篝火の痕のように残っていた、という描写があるが、それは祭りの供物であり、戦争の供物であったという解説になるほどなと思った。かつての「ぼく」の主人の3人の娘たちは、サンティーナをはじめ、それぞれ男に -
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職務に任じられた官吏が財を着服しても知られることはない。水中で泳ぐ魚が水を飲んでも知られることがないように▼射手に放たれた矢はせいぜい一人を殺すか、殺さないかである。しかし、知者により放たれた智謀は、胎内にいる者をも殺すことができる。 カウティリヤChanakya『実利論』BC4世紀 ※マウリヤ朝チャンドラグプタの宰相
民衆を指導する者は正義(社会維持の徳)・知恵・勇気(精神の高邁さ)・節度をもつべき。キケロCicero『義務について』BC44
倫理・道徳と政治は別。善き主君、善き政体を考えるよりも、現実の欲望渦巻く混沌の世界にどうすれば秩序を与えられるか、を考えるべき。「人間はいかに生き -
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共和制の国を占領するのは難しが、もともと君主制の国を征服して支配することは容易。住民が自由を知らず、支配されることに慣れているから。
加害行為はまとめて短く、恩恵は少しずつ長く。
君主には、良き土台が必要=傭兵と援軍は約立たず。自己の軍が必要。君主は、みずから陣頭に立って指揮官にならなければならない。
ギリシャは援軍をトルコに求めたため、異教徒に隷従する始まりとなった。ローマ帝国の滅亡の始まりは、ゴート人を傭兵にし始めた時。
君主は、戦争と軍制と軍事訓練のほかに業務はない。
君主は高い地位にあるため、誹謗中傷の的になりやすい。
君主はけちん坊と呼ばれることを気にしてはいけない。気前の良さを示す -
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ネタバレ中世ヨーロッパの国家の状況を鋭く観察し、君主とはどうあるべきかについて論じた書籍である。マキャベリの君主論は良く知られていたが、実際の内容はあまり知らなかった。今回一通り読んでみて感じたことは以下の通り。
・君主は、優柔不断であってはならない。
・大衆は結果しか見ない。その途中で何があっても、結果を示せば最終的には許されるものである。
・大衆を味方につける方が、貴族を味方につけるよりも国を維持していきやすい。
・傭兵軍、外国支援軍をあてにしてはならない。
・恩恵はよりよく味わってもらうために小出しに行うべきである。
・大事業はけちな人物によって成し遂げられている。
・説得することは簡単だが、 -
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先日読んだスーザン・ソンタグが取り上げていた、パヴェーゼの最後の長編小説。
40歳になった主人公が、生まれ育った故郷の村を訪れる。その村でかつて起きたさまざまなこと、現在のさまざまな様子、あるいは別の土地(アメリカ)で体験したさまざまなことが綴られる。
これもまた、「場所」に関する小説である。時系列が少々入れ替わっており、通時的な「歴史」というよりも、すべての事象が共時態的に「止まった時」のなかに漂うような、そんな場所=時間が描出されている。
この場所に登場する人物が多く、どの名前がどんな人物を指しているのか、ちょっと混乱させられた。
背景として、両大戦にまたがって、ファシスト党のムッソリーニ