河島英昭のレビュー一覧
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共和制の国を占領するのは難しが、もともと君主制の国を征服して支配することは容易。住民が自由を知らず、支配されることに慣れているから。
加害行為はまとめて短く、恩恵は少しずつ長く。
君主には、良き土台が必要=傭兵と援軍は約立たず。自己の軍が必要。君主は、みずから陣頭に立って指揮官にならなければならない。
ギリシャは援軍をトルコに求めたため、異教徒に隷従する始まりとなった。ローマ帝国の滅亡の始まりは、ゴート人を傭兵にし始めた時。
君主は、戦争と軍制と軍事訓練のほかに業務はない。
君主は高い地位にあるため、誹謗中傷の的になりやすい。
君主はけちん坊と呼ばれることを気にしてはいけない。気前の良さを示す -
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ネタバレ中世ヨーロッパの国家の状況を鋭く観察し、君主とはどうあるべきかについて論じた書籍である。マキャベリの君主論は良く知られていたが、実際の内容はあまり知らなかった。今回一通り読んでみて感じたことは以下の通り。
・君主は、優柔不断であってはならない。
・大衆は結果しか見ない。その途中で何があっても、結果を示せば最終的には許されるものである。
・大衆を味方につける方が、貴族を味方につけるよりも国を維持していきやすい。
・傭兵軍、外国支援軍をあてにしてはならない。
・恩恵はよりよく味わってもらうために小出しに行うべきである。
・大事業はけちな人物によって成し遂げられている。
・説得することは簡単だが、 -
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先日読んだスーザン・ソンタグが取り上げていた、パヴェーゼの最後の長編小説。
40歳になった主人公が、生まれ育った故郷の村を訪れる。その村でかつて起きたさまざまなこと、現在のさまざまな様子、あるいは別の土地(アメリカ)で体験したさまざまなことが綴られる。
これもまた、「場所」に関する小説である。時系列が少々入れ替わっており、通時的な「歴史」というよりも、すべての事象が共時態的に「止まった時」のなかに漂うような、そんな場所=時間が描出されている。
この場所に登場する人物が多く、どの名前がどんな人物を指しているのか、ちょっと混乱させられた。
背景として、両大戦にまたがって、ファシスト党のムッソリーニ