河島英昭のレビュー一覧

  • 君主論
    君主は国民や軍隊、あるいは他国・他勢力に対してどうふるまうべきかに関して、権力者に上申するという形式で書かれた著作。ちょうどロシア国内で反乱があった時期に読み始めた関係で、「傭兵は自分の利益しか考えてないからあてにならない(意訳)」という記述が現代においても引用されることが興味深い。読者のほとんどは...続きを読む
  • 君主論
    イタリア、ルネサンス期の政治思想家で、
    29歳で外交官に就任し、様々な国王と交渉を重ねる中で、
    43歳の時に国家の在り方や、強い君主について説いた本が君主論。

    強い君主の条件
    1.恐れられること
    2.憎まれないこと
    3.軽蔑されないこと
    4.尊敬されること
    5.ケチであること

    ケチであることがな...続きを読む
  • 月と篝火
    あるとき書店で見かけて以来、中身をほとんど読みもせず、これを読むまでは死ぬまい、と心に決めた本である。それを読んでしまったのだが、やっぱり、自分の直感に誤りはなかったと思う。内容についてここであらためて語ることは野暮でしかないので、語らない。まあ、これはどんな話にも共通しているけれど。気になったら読...続きを読む
  • 流刑
    実体験を主人公に仮託した自伝小説
    反ファシズム活動の罪で
    南イタリアの僻村へ移送された
    人権を奪われた者の
    研ぎ澄まされた感性の開放が静かで美しい
    近くて遠い海との間合いが
    対人関係の心理を定義しているのか
    詩情溢れる物語の構成も
    主人公の沈痛な心情に迫っていた
  • 祭の夜
    初めてのパヴェーゼ。
    素晴らしかった…!!
    美しい文章なんだけれど、時々驚くような事が書いてある。
    彼の人生はどうやら波乱に満ちていて、その繊細さ故に苦しみも大きく、自殺してしまった。
    あとがきを読んで、若干自伝的だと分かった。
    他にもパヴェーゼ文学が積んであるので、色々読む覚悟でいます。
  • 君主論
    著者以前の時代に生きた人物の事例を挙げつつ、君主としていかに振舞うべきか説得的に説いた名著。

    【気になった諸点の抜粋】
    ●いかなる君主においても民衆を味方につけておくのが必要である。…賢明な君主は、いついかなる状況の中でも、自分の市民たちが政権と彼のことを必要とするための方法を、考えておかねばなら...続きを読む
  • 月と篝火
    主人公の「僕」は大聖堂の石段の上に置き去りにされていた。そして孤児院にいたのを貧農のパドリーノ一家に引き取られた。養育費銀貨一枚のために。私生児と呼び囃されながら「僕」はガミネッラの丘で幼年時代を送り、養育費が支払われなくなると今度は平地の農場へと売り渡されていく。主人公の生涯を追いながら描かれるの...続きを読む
  • 君主論
    『君主論』というちょっと恐れあるタイトルに反して、所々美しい比喩や文学的表現が施されている。ギャップ萌え。

    マキャベリズムに残忍で冷徹なイメージしか持っていなかった。ただ、君主が民衆を率いるためにはそうなるざるを得ない、というは必須条件なのだ。
    それはマキャベリが「人間というものは…」と頻繁に用い...続きを読む
  • 月と篝火
    残酷さも貧しさも全ては美しい過去となり郷愁の中に葬られる。
    地続きの今がその先にあるとしても。

    篝火はすぐに焚けないけれど、外に出れば今夜も綺麗な月が浮かんでいます。
  • 君主論
    君主(リーダー)が権力、組織を維持・伸長するためにとるべき行動を研究した本。現在でも、この本の通りに行動していれば、リーダーシップを発揮できるだろう。国家を統治するくらいの人全てに読んで欲しい本。というか、皆さんすでにお読みになっているのでしょう。。
  • 君主論
    支配階級と被支配階級があるとすれば、
    支配階級側の人間が読む本。

    君主たるもものの心がけ。

    善行が必ずしも良いというわけではなく、その逆もしかり。
    運命によりかかるのでなく、人間の力量によって策を講じることで、運命にも逆らえる。
  • 君主論
    言わずと知れたニッコロ・マキャヴェッリのあまりにも有名な国家政治論。

    その序において、フィレンツェの君主家であったロレンツォ・デ・メディチに献呈したというスタイルを取っている。
    16世紀イタリアは群雄割拠しており、さらにフランスやスペインといった強国が介入する争乱の場と化していた。一度は理想君主の...続きを読む
  • 君主論
    今から500年前の著作だが、現代にも十分に通用する名作。リーダーを目指す人には必読ではないだろうか。
  • 君主論
    会社での人間関係を理解するために、参考になる記述が多い。理不尽な状況が生まれる背景もある程度は理解できた。
  • 君主論
    知り合いに読むよう勧められたが、超面白かった!これは、大学の時ではよくわからなかったな。。今だから、現実味がある。君主たる者、臣民の結束と忠誠心を保たせるためには冷酷たれとか、狐と獅子を範とすべきとか、憎しみを招くもとが善行でもあり得るとか、すべての面において善い活動をしたいと願う人間は、たくさんの...続きを読む
  • 君主論
    思慮深く勇敢たれ。
    こういう矛盾を起こしそうな二律背反的なメッセージだけれども「攻めなきゃやられる!」という時代状況を考えると、どちらかというと〈後者〉に強調点がある。
  • 月と篝火
    一切が回帰する世界のなかで、物語は象徴に導かれながらすすみ、やがて始まりに到達する。すでに決められた世界から飛躍し、別の物語へと繋がるためには、神話と時代が必要なのだ。
    パヴェーゼが目指したのは神々がまだ人間、動物と平等だった時代の共産主義的ユートピアなのだろうか。とすれば、死すべき者は常に不死であ...続きを読む
  • 祭の夜
    パヴェーゼの魅力は、裏切りや孤独という自己に内包されて行く円が中心に向かって進んで行く過程で、収斂がいつか反転し、外へ向かって、世界に対して広がりを見せる極点に到達する閾が存在することだ。
    極端に個人的な内容こそが世界と繋がりうる。時代を超越し、この時代においてなお世界に対する問いがなされている。
  • 君主論
    5年ほど前に読んだ時と比べてかなり理解して読むことができたと思う。とは言え自分に思考的な進歩があったかと言えばそうではなく「チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷」を先に読んだのが大きい。あの本は君主論の導入本としてはこれ以上なく最適だと思う。

    本編は「運命」と「力量」が君主にとって最も大事な...続きを読む
  • 君主論
    「君主は必要に応じて悪人にもならねばならぬが、その悪を行うときは全て一気に行い、その後は善人に戻るようにすること」という言葉が印象に残りました。また、君主が自らの利益や安全を守るためには必要に応じて人を裏切り、反逆者を排除しなければならないということも、深く考えさせられました。


    マキャヴェッリが...続きを読む