藤巻健史のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
最近、藤巻さんの本には興味を惹かれなかったが、いまは混沌とした時代。とくに、アベノミクスで円安が急激に進んでいる状況下、自分はどう対応したらいいのだろうと思い、いろいろな本を読みたくなって手にした。
ニュースや新聞ではアベノミクスの円安誘導政策について、いろいろな意見はあるものの、肯定的な意見が多いように思う。円安によって業績が急回復する会社があると、短期的にはそういう面だけが強調される。
そんな中で、藤巻さんの本を本でなるほどと思った点もいくつかあった。
1.藤巻さんの経済に対する基本的な態度
経済学はあいかわらず有効な学問であり、経済は「微調整のできる
市場原理にしたがうのがいい」という原理原則を信じている。人為的
作為的な仕組みは、いずれ限界に達し、経済学の基本である調整
機能がはたらき、それを修正する。
経済学的におかしな動きは時が経てば修正されることは、歴史が証
明しているし、われわれは、それを学ばなければならない。
2.ユーロ危機の真相
ユーロとは、「ユーロ圏というひとつの地域内の同一通貨」であり、
その圏内で通貨の固定相場制を採用していることと同じ。
一方で、多様な背景を持つ国々が固定相場制をもつということは、
恣意的な操作であり、自動調整機能がはたらかず、歪が蓄積され
て破綻する。
3.日本の状況認識
日本は見かけは変動相場制に見えるが、その内実は社会主義的
な金融政策であり、「固定相場制」である。つまり、歪が蓄積されて
きていて、自動調整機能がはたらいていない。
また、日本の失敗は為替政策を無視してきたことであり、これによ
り「もの作り日本」が沈没した。
「為替」とは「値段・価格」であり、価格競争の上では、為替が高止
まりすることは、モノだけでなく、サービスでも労働力でも敗北する。
4.日本の今後
累積赤字が蓄積した日本は、遅かれ早かれ借金ができなくなる。
そのとき日本は、「政府機能の閉鎖」か「足りない分の紙幣の増刷」
の選択を迫られる。紙幣増刷の道を選ぶだろうが、その帰結として
ハイパーインフレが生じる。これにより国民の富は政府に移行する。
財政破綻をすると、その後数年は苦しいだろうが、市場が微調整
を行い、日本は復活するだろう。
5.個人に対する提案
日本は遅かれ早かれハイパーインフレ状態になる。だから、リスク
分散をするためには、円建てではなく外貨建て資産を保険として
もつことだ。
このあたりは、なるほどと思った。ただ、疑問に思うこともある。あとがきにこう書いている。
------------------------------------------------------------------------------------
第2次世界大戦で日本はすべてを失いましたが、明日を信じて
頑張りました。それは希望があったからです。
------------------------------------------------------------------------------------
この部分はまったく同意。
一方で、現在の「社会主義的な日本」から、「資本主義的な日本」に変わることにより、一度、破綻するであろう日本は、必ず復活するという。ただし、社会全体は競争社会になり、実力社会が到来する。そのとき、日本のプロ野球の年俸から、大リーガー並みの報酬をもらう人もいるだろうし、成功した人は欧米並みの高給を得ることもできるだろうという。
「はて?」と思う。一定の競争があるのはいいことだが、お金のモノサシばかりで測っていないだろうか。
明日を信じる「希望」とは、果たして何なのか。
人にとって「希望」とは、いったい何の意味を持つのだろうか。
お金のモノサシだけでは測れまい。 -
Posted by ブクログ
経済の動きに関しては、固定相場制の弊害はかなり分かりやすかった。
主張の部分に関しては私の認識が足りないのだろうが、煽りすぎなのでは?と思うこともあったのと、題名の部分に答えや推論がないことなどが気になった。
筆者の社会的地位や有名度に関して、まあ言ったらどうでも良いというような話もしばしば出ては来るが、なんだか緩い感じで嫌いではなかった。
為替や先物の部分は私の知識が拙いため、メモ帳片手に読み進めたが、意味がわかるようになっていく過程が楽しかった。
ヘッジファンドについても、一般的な認識より少し突っ込んだ解説がなされており、興味があっただけに読めて良かった。 -
Posted by ブクログ
『伝説のディーラー』藤巻健史が過去に大学生への講義で語った内容を、2012年の今のトレンドに合わせて加筆修正した一冊。
金融に興味のある大学生や、社会人にとっては、為替、先物、スワップ、オプションの知識を広く浅く知るのに適している。
ただ、結局藤巻さんの自慢話か!と思う箇所が多々あり、教科書的かというとちょっと…
特に、彼がスワップで如何に稼いだかのくだり。
彼は社内取引(内部取引)で彼に帰属する収益を上げ、また収益計上に会計のカラクリを使っていたという。それ自体はルール違反ではないし、当時は正当かつ賢い行動なのだが、時価会計が主流の今となっては、なぜわざわざこのカラクリを言う必要がある?=つまりは自慢したいだけ?…とつっこみたくなってしまった。 -
Posted by ブクログ
「日本はこれから必ずインフレになります」
という指摘。
たしかに・・・とうなずかざるを得ない。
平成19年度予算では、国は税収等で58兆円の収入がある。
一方83兆円近くを支出している。
したがって1年で25兆円の赤字が出る。
毎年赤字が続いているから、累積赤字は増え続け、たまりにたまった借金は830兆円(2007年6月末)。
こりゃいつか破産するわ。
破産の先にあるのは、円の暴落。
だから、円を、資産(=株、不動産)、ドルなどの外貨に変えておかないと、やばいよ。
円の預金なんかしてたらやばいよ。
っていう話でした。
なるほどなー
と思いつつも、
この人の予測外れてる部分もあるので、「どないやねん」という思いもある。
結局経済のこれからって誰にもわかりっこないんかな・・・
そしたら、経済学者とかストラテジストとかアナリストって、
なんつー商売だ・・・
占い師みたいなもんだよな。
当たったら誉められる。外れても「しょうがない」で済まされる。