須藤靖貴のレビュー一覧
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さて、中巻へ入る。
上巻でシード落ちしたチームが再び箱根駅伝を目指して始動したところからスタート。
相変わらず淡々と季節は廻るが、予選会や本選のシーンは駅伝そのものの魅力もあってまずまず読ませる。同郷の二人が肩を並べて箱根の山を登るなんて、絵になるねぇ。
人物や心情の描写も全体的にはまだ薄いが、要所ではしっかりと描かれるところも出て来た感じで、“追い出しコンパ”を終えて渋谷で飲んだ4年生が、終電がなくなった後、皆で整列して多摩川を目指すところなどには余情あり。
最後の箱根はサラリと描かれ、しかしながら劇的なレースは、剛を大阪の実業団チームに運ぶことになる。
会社に入ってから段々面白くなってき -
Posted by ブクログ
このシリーズ、「Final」を読んだ後、前を遡ろうと中古本屋でⅠ~Ⅴを探していたのだけどなかなか並んでなく、そうしたところ、上中下で揃っているのを見つけた。
あれっと思ったが、『シリーズ全六巻を加筆・修正のうえ、全三巻としました』って、去年の4月に出ていたのだけど全く気付いてなかった。
というわけで、喜んで購入。「Final」の分はダブっちゃうけど、まあ、いいや。
まずは、無名の高校で駅伝を走っていた主人公・走水剛が、シード権ギリギリクラスの大学に入って、箱根駅伝を目指すの巻(Ⅰが高校時代の話で、Ⅱが大学に入ってからの話だったようなので、かなりⅠの部分は省かれちゃったのかな?)。
勇んで読ん -
Posted by ブクログ
高校生の早生龍平(ワセ・リュウヘイ)は170センチ120キロ。
太りすぎの体を持て余していた。
ある日、スポーツ記者である伯父の俊作からボクシングを勧められる。
迷いながら日々を過ごしていた早生は、中学生の不良に襲われ大切なマウンテンバイクを奪われてしまう。
襲われたことを誰にも言えず抱え込んでしまうが、ボクシングを始める決意を固める。
これまで「でぶ」という劣等感を茶化すことで自分をごまかしてきた。
いまだかつて経験したことのないハードなトレーニングを頑張る早生。
ボクシングを通じて成長していくこと、スポーツが教えてくれるとても大切なこと。
どんな自分であっても、自分を大切にすること。
そ -
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ネタバレ運動会を前に捻挫して全治2ヶ月。小学校ラストの運動会に間に合わない。毎年、リレーの選手で走っていたのに・・・。ヒットンは泣いた。
でも、担任のオダキョンに、新聞委員会での運動会の新聞作りに力をそそぐことをすすめられた。リレーでは走れないけど、取材に走る!
校長先生・教頭先生、町内のボランティアの人たちへの取材ではじめてわかったこともある。
6年生で取り組む組体操では、クラスが一致団結しなくてはならないのに、勉強は出来るけど理屈ばかりで非協力的なエガワにムカついたり、応援団長のダッチュとクラスの雰囲気をなんとかしようとしたり。
トラブルもあったけど、運動会の後にはヒットンも成長した。例年通り -
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ネタバレ『これを書きたい、こういうことを言いたい』っていうのが普通だけど、『よく分からないけど、大切だと思うことを、執筆を通じて考えたい』っていうのもいい。執筆の真剣さが、いいインスピレーションを呼ぶんだ」
「ボツも、厳しいダメ出しも、いい小説に向かって進んでる。成功に向かってるってことだ。大造君、小説の失敗ってなんだ?」
「成功に向かって進まない、ってことだから……あきらめること」
「そうだ。あきらめることだ。あきらめたら、その時点で失敗なんだ。みんな、勝手にあきらめ自滅しちゃう。逆に言うと、どんなにつまずいても、あきらめなければ失敗じゃない。僕の好きな女流作家の言葉に、『夢があなたを捨てたのでは