小沼文彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ孤独に空想家として生きる主人公が、町を歩いていてお祖母さんと二人で生活し同じく孤独を抱えたナースチェンカと知り合い、身の上話をしていく話。
現代に置き換えると恋愛相談してきた相手に恋をして成就しかけるも、相談相手は結局、相談内容の相手と付き合ってしまうという話だった。
セリフ回しが舞台や演劇のようで、最初は取っ付きにくさを感じたがだんだんと慣れていった。
別れの失恋のシーンは肉薄するような表現で美しくも儚い夢の終わりだった。
主人公の弱気や人の良さがさらに切なさを加速させ、この主人公はナースチェンカを祝福はしているが、きっと今後、自分と上手くいった未来を空想するものの特に行動はせず、 -
Posted by ブクログ
純愛小説。まだきわめて若い男女の、三角関係のような恋物語を描いた話。
彼や彼女たちと同じくらい若い方々に特にお薦めしたい。でも、この類の経験が比較的多いであろう年齢層の方々のほうが、内容は解りやすいかもしれない。
このような小説に書かれていることは、実際に似た経験をしてみなければわからないところがあるからだ。遠い昔の僕がそうだった。
『愛していれば、いつまでも侮辱されたことを覚えていられるものではありません』
僕に最も印象的だった言葉だ。こんな僕でも、ある異性に対して似た心地をいだいたことがあるから。
あの子も今もどこかで元気にしていればいいなと、柄でもないことを考えるのだった。 -
Posted by ブクログ
人間は子供の頃に持っていたものを取り戻すために生きているのではなかろうか。
自分を三人称化する
今の愛vs過去の愛
ドストエフスキーは愛と恋をどう分けているのだろうか。
愛は存在を対象とし、恋は性質を対象とする、という考えではなく、愛は恋の上位互換のような扱いだろうか?
「われわれは自分が不幸のときには、他人の不幸をより強く感じるものなのだ。」
「でもやっぱりあたしはなんだかあまりにもあの人を尊敬しすぎてるみたいで、これじゃまるで二人が対等な人間じゃないようね?」
「いったいどうしてあたしたちはみんなお互いに、兄弟同士みたいにしていられないんでしょう?どんなにいい人でも、いつもなん