牧野富太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自伝として評価するならば辛くせざるを得ない。
自分の興味・関心のあること、恨み骨髄な出来事だけを語っていて、偏りがひどいので。
山梨に疎開したこととか、満鉄に招待されて吉林省の山桜を調査したこととか、それなりのトピックかと思うけど自伝としては語られない。
まあそういう偏執的なところが学者らしくて面白いことは面白いけど。
第1部「牧野富太郎自叙伝」はそんな感じ。
第2部「混混録」は第二次世界大戦後(すでに84歳)に書かれたエッセイ集みたいなものだが「こだわり」が見えて面白い。
第3部「父の素顔」は晩年の研究を補助した研究者でもある次女が書いたもので、牧野の人物像をもっともバランスよく描いてい