大杉栄のレビュー一覧

  • 大杉栄自叙伝

    Posted by ブクログ

    大杉栄、20歳過ぎまでの前半生。どこかルソーの『告白』を思わせる。
    幼い時から喧嘩好きと女好き、早熟な性体験、権威に対する反抗、猫殺し、陸軍幼年学校での騒動や男色とドロップアウト、中学編入の替え玉受験、東京外語での勉学、などなど、いろいろなものが詰まっている。これを読んでゆくと、彼のアナーキーさはその性格由来なような気がしてくる。
    新潟の新発田で4歳から14歳までを過ごした。その町の様子が詳しく出てくる。新発田は城下町の風情を残しながら、陸軍連隊がおかれた軍人の町(栄の父も職業軍人だった)。当時は相当に雪深かった。ほかの土地にあって、彼はつねにこの「新発田の自由な空」――いわば彼の原風景――を

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    2025年05月08日