三遊亭円朝のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
怪談牡丹灯籠といえば、円朝の代表作、言文一致の先駆的作品といったことで有名だし、カランコロンという下駄の音を鳴らして好いた男のもとに通い詰める幽霊話という程度の知識は持っていたが、実際読んでみたら大分思っていたのとは違った。
旗本の娘お露は、浪人の萩原新三郎に焦がれ死にしてしまう、しかし女の一念からか幽霊となった彼女は供の女中を連れて夜な夜な新三郎のところに通い逢瀬を重ねる、幽霊に取り憑かれた萩原は日々衰弱してしまい、それを知って心配した周囲の者の手助けで高僧からお守りや御札を頂戴したのだが、遂には…、というように話は進むのだが、本作ではこの筋とは別の話が進むことになる。
そちらの筋では、お露の父は主要な登場人物の一人なのだが、「この間お嬢様がお逝れになって」と一言で済まされてしまうほどで、幽霊話と全く関係はなく、お露の父と彼に仕える忠義者の孝助との不思議な因縁と、亡き主人を思っての孝助の仇討ちを巡る話となる。
終盤、偶然性の強いちょっと押し気味の展開は気になるが、興味を最後まで引きつけるところは流石だと思ったし、幽霊譚そのものにも“ええ、そうだったの"と驚くような真相が明かされたのには参った。
口演を速記術により活字化したものとのことだが、明治初頭の作というのに実に読みやすい。