古川隆久のレビュー一覧

  • 昭和天皇 「理性の君主」の孤独

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     本書は、昭和史をより深く解明した良書であると思った。1989年(昭和64年)の昭和天皇の死去を契機とし、昭和天皇の側近や深く関わった人々の日記や書簡が明らかになってくることにより、昭和史の政策決定に関わる奥の院の様子がだんだんと解明されてきたことは興味深い。
     本書は「昭和天皇ほど評価が分かれる歴史上の著名人は少ない」と語る。最近まで宮内庁は、発信する情報量の少なさからマスコミから[菊のカーテン]と揶揄されてきた。昭和史の大きなエポックである日中戦争とそれに続く太平洋戦争についても、その開戰に至る詳細な政治的過程が全てわかっているわけではない。今に至るまで「なぜ、負ける戦争に突入したのか?」

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    2011年12月18日
  • 昭和天皇 「理性の君主」の孤独

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    大正デモクラシーの息吹に育ち、死ぬまで戦争責任を背負った天皇。いろんな限界があったにせよ、徳治主義に生きた君主として私は評価したい。何せ60余年も在位すれば、批判される点もあろう。英国の立憲君主を目指しながら、太平洋戦争中に孤立し疲弊してしまったということを改めて知る。◆また憲法を遵守する姿勢も知り、平和憲法の改憲論を生前抑える重石になっていたという説も納得する。◆◆本来であれば自由に生きた方が楽なのになぁ。

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    2020年07月27日
  • 昭和天皇 「理性の君主」の孤独

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    勇気ある行動。実証中心との標榜であるが、まあ偏りもなく資料を客観的に用いる姿勢は好感が持てる。しかし、孤独な君主とは洋の東西古今を問わないものだ。

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    2011年05月03日