島内景二のレビュー一覧

  • 源氏物語ものがたり

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    本書に紹介されている紫式部と源氏物語研究者を並べてみた。
    紫式部   1000年頃
    藤原定家  1162〜1241
    四辻善成  1326〜1402
    一条兼良  1402〜81
    宗祗    1421〜1502
    三条西実隆 1455〜1537
    細川幽斎  1624〜1705
    本居宣長  1730〜1801
    アーサー・ウェイリー
          1889〜1966

    こうしてみると、源氏物語は創作されて以後、途切れることなく、連綿と研究が続けられている。
    本書は、源氏研究の流れを非常に分かりやすく解説している。


    紫式部の創作以降、源氏物語は研究され、蓄積され、古今伝授を通じて次世代へと引き継がれ

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    2024年09月08日
  • 源氏物語ものがたり

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    源氏物語の研究の歴史を追った本です。
    歴代の主な研究者とその研究内容を紹介しているのですが、一番印象に残ったのは、研究者としては最初に出てくる藤原定家。

    紫式部の時代から200年後に活躍した彼が「源氏物語の本文を確定した」というのは衝撃の事実でしたし、彼が「源氏物語を古典にした」という点も、かなりインパクトがありました。

    源氏物語の内容そのものの理解を目的とした本ではないですが、源氏物語が成立した経緯や、その後の研究の経緯を理解するには、すぐれた本だと思います。
    Oさんが紹介してくれた(しかも貸してくれた)理由が、よくわかりました。

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    2014年05月27日
  • 源氏物語ものがたり

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    源氏物語に魅せられて、その注釈に挑んだ9人の、ものがたり。

    時代の、文化の、連鎖反応。
    時が流れても源氏物語をめぐって何人もの人が研究を続ける。その影響で、また別の文化も生まれる。
    ただの恋愛話ではない、貴族家族友人…源氏物語の魅力を魅せつけられたなと感じる。

    そう言うわたしは、源氏物語、まだ読んだことがない。笑

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    2024年09月25日
  • 源氏物語ものがたり

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    この著者の前著『教科書の文学を読みなおす』がなかなか面白かったので購入。
    源氏物語の受容史において重要な役割を果たした校訂者・解釈者をたどることで源氏物語の面白さを物語るという凝った本で、著者の源氏物語への愛情が至る所に見え隠れして微笑ましい。
    それにしても、新潮新書の全体的つまらなさは相変わらずなのに、日本文学を扱うとそれなりに面白いので評価に困る(汗

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    2009年10月07日
  • 源氏物語ものがたり

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    源氏物語がどのように受け継がれてきたのか、ということの概略を知ることができる。藤原定家から始まる源氏研究の執念。源氏物語は特別なものであり続け、おそらくこれからもそうだろ。今後どうなっていくかは、天に任せるしかないのだろう。

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    2024年10月25日
  • 源氏物語ものがたり

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    藤原定家・四辻善成・一条兼良・宗祇・三条西実隆・細川幽斎・北村季吟・本居宣長・アーサー=ウェイリー
    源氏物語そのものではなくて、源氏物語を愛した9人の人間のものがたりです。
    ・・・というと、なにやら堅苦しい本かと思われますが、決して難しい本ではありません。
    それぞれの研究者たちの偉業をさらっと各章にまとめられていて、その文章も柔らかく、とても読みやすいです。
    時代を追って書かれているので、千年後の今に伝わる「源氏物語」という物語がどのような遍歴を送ってきたのかが見渡せます。
    きっと、この本の軸となっている源氏物語を読んでみたくなるのではないでしょうか。

    この本は、目次が素敵です。
    なにやら気

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    2010年03月27日