アダム・ラシンスキーのレビュー一覧
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シリコンバレーの事情通でもなかなか細部をつかめていなかったアップル社の内部事情を、丹念な取材に基づいて詳細に記した本。著者は「フォーチュン」誌の記者であり、ジャーナリスト嫌いで有名なジョブズ氏のお気に入りの記者の一人、ということらしい。本書では、数万人の社員を抱える大企業としてはとても理解できないジョブズ帝国(あるいはジョブズ教団)の内情が見事に描き出されている。本書によると、①ジョブズによって完璧に制御された組織、②徹底した秘密主義、③妥協しないで細部まで作り込まれたプロパガンダ(製品デザインと宣伝広報戦略)の3つがアップルの力の源泉だったことが分かる。やはり通常の大企業の在り様とはまるで異
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Posted by ブクログ
本書は「ポスト・ジョブズ」のアップルの組織の内部というモノをアップルに勤めたことのある人間に取材に取材を重ねて綴られたものです。その全貌を、元幹部・社員ら数十人の証言で初めて明らかにする貴重な記録。
本書は「ポスト・ジョブズ」のアップルの組織の内部というモノをアップルに勤めたことのある人間に取材に取材を重ねて綴られたものであると思います。通称「インフィニット・グループ」の中でどのようなことが行われているのか?シリコンバレーの企業のうちでももっとも独自な道を行き、大企業でありながらベンチャー企業さながらの動きのすることのあるアップル。
ジョブズからその「玉座」を譲られ、「オペレーションの魔術 -
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Posted by ブクログ
インサイドとついている通り、スティーブジョブズ時代のアップルがいかに凄まじい企業かを体験することができる。
本としてはジョブス亡き後のアップルについての評価を目的としていたようだが、そこまでは達成できず、むしろ揚げ足取り的に見えてしまうのがもったいないところだった。
以下、自分の理解のために。
・徹底した秘密主義は本当に社内政治をなくすのか?人に自身の業務を集中させるのか?
・全てはクパチーノで決める、というのは正しいやり方か?
・外部の利用方法は真似できるのか?
・google wayとapple way、すなわち数字の結果に聞くのか、自分たちの理を信じるのか、これは背反するものなのか何な -
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顧客にとって良い会社、業績の良い会社、株主にとってよい会社、経営者にとって良い会社、従業員にとって良い会社はそれぞれ同じではない。しかし利益の出ていない会社はそのどれにもなれない。一方利益が多ければそのすべてになる訳でもない。
アップルの時価総額が世界最高となった今、アップルは良い会社であるが、誰にとって良い会社なのであろうか。本書は主として従業員や経営者にとってアップルがどういう会社なのか、という点にまつわる組織や仕事の進め方、企業文化について述べている。
アップル社が従業員に求めるものは非常に単純である。スティーブジョブスが従業員に求めていたものと同義であるのがこれまでのアップルであっ -
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ジョブズが残した最大の遺産は最高の組織だったという文言に惹かれ手に取った。アップルという会社は今後経営スクールで取り上げられないと思われるほどに単純である。組織はプロダクト毎に形成され他部門の業務について他者は全く知り得ない。また、アップル外の取締役等の仕事は基本的に許されておらず徹底的に秘密主義が貫かれている。アップルはカリスマであるジョブズを失い現実歪曲フィールドを今後失っていってしまうかもしれない。ゆえに今までの強気な姿勢で顧客を洗脳し、ビジネスパートナーを巻き込むことが不可能になるかもしれない。しかしながら、ジョブズの死を期に更なる飛躍を遂げる可能性があると本書では述べられている。現に
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Posted by ブクログ
アップル社員はとても優秀な人ばかりなんだという印象。
特に印象的なのは、製品と消費者の為に秘密を貫くということだろうか。
下手に発表して発売日を予告するから、消費者は勝手に妄想を膨らましてしまうし。延期しようものならそれだけでマイナス評価になる。
もちろん開発側も簡単に延期はできないから、品質を落とすか、機能を削るかといった決断もされるだろう。
それよりも、製品についてやれるだけのことをやって、準備ができてから製品に喋らせるという形にすれば、製品も消費者も傷つかない。
アップルの製品についての情熱は他でも多く語られているところであるが、
「自分たちの為に製品を作ってる」というのは素晴らしい -
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Posted by ブクログ
ベールに包まれた社内の状況についてフォーチュン誌記者が鋭く説く。この本を読むとアップルは孤立した歪な企業であることが分かる。
徹底した情報管理、秘密主義、セキュリティ対策。
社員であっても必要以上の情報は提供しない。
組織図さえも存在しない。
「アップルのなかの人間はみな出たがっている、アップルの外の人間はみな入りたがっている」
ユーザの立場だから良かったと安心するのは早いです。
「アップルの目標は本当にすぐれた製品、本当にすばらしい製品を作ることだ。結果として製品がすぐれていれば、みんなが買ってくれ、利益が生じる」とありますが、一方で次のことを言っています。
「われわれは自分たちのために製品