片田敏孝のレビュー一覧

  • 子どもたちに「生き抜く力」を 釜石の事例に学ぶ津波防災教育

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    ■津波から命を守る避難三原則
    ・想定にとらわれるな
    ・その状況下において最善を尽くせ
    ・率先避難者たれ
    ■人間は自分に危険を知らせる情報について、最初の情報は無視する修正がある。これを打破するためには、同じ意味を示す2つ目の情報が必要。逃げてはいないものの非常ベルによって不安の中にある人は2つ目の情報が大きな意味を持つ。
    ■防災教育には「脅しの防災教育」「知識の防災教育」「姿勢の防災教育」の3つのタイプがある。
     このうち最もやってはいけないのが「脅しの防災教育」。災害の怖さをいくら話ししてもあまり効果がないばかりか、自分の住んでいる街をマイナスイメージで捉えてしまう恐れがある。
     「知識の防

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    2023年10月09日
  • 人が死なない防災

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    ☆10個くらい付けたい本。

    片田さんは、津波防災の研究者だが、それにとどまらず、釜石市など全国での講演により、住民の防災意識の向上を図ってきた。

    東日本大震災、甚大な被害をもたらしたが、それでも、彼の取り組みによって救われた命はいくつあったことか・・・。

    この本はたしかに素晴らしい本だが、実際に災害が起きたとき、ここに書かれている行動を自分が取れなければ何の意味もない。

    この本は是非、一読をお勧めしたい。

    願わくば、自分自身も含め、自然災害に見舞われたとしても、災害以前と変わらず、健全な心身、命を保てるような、的確な避難行動が取れますように!

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    2022年01月02日
  • 人に寄り添う防災

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    ■「あるべき論」を論じその都度提言をまとめたとしても防災の現場は改善されない。
    ■防災の現場は研究者や行政の「あるべき論」で動くのではなく、その時その現場に臨んだ人が何を思うかによって動きが決まる。
    ■ハザードマップマップを見る必然性を感じていない人に「ハザードマップをみよう」と連呼しても、その効果は期待できない。
     ハザードマップを見ようとしない住民の心の在りどころに理解を示し、その前提を共有した上で少なくともいざというときにはハザードマップを自ら活用する態度を醸成するようなコミュニケーションを行うことが大切。
    ■なぜ要配慮者問題は続くのか
     内閣府は2004年度に「集中豪雨時等における情報

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    2021年08月27日
  • 人に寄り添う防災

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    正常性バイアス、他愛性など実際の被災者の視点に立ちながら防災問題の改善について本気で論じている。
    私たちは災害過保護状態をもういい加減に脱しなければならない。

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    2021年07月24日
  • 人が死なない防災

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    2011年の東北大震災
    その時、釜石の小学生中学生はなぜ助かったのか?
    そこには防災の基本とされていた多くの秘訣がある。
    想定外だったということは後でいえる事。
    死なない為には当たり前だと思われていることを当たり前と思わないこと。
    助かるためにはどうすればよいかということが本書を読むことで多いにそのヒントを得られる。

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    2019年10月09日
  • 人が死なない防災

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    シンプルに、「何のために防災に取り組むのか」「そのために何をすべきか」ということがテーマ。

    人が死なないためにやるのが防災であり、いつか必ず来る「その時」に、主体的に最善の振る舞いができることが大切なのだということを、本書から学びました。

    また、防災を考える時に、災害の恐ろしさを強調するのではなく、この地域で生きていくための作法として伝えていく、というやり方がとてもいいなと思いました。

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    2019年03月11日
  • 人が死なない防災

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    ■避難の三原則
    ①想定にとらわれるな
    ・端的に言えば「ハザードマップを信じるな」
    ②最善を尽くせ
    ③率先避難者たれ
    ■一家滅亡,地域滅亡という悲劇ばかりを繰り返してきた中でできた言い伝えが「津波てんでんこ」
    ■明治三陸津波では震源地では大きい地震があったがゆっくり動く地震であったため,釜石のあたりは震度1か2くらいであった。
    ■津波は並ではなく海の壁
    ・海底の深いところでは時速800キロぐらいのスピードで伝播する
    ・浅くなると急ブレーキがかかり水深500メートルで新幹線並み,100メートルで車並み,10メートルで人間が走るぐらいのスピードとなるため,波が積み重なって高くなる
    ■行政がやるべきだ

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    2019年03月10日
  • 人が死なない防災

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    久々に心が震える本を読んだ。電車ん中で読めないよこれ。自分の命は自分で守る。こんな当たり前のことが当たり前ではなくなっている。よく言えば、それほど日本は平和になっているってことだけど、いざっていうときに生死を分けるのは、そういう危険意識だと思う。考えすぎなわけがない。

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    2017年12月22日
  • 人が死なない防災

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    本書は教授が東日本大震災前から取り組んだ防災講演会を元に上梓されたものだ。なので、敢えて震災前の第2章から読み始め、第1章「釜石の奇跡」と称される「人が死なない防災」へと読み進めた。教授の論は震災前後でブレることがなく、その論旨は明快で爽快だ。災対基本法成立後、国・地方自治体は総力を挙げて防災対策を行ってきたが、それが国民・住民を災害過保護にしてしまった。指示待ち世代なんて揶揄する人も、こと命を守ることに指示を要するなんて滑稽であり悲しいことだ。正常化の偏見と併せて、私達の意識改革が必要だと感じた。

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    2017年09月01日
  • 人が死なない防災

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    東日本大震災の大津波で、釜石ではほとんど小中学生が犠牲にならなかったのは、彼らが自分たちで避難をきちんとしたからだ――、という実績をもとにして、防災教育や防災情報、ひいては防災というものについて市民一人一人が抱くべき考え方を説く。
    東日本大震災直前に釜石で高校生らに講演された記録なども含まれていて、貴重だし、示唆に富む。

    1.想定にとらわれるな
    2.最善を尽くせ
    3.率先避難者たれ
    これを片田氏は「避難の三原則」として示す。
    例えば1について。ハザードマップはあくまで明治三陸地震のときの実績にすぎず、前提の異なる外力になると当然に結果は変わるということ。今回の震災では「想定外」という言葉がや

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    2014年11月28日
  • 人が死なない防災

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    ・自然災害は想定を超えるから災害となるのだが、想定を際限なく上げることが防災の本質ではない。そんな財源がどこにもないし現実的ではない。
    ・”想定外だったから”でも、”想定が甘かったから”でもなく、”想定にとらわれすぎていた”ことが問題。(→「これだけ巨大な防潮堤があれば安心」「ハザードマップでうちは色のついていない地域だから大丈夫。」といった固定観念。)
    ・人間は嫌な情報・予想したくないことには眼を向けたがらない・自分の死を直視できないという習性がある(→「煙の匂いもしないから大丈夫だろう」「非常ベルが鳴ってもみんな逃げていないし」「わかっちゃいるけどできない」といった正当化の偏見・集団同調・

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    2014年07月23日
  • 人が死なない防災

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    いろいろな意味で目からうろこの防災のあり方。
    まず、自分が率先避難者として命を守ること。
    行政やマスコミ、情報依存体質にならないこと。

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    2014年01月17日
  • 人が死なない防災

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    行政を頼らない「内発的な自助」の考え方を子供に叩きこむことの重要性を説いている.釜石市で津波から子供たちを守った実例は非常に貴重であり、自助の考え方を広めていく必要があると痛感した.

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    2013年04月14日
  • 子どもたちに「生き抜く力」を 釜石の事例に学ぶ津波防災教育

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    平成16年から釜石で危険に向かい合う防災教育をしてきた片田先生の著書。中学生自らが小学生やお年寄りを連れて避難したことを「釜石の奇跡」と言われた。「想定にとらわれるな」「その状況下において最善校尽くせ」「率先避難者たれ」を避難3原則であるとして防災教育を行っている。

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    2012年09月09日
  • 人が死なない防災

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    「人が死なない防災」というタイトルがとても良いな、と思いました。
    論文の題材に防災教育を選んだので読んだのですが、この本を通して著者である片田先生の考えには感銘を受け、私も誰も死ぬことのない防災のあり方について深く考えさせられました。
    いかに大きな災害で町が全壊しても、命さえあれば何とかなるんじゃないかと思います。そういう意味で、命を守ることが最も大事であり、今回の震災の反省を活かして、早急に新しい防災教育に取り組んでいくことが求められているのではないかと思います。
    本に関しては、この片田先生が考えた防災教育は釜石以外でも無条件に可能なのだろうか、ということが少し気になりました。

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    2012年12月03日
  • 人が死なない防災

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    防災関係に携わる者としては、もっともっと早く読んでおきたかった。


    読んで本当に為になった。


    土木や防災に関わる人だけではなく、本当に様々な人に一読してほしいし、それだけの価値がある本ではないか、と感じた。


    新書にありがちな、専門用語のオンパレードで、読み疲れするような感じもないし、読みやすい。


    この本から得た教訓を日々の生活に生かしていきたい。


    また、片田先生が海岸や津波を専門としていることもあり、その分野についてももっともっと勉強したいと思わせられてしまった。

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    2012年08月14日
  • 人が死なない防災

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    最近読んだ防災関係の本では一番よかった。ただ単に防災に関する知識が書いてあるだけでなく、いまの日本が抱える防災の問題点・それに対する著者の考えがしっかりと書かれている。
    とくに「行政に依存した日本の防災」については納得。

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    2012年05月05日
  • 人が死なない防災

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    釜石での防災教育の実践から、防災教育においては、その「姿勢」をいかに形成するかが重要ということを解説している。

    また、その「姿勢」を貫くためには家族や共同体における相互信頼が必要という指摘も興味深い。

    片田先生の目指すところは、「災害ごときで人が死ぬことがないようにする」ということ。今回の釜石での小中学生の活躍は素晴らしいが、それでも全員を助けられなかったと反省する片田先生の言葉は重い。

    本の内容と比較すると、帯の「生存率99.8%」という強調は非常に残念。この本の本質を見失わせ、全体としての価値を落としている印象を受ける。

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    2012年03月19日
  • 人に寄り添う防災

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    本書でも取り上げられているけど、結局、これまでの防災では、要配慮者の問題は行政がやるのか?住民がやるのか?白黒付けずグレーゾーンで放置されてきた。

    文中で、寝たきりの人や人工呼吸器利用者を行政でカバーして、その他は、住民が避難支援を担うべきとの提言がなされている。

    個人的には大賛成で、医的ケアの範疇にある人については、行政が丸抱えすべきで、まずは住民側のハードルを下げて、心理的負担感を減らすことから始めないと、多分進まないと思う。

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    2020年11月03日
  • 人が死なない防災

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    子どもであっても主体的に逃げることができるように。
    行政ができないから仕方なくやるのではなく、内発的な自助が大切。

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    2019年05月28日