咎井淳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ恥ずかしながら江戸川乱歩の小説をほとんど読んだことがなかったため、咎井さんの美麗な表紙だし良い機会だと思い購入しました。
内容はやはり凄い、の一言しか出ませんでした。ここまでの展開を頭の中で考えて文章にできるというのが、常人ではないなと思います。乱歩小説に対してはおどろおどろしい血なまぐさいイメージが先行して、あまり率先して手をつけようと思わなかったのですが、これを機に読まず嫌いをやめて読んでみようと思います。
BL的な観点ですが、勝手に想像して「諸戸が箕浦さんに関わる人間を全員消して、僕だけを見てください系ヤンデレ化する話なのかな」と思っていたので、話の顛末には驚きました。箕浦さんがノンケで自分を愛さないことを聡明な諸戸が理解していないはずはないし、それでも友情を続ける精神力と異常なまでの箕浦さんに対する愛情を考えてみると、諸戸って凄い一途な男ですよね。しかも長い付き合いの中で、あの洞窟で理性がぶっ飛ぶまで一度も行為に及ぼうとしなかったとこらへんも、諸戸がどこまでも紳士的で箕浦さんを大事に思っていたかを表してます。死ぬ時までもずっと箕浦さんの名前を呼び続けていたという最後の文章に少し切ない気持ちになりました。
それに対してどこまでもノンケの姿勢を崩さない箕浦さんもなかなかだなあと思います。所々、諸戸のことを意識する場面も出てきはしますが、あくまで彼の情欲とは結びつかない。頭脳明晰で容姿端麗な諸戸が自分のことを盲目的に愛している、という事実が箕浦さんにとっては得意に感じる部分ではあるかもしれないけれど、結局のところ自分の肉欲には一切関係がないというのが本当にノンケな気がします。自分は秀ちゃんと一緒になって、近くの病院の院長に自分に恋焦がれているはずである諸戸を選ぼうとしていたところからも、一時襲われそうにすらなったのに箕浦さんには諸戸の感情に応える気は一切ないのだな、というのが伺えます。そう考えると、一生自分の恋する男が違う女と仲良く生きていくのを見続けるよりは、二人しか世界には存在しないとある意味では幸福に思えるような経験をしたことを胸に病で死んでしまった方が、諸戸にとっては幸せだったのかもしれません。
しかし個人的には、箕浦さんが諸戸と二人きりになった時、どちらかが異性になったように感じると言っていた描写がめちゃくちゃ萌えました。罪深い腐女子の業です。
ここまで長々と書きましたが、あくまでBLは話を構成する一要素で、それだけが全てではないことは頭に留めておくべきだと思います。 -
Posted by ブクログ
短編6話。江戸川乱歩の短編集は各出版社から出ているが、こちらはテーマが「変態」となっている。
テーマの通り、人間の狂気的な、確執的な面が物語として描かれた作品が収録されている。
◼︎人間椅子
自分の周りは江戸川乱歩といえばこれだった。
◼︎D坂の殺人事件
明智小五郎が初めて登場する作品らしい。
なんとなく想像はついた。
◼︎屋根裏の散歩者
こちらも明智小五郎が登場。
◼︎押絵と旅する男
本書に収録された作品の中で1番好きだったかもしれない。世にも奇妙な物語にありそうな感じ。
◼︎鏡地獄
個人的には腑に落ちない感じがありちょっとうーん。
◼︎パノラマ島奇談
読んでてずっとディズニーランドと地獄楽を思い浮かべてた。
映像化と相性良さそう。 -
Posted by ブクログ
初、Audibleで芋虫のみ聴読。江戸川乱歩自体にもあまり触れたことがなかったが、とても面白く引き込まれた。戦争で両手両足が引き裂かれ、喉も潰れ耳も聞こえない芋虫男の須永中尉。それに愛欲を注ぐ女、時子。
達磨のようになってしまった旦那にサディスティックな欲求をぶつける。遂には究極を追求したい気持ちに突き動かされ、残された中尉の眼を潰す。人間の根底に根付いている残酷性を垣間見ることができる。命や性をこれほどまでに弄ぶ動物は人間の他にないだろう。
なんなんだ人間ってやつは。恐ろしい。そしてそのエログロの世界に昂奮してしまっている自分にも身震いする。