咎井淳のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ恥ずかしながら江戸川乱歩の小説をほとんど読んだことがなかったため、咎井さんの美麗な表紙だし良い機会だと思い購入しました。
内容はやはり凄い、の一言しか出ませんでした。ここまでの展開を頭の中で考えて文章にできるというのが、常人ではないなと思います。乱歩小説に対してはおどろおどろしい血なまぐさいイメージが先行して、あまり率先して手をつけようと思わなかったのですが、これを機に読まず嫌いをやめて読んでみようと思います。
BL的な観点ですが、勝手に想像して「諸戸が箕浦さんに関わる人間を全員消して、僕だけを見てください系ヤンデレ化する話なのかな」と思っていたので、話の顛末には驚きました。箕浦さんがノンケ -
Posted by ブクログ
短編6話。江戸川乱歩の短編集は各出版社から出ているが、こちらはテーマが「変態」となっている。
テーマの通り、人間の狂気的な、確執的な面が物語として描かれた作品が収録されている。
◼︎人間椅子
自分の周りは江戸川乱歩といえばこれだった。
◼︎D坂の殺人事件
明智小五郎が初めて登場する作品らしい。
なんとなく想像はついた。
◼︎屋根裏の散歩者
こちらも明智小五郎が登場。
◼︎押絵と旅する男
本書に収録された作品の中で1番好きだったかもしれない。世にも奇妙な物語にありそうな感じ。
◼︎鏡地獄
個人的には腑に落ちない感じがありちょっとうーん。
◼︎パノラマ島奇談
読んでてずっとディズニーラ -
Posted by ブクログ
初、Audibleで芋虫のみ聴読。江戸川乱歩自体にもあまり触れたことがなかったが、とても面白く引き込まれた。戦争で両手両足が引き裂かれ、喉も潰れ耳も聞こえない芋虫男の須永中尉。それに愛欲を注ぐ女、時子。
達磨のようになってしまった旦那にサディスティックな欲求をぶつける。遂には究極を追求したい気持ちに突き動かされ、残された中尉の眼を潰す。人間の根底に根付いている残酷性を垣間見ることができる。命や性をこれほどまでに弄ぶ動物は人間の他にないだろう。
なんなんだ人間ってやつは。恐ろしい。そしてそのエログロの世界に昂奮してしまっている自分にも身震いする。