田畑あや子のレビュー一覧
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Megan Hineというイギリス人女性を通して、人間の秘めた能力の凄さにただただ驚嘆させられた! 生死の境目という極限での自然との一体感の述懐はスピリチャル体験そのもので、羨望を禁じ得なかった。
〈本から〉
ミーガン・ハイン A &FBOOKS
この一万年のあいだに人類の文化は進化し、知識やスキルをみにつけてきたが、体はそうではない。テクノロジーにあふれた都会を原始的な脳で歩きまわっているせいで、ときおり現代の生活に予想外の反応をしてしまうことがある。
わたしたちと火のあいだには深く原始的なつながりがある。
ストレスとは緊急の際に体を始動させるためのサバイバルのメカ -
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1992年、元FBI捜査官のマリー・ミッチェルが自分の双子の息子たちに語る手記という形で進行する物語。
黒人としてニューヨークに生まれ、警察官の父と、別離してしまった母親。いつも勇敢に自分を守ってくれた姉のエレーヌ。今は二人の息子と暮らしているが、そこを正体不明の暴漢に襲われ、身の危険を感じてフランスにいる母親の元に息子たちとともに身を隠す。
1960年代から70年代、80年代と手記の話は時代を行き来する。
自分の少女時代、慕った姉がCIAに入って諜報活動にかかわるようになることを知り、自分もFBIに入るものの白人・男性が上位の世界において、才能がありながら不遇な状態がつづく。
そこから話は8 -
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1980年代後期。FBIニューヨーク支局で捜査官として働くマリーは、黒人女性であるがゆえに能力を発揮する機会を与えられずにいた。そんな時、ブルキナファソの共産主義政府の弱体化を狙うCIAから、若き革命家トマ・サンカラにハニートラップを仕掛ける役目を言い渡される。自身の才能ではなく容姿を買われたのだと悟りつつも役目を引き受けたマリー。そして、さらにハイリスクな任務の見返りとして、幼少期から共にスパイに憧れて育った姉の謎の失踪について鍵を握る人物との接触を約束される。しかし、国民のための改革を推し進めるサンカラの人柄を知るほどに、任務に対する信念は揺らぎ始め……。舞台はアメリカ、ブルキナファソ、そ
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ネタバレ冷戦下 アフリカのチェ・ゲバラと呼ばれた トマ・サンカラを誘惑する任務を与えられた黒人女性のスパイ小説でした。
文章が スパイの女性の手記という形だったので
ちょっと読みにくかったけど
途中から 慣れていきました。
色々な 悩みなどを抱えていって
成長していく主人公は
家族の悩み、姉妹の悩み、
肌の色、女性という事など 多くの事が絡んでいました。
日本人なので 肌の色とかの差別など感じた事がないせいか 感情移入はあまりできませんでしたが
アメリカという国で悩んでいる
多くの人達それぞれの気持ちを代弁しているような感じなのかな?
お姉さんの件は 今ひとつはっきり書かれていなかったけど -
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2人の男が互いにシリアルキラーの「55」番目の被害者になりかけ、お互いを犯人だと主張していて、どちらが犯人かを捜査していく・・という話。このあらすじを読んで、色んな糸口を辿って捜査・推理を進めていくかんじかなと思ったけど、なんだか推理のシーンというか、ミステリーっぽさはあまりなく、かといって警察物という組織だったかんじがなく(主人公と同僚の結びつきが感じられない)、それでいて主人公がパッとしない。そして本編と並行して過去の失踪事件の話が進められていくのだけど、この何が、というか誰が本編とつながりがあるのか初っ端から大体予想がついてしまう。
主人公の嫌悪する幼なじみの警部補がヒールとしてずっと出 -
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「55」という数字が、被害者の数らしいというあらすじからの憶測を元に読み始めた。シリアル・キラーは大好物なので(笑
序盤の展開は至ってシンプル。ふたりの容疑者(=自称被害者)は、相手こそが殺人鬼だと言い張り、しかもふたりともあからさまに挙動が怪しい。振り回される捜査チームだが、チームリーダーの幼馴染のキャリア刑事が合流したことで、さらに捜査は迷走。小さな火種をあちこちにばらまきながら展開するストーリーは面白いが、刑事同士の確執シーンがわかり過ぎのやり過ぎで若干辟易した。
サスペンスとしては秀作だと思う。真犯人の予測は可能だが、そこに至るドラマと、謎解きのプロセスがとても興味深かった -
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購入して読み出す前に、ここに登録している他の人のコメントを参照した。あまりの評価の悪さにガッカリして、これでは読むのをやめようか、とさえ思った。しかし読みはじめると、そんな心配は杞憂であった。犯人と被害者が、時をおいて、それぞれ自分が被害者だと警察に現る。それだけでも結構独創的ではないか。他の評者は舞台がオーストラリアという文学的過疎地だということに惑わされたのかも知れない。因みに、作者は北アイルランド人だ。この人もアイルランド人の饒舌さを受け継いでいて、物語はどんどん進行する。登場人物の人物描写も適切で、幼なじみの現在の地位による確執も面白い。終末近くになって、二人の容疑者の一方の仮面が剥が
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ジェイムズ・デラーギー『55』ハヤカワ文庫。
そんな結末ってありか。刺激的なテーマで始まったミステリーは二転三転し、2つの意味で愕然とさせる結末へと辿り着く。
オーストラリア西部の警察署に土埃と血にまみれた状態で駆け込んで来た謎の男は連続殺人犯から命からがら逃れて来たと主張する。その後に警察署に駆け込んで来た男も、自分も55番目の犠牲者になる前に連続殺人犯から逃れて来たと主張する。
全く理解出来ない事件の背景と救いの無い結末とその結末をきっちり描かない著者の情けなさ。最近のハヤカワが発掘する新人作家はハズレが多く、なかなか次作まで辿り着かないように思う。
本体価格1,160円
★★★