玉野和志のレビュー一覧

  • 町内会 ――コミュニティからみる日本近代

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    この地味なタイトルからは想像できない読み応え。久々の入り込む読書体験でした。

    町内会なんてみんな嫌々入ってるだけでメリットもそんなにから廃止してしまえばよいのになーとうっすら感じていた。それは町内会本来の存在意義である特権的な「階級性」が希薄なっている反面、機能として求められる「統治性」の比率が重くなっているからなのだ、という私の理解。うっすら感じている嫌悪感の根本理由を指摘されたようで開眼ものです。

    同じこれって必要なのかな?代表格のPTAに関する政治学者によるフィールドワーク(私的な営み)を開陳してくれる『政治学者、PTA会長になる』岡田憲治著とテーマの類似性を感じる。本書は歴史的経緯

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    2025年12月03日
  • 町内会 ――コミュニティからみる日本近代

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    ■町内会の6つの機能(菊池美代志)
    ①親睦機能(運動会・祭礼・慶弔など)
    ②共同防衛機能(防火・防犯・清掃など)
    ③環境整備機能(下水・街灯・道路の管理・維持)
    ④行政補完機能(行政連絡伝達・募金協力など)
    ⑤圧力団体機能(陳情・要望)
    ⑥町内の統合・調整機能
    ■町内会という日本の近代が生み出したかけがえのない資産を行政との折衝と議会への政治的要求とを可能にする市民の協議の場へと受け継ぐことはできないか。

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    2024年10月13日
  • 創価学会の研究

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    ヨーロッパでは労働者が自ら労働者階級に留まり、世代的に再生産していくことを望み、それゆえ労働者階級全体としての生活の保証と向上を求める。
    それに対して、日本は個人の努力なのだ・・・!

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    2020年04月03日
  • 創価学会の研究

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    創価学会の研究。玉野和志先生の著書。創価学会の歴史や創価学会と日本社会の関係をわかりやすくまとめた良書です。

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    2018年10月09日
  • 町内会 ――コミュニティからみる日本近代

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     町内会の担い手不足は周知の事実であるが、そもそも町内会のや自治会という組織にフワッとした考えしか持ち合わせていなかったため、定義から学び直そうと購入。
     本書を読む限り、定義は地方の数だけ存在するようであるが、共通している部分は全世帯加入が原則、そして災害時などの共助機能にあるようだ。
     筆者は本書の副題である「コミュニティからみる日本近代」にもあるように、歴史的な観点から多くの参考文献を用いながら説明してくれる。ページの半分以上は歴史的観点からの背景説明に割かれているため、今の動きを手っ取り早く知りたいと思う読者には、もどかしく感じるかもしれない。
     自分は歴史が不得手であるため、本書を最

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    2025年05月27日
  • 町内会 ――コミュニティからみる日本近代

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     以前に町内会長を務めたことがある、当方の町内会は対象者は全世帯が加入している。役員は6軒ごとの輪番制で、その中から町内会長を選ぶというやり方である。なにか行政の下請け的な仕事が多く、疑問を持っていた。

     本書は、よくあるような町内会もいろいろ大変だけど、こんな風にして頑張りましょう的な本ではない。

     任意団体なのに、なぜか全戸加入が原則の不思議な組織の成り立ちから繙いており、非常に興味深い。特に明治維新から近代、そして戦後の町内会の役割を考察している。労作であるが、あまり売れないのではないかと心配している。

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    2024年12月20日
  • 町内会 ――コミュニティからみる日本近代

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    PTAとも似て、自分も役員として大変な思いをしたが、避けては通れなそうな町内会。担い手不足や加入率の低下が言われる中、未来はあるのか。行政とも深く関わる成り立ちの経緯や今後の姿を、豊富な研究を掘り起こしながら考察する書。

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    2024年08月25日
  • 町内会 ――コミュニティからみる日本近代

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    正直、歴史的な記述も多いので、読み進めるには骨が折れる読者が多いかもしれない。
    ただ、行政や政治に関わる人にはぜひ読んでおいて
    損はない新書。
    どうして今自治会が、存亡の危機に瀕しているのか、様々な角度から分析し、最終的に今後の自治会のあり方についての提案まで綴られている。
    日常自治会のもやもやを言語化できなかったので、非常に勉強になった。

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    2024年08月13日
  • 創価学会の研究

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    創価学会について私の周りの反応は悪い。私もあまりよいイメージはない。そもそも特定のものを「意識的に」(強調)信仰すること自体にいい印象は持っていない。

    けれども、その悪い悪いといわれている創価学会についての私の知識は全くないのだ。否定するにも(否定する気はないが)、知識がなければできないのである。ということで手に取ったのが本書である。

    著者は中立的な立場で本書を上梓した。
    創価学会は創価教育学会が前身である。おそらくここでは学問をしていたのだろう。今は創価学会になり、学問している印象はない。だから創価学会ではなく、「創価宗教」とか「創価の会」とかにすればいいのに。
    学会員になるのは簡単で、

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    2014年02月13日
  • 創価学会の研究

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    ここまでニュートラルに学会の内実を描く研究も珍しい、そう元学会員の父が言うからには間違いない(笑) 長い間離縁するうちに僕は仏教と逆の方向に行ってしまったが、顕彰会との対立、学会がよく言われる現世利益的な側面をむしろ肯定的にとらえていることなど、知らずに知ったつもりでいたところも多く良かった。

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    2014年02月02日
  • 創価学会の研究

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    [ 内容 ]
    批判でも賞賛でもないはじめての学会論!
    社会学者が知られざる実像に迫る!
    なぜ日本社会は学会を嫌うのか。
    勤行、教学、折伏、財務―学会員の日常とは。
    保守化、巨大化した組織のゆくえは。

    [ 目次 ]
    1章 学会員たちの信仰生活(学会員になるということ 学会員たちのプロフィール ほか)
    2章 創価学会の基礎知識(創価学会の歴史 日蓮と日蓮宗 ほか)
    3章 創価学会についての研究(初期の創価学会研究 学術的な研究と評価 ほか)
    4章 創価学会の変化(創価学会の変遷 日蓮正宗からの分離 ほか)
    5章 これからの創価学会(自民党との接近 自民党とよく似た構造 ほか)

    [ POP ]

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    2010年11月23日
  • 創価学会の研究

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    創価学会について書かれた本は、礼賛するものと非難するものと極端に分かれる傾向にあるが、本書はそのどちらにも偏らず、極めて中立的な立場から創価学会の歴史や成り立ち、現状についてルポタージュしたものである。創価学会という、今や日本の統治機構を考える上でも無視出来なくなっている勢力について、知識として知っておきたい、という欲求を満たすには最適かもしれない。

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    2010年01月17日
  • 創価学会の研究

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    創価学会を客観的に描いた本。
    興味がある対象であるが、いままでこのタイプの本がなかったので非常に面白かった。

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    2009年10月04日
  • 町内会 ――コミュニティからみる日本近代

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    ネタバレ

    自治会•町内会が、近年加入率の減少によって成り立たなくなりつつあるのではないかという懸念からそもそも自治会•町内会とは?という疑問から読み始めた。
    歴史的な面の説明が充実しており、役割の変遷がわかった。近年の地域の政治的意見集約、行政の下請け装置という役割から、行政の下請けの部分を民間や団体に流すことはひとつ方法としてあるとは思った。

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    2025年05月18日
  • 町内会 ――コミュニティからみる日本近代

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    以前、仕事をご一緒した方がお薦めしていたので手に取った本。仕事で町内会とのやり取りもあるので、気になった。
    「町内会の特質が、行政権力の側での統治の技術に由来するものであった」という見解はなるほど、と思わせる。行政側が「町内会に意見を聞いた」「町内会に伝えた」ということを免罪符にすること、あるもんね。一方で、「町内会が政治家を当選させる力を持っていた」という見解も、今でも町内会や商店街を議員がこまめに回っているのを見るにつけ、納得感がある。地元住民より地元の自営業者が町内会の幹部の担い手になり続けたことも納得。研究と実態が噛み合った良書だった。

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    2024年11月23日
  • 町内会 ――コミュニティからみる日本近代

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    町内会を題材にした本は、見た事なかったのと、町内会に置かれている現状と成り立ちについて、非常に勉強になった。

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    2024年08月30日
  • 創価学会の研究

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    創価学会の歴史をよく知らなかったので手にした本だが、なかなかよく整理されていた。できれば、創価学会の成立と戦前の弾圧の部分をもう少し書き込んでもらいたかったが、例の「破門事件」の経緯など、よくわかった。

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    2010年05月08日
  • 創価学会の研究

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    創価学会の競技についてではなくて、創価学会が生まれた背景や支持者の社会的構造、日蓮宗や公明党との関係などが丁寧に解説されていて、勉強になった。創価学会はベールに包まれているので、なんだか不気味な存在に思えてしまうが、内容を知ると付き合い方が見えてくる。

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    2010年05月08日
  • 創価学会の研究

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    一読して、これまで私には不可解だった自公連立について、
    その背景がいくらか見えたような気がする。
    鍵は日蓮正宗からの離脱、そして学会員の階層上昇である。

    確かに創価学会に対してやや甘い部分がある。しかし学会バッシングがあふれる中での解毒剤としてよいのではないか。
    バッシングはかえって学会を孤立させ、凝集力を高めさせて社会的には好ましくない。

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    2009年10月04日