黒部信一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ友人が貸してくれました。
小説でもなにのに、新書を読んで泣きそうになるなんて初めて。小出先生がどんな思いで反原発を訴えつづけてきたのかがひしひしと伝わってきました。
少なくとも私は、政府や原発賛成派の人たちの「福島原発の事故は収束している」だとか「放射性物質があったとしてもただちに影響はない」だとかいう言葉より、小出先生の「もうすでに日本中が放射能に汚染されていて、私たちは汚染された世界を受け入れて生きていくしかない」とか「もはや完璧に汚染されていない食品だけを食べ続けるなどということは不可能」という言葉の方がずっと信じられる。それは本当に信じたくないような事実だけど、でも今ここにいる私たちが -
Posted by ブクログ
低線量の放射能による癌も、一般の癌と何も区別はつきません。
いわば「放射能の完全犯罪」です。十年後、数十年後に後悔しないために
今、絶対に知っておくべきこととは?
一般に信じられている放射能についての誤解を解きながら
データや図表を駆使して、原子物理学者と小児科医の立場から
「子どもと放射能」についての正しい知識を伝えます。
「私は、未来の子どもたちから、つまりこれから被曝をしながら
生きていかなければならない子どもたちから
『お前はどうやって生きてきたのか』と問われるでしょう」(小出裕章)
【目次】
第一章 何があっても子どもたちを守らなくてはいけない──小出裕章 -
Posted by ブクログ
低線量であっても被曝がいかによくないか、大人は責任をもって子どもを守るべし、という話。原発事故から半年後に出た本です。
はからずも放射線リテラシーが(正しいかどうか別として)高まった今となると、決して詳しい、目新しいものではありません。
本当に責任のある大人はキッチリ責任を取るべきだし、そうでない大人も、「騙された責任」があると。でもその責任のとり方として、汚染食品を食べろとか、むしろ、怒りをメインにした感情の吐露。子どもを守るという大前提には大いに賛同できますが、行動誘発とは違う煽りのような印象が強い。過渡期の本ゆえなのか、こういうスタイルなのか。