加茂隆康のレビュー一覧

  • 自動車保険金は出ないのがフツー

    Posted by ブクログ


    保険屋にいいイメージはありませんが、本書を読んでなおさら汚い商売という感覚が湧きました。
    具体的な対策も含めて実例を学べましたので、大変有用な本です。

    0
    2024年12月10日
  • 自動車保険金は出ないのがフツー

    Posted by ブクログ

     テレビを観ていると、保険会社がスポンサーになっていない番組が一日でもあっただろうか、と思うくらいよく宣伝しているが、果たしてどこまで彼らは自分を守ってくれるのだろうか。この先何かあったときのための転ばぬ先の杖となってくれることを期待して、手に取った本。
     タイトルでも触れているように、自動車保険金は利用者が満足するような保険金が出ない、その理由を本書で説明している。

     第一章は実際の裁判例を持ち出して、いかに保険会社が保険金を出し渋るかを説明している。
     一つ目の事例:前方を走っていた車のスペアタイヤが外れて飛んできたために自分の車(ベンツ)と衝突、アメリカ系の損保の車両保険を使おうとするも「はずれたタイヤは道路上に寝ていた、そのタイヤにあなたが乗り上げたために壊れたので前方不注視の過失だ」と払おうとしない。専門家に衝突痕を診てもらい鑑定書(タイヤによりついた傷の写真など)を突きつけるも「そちらの鑑定書を信用していない、もともとあった傷でしょう」とシラをきる、保険約款を常識では考えられない都合の良い解釈をして出し渋る(上から下へ落ちてきた物による故障は払うが、バウンドしてから下から上に上がる最中の事故は払わない)、しかもその両者の判断は「ケースバイケース」(どう区別するか答えようとしない)という始末である(これは一審のやり取りであり、さらに控訴して高裁へと続いた。当然相手の負け)。
     二つ目の事例:会社が所有する車が盗難されたので、車両保険を使って支払いを求めたところ「偽装盗難だ」とし支払いを拒否したというものである(なお、割賦代金を払い終えていなかったので、車の所有権は購入先の自動車販売会社にある)。
     今日では被害者の故意・重大な過失によるものとして車両保険の支払いを拒否するためには、損保側で立証する必要があるが、この当時はそうでなかったので被害者側で立証する必要があった(「偶然性の立証」)。最終的に被害者側が勝ったものの、損保は支払いを渋るために1.被害者(被保険者)の借金(ローン)の存在、2.経済的苦境(会社の経営難など)、3.そのために保険金詐欺を企てたと、都合の良いストーリーを作るのだという。
     これらの他に、バイクが転倒したために両脚を切断するも「わざとだろ」と決め付けられ支払いを拒否された事例、日本の損害賠償の実務では西洋医学を重視し東洋医学(接骨院など)を軽視する傾向にあり、「これ以上治療を続けるなら施術費を払えない」と半ば脅しの形で「中止」をさせて、その時点までの費用しか払わない(最終的に症状固定までの費用を支払う形となった)、会社経営・役員は「役員報酬があるのだから休業損害は出せない」と、零細企業の社長であっても払おうとしない、被害者の無知を利用して、任意保険・弁護士会基準の慰謝料よりも安い自賠責保険で払おうとする(弁護士が代理人として介入、第三者示談斡旋機関を申し立てられた時には払う)など、えげつない話で埋めつくされている。

     第二章では損保と被保険者双方の問題について述べている。
     損保が支払いを拒む背景には、1998年の保険の自由化により保険料の科料が自由化されたことで値下げ合戦が始まり、結果として支払いを削って利益を出そうとしているそうである。あまりに担当者に抗議する被保険者に対しては「弁護士委任案件」とすることで攻撃の矛先を弁護士に向け、さらに抗議が来たときには被保険者を相手に「債務不存在確認訴訟」を起こし、抗議を封じ裁判所でケリをつけなければならなくなるそうである(通常、被保険者が治療中の場合賠償金額がまだ確定しないので起こさない。黙らせるためだけに使う)。
     しかし被保険者側に非があるケースもあるようで、確定申告をしておらず(脱税目的?)裏付け資料も無いのに休業損害や逸失利益を支払わせようとする、「バレー・ルー症候群」などに見られる不定愁訴で治療費を払わせ続けようとする、故障した車の時価よりも高い修理費を支払わせようとする、あろうことか愛用のサングラスが恐怖を感じた(!?)ので慰謝料を貰いたいという、断られても仕方がないケースもあるようである。

     第三章は保険金が支払われる境目の説明である。
     1.追突事故などでむち打ち症になった場合、一ヶ月・三ヶ月・六ヶ月を治療期間の目安とし、それ以上治療を続けようとすると、医療機関から照会を得るためと「同意書」をとりつけて調査会社の人間を医師のもとへ差し向け、患者の立場を考えて曖昧に発せられた治療期間を「症状固定」までの期間と勝手に書く(損保の担当者に気に入られるため)。
     2.主婦(家事労働)の休業損害は厚生労働省による「賃金センサス」をもとに、一日一万円弱貰える(H20)はずだが、任意保険の額ではなく自賠責の基準額である5700円で提示してくることが多いという(保険の仕組みを知らないことを悪用している)。
     3.入通院(傷害)慰謝料は弁護士会基準を請求しても問題ないのだが、損保は保険金を払いたくないがために任意保険基準か自賠責基準で提案してくるという。
     4.後遺障害慰謝料は弁護士会基準においては、一番軽い14級でも110万円、さらに逸失利益として年収に応じた金額が得られることを考えると160万円以上は貰える(自賠責の75万円も含む)。しかし無知につけ込んで逸失利益と慰謝料を無視した75万円を提案されることがある(本章では、本来1000万以上貰えるはずの費用が500万円弱しか支払われていない事例が載っている)。
     5.車が故障したために発生した評価額の減損を評価損といい、新車登録後3年未満のケース以外ではなかなか認められない。
     6.ペットの死は物損として取り扱われ、買値に加えて飼い主への慰謝料程度が支払われる。
     すんなりと支払われる保険金の種類には1.搭乗者傷害保険、2.自損事故保険、3.人身傷害保険がある(ただし、あくまでケースバイケース)。何にせよ、どういう場合に保険金が「出ないのか」を記した約款:免責規定に目を通す事を忘れてはならない(章の終わりでは「契約を結んだ相手にのみ保険約款を見せる」という意味不明な損保が紹介されている)。

     第四章は損保にきちんと支払ってもらうためのノウハウについてである。
     言うまでもなく、損保は専門知識(専任弁護士)と経済力、そして有利に進めるための戦略(例:強引に治療費を切り医師をも追い詰め《自由診療として治療費を得られなくなる》「症状固定」にすることで等級を決め示談交渉に進めようとする)を用いて被保険者を圧倒してくる。弁護士を見つけようとしても、自動車保険の仕組みと損保の内部事情をも知り尽くした弁護士は少なく、かつ加害者側につく弁護士が地方には比較的多く断られることがあるという事情が重なってしまうことがあるという。
     弁護士をつける時には自分の保険に「弁護士費用担保特約」がついているとここから費用を捻出できる(ただし、悪徳な損保では存在を謳っているだけで利用させないこともあるという)。
     示談交渉が決裂した場合、第三者による示談の斡旋をしてくれる交通事故紛争処理センターと日弁連交通事故相談センターを通じて対応できるが、前者は損保相手では審査に回すことで強制力が働くが、進行が遅く相手が共済の場合は決裂することがある。後者は、進行が早く共済相手なら強制力があるが、損保が相手だと強制力がきかず、三回以内に示談が成立しなければ決裂となる。
     民事調停という手段もあるが、これは加害者から「損害賠償額確定調停」を申し立てられることや、調停委員に交通問題の知識があるか分からないという問題を含んでいる。

     第五章は損保側からの提示額に不満をもつ人へのアドバイスと、裁判の進み方を事例を織りまぜながら解説している。
     死亡事故や重度の後遺障害事案では、自賠責保険金を先に受け取るか、受け取らないかで「遅延損害金」に大きな差が開き、和解の場合でも近年では遅延損害金の約50%が「調整金」として加算されることがあるという。ただし、経済的に逼迫している時は、生活の事を考えると先に受け取ったほうが良いと筆者は考えている。そしてもし、自賠責保険金をあえて受け取らない時は、その請求権が時効に引っかからないように「時効中断診断書」を二通自賠責保険会社に提出し、承認印が押された一通を返却してもらう必要があるという。
     逸失利益の考え方には、事故によって現実にどれだけ収入に差が生じて差額を補填しようとする「差額説」と、実際の減収でなく障害を負ったことにより、労働能力が事故以前よりも失われていること自体を損害としてとらえて補填する「労働能力喪失説」がある。
     逸失利益の考え方はケースによって異なり、主夫の逸失利益は「女子労働者の全年齢平均賃金」をベースにしている。女子年少者の逸失利益は、賃金センサスの男女別全年齢平均賃金額を基に算出するため、男子よりも低くなってしまう傾向があるという(今日では全労働者の全年齢平均賃金を基に算出しているが、それでも低くなってしまっている)。
     一方、顔の傷における損害賠償では女性が後遺障害等級が最大で七級であるのに対し、男性は大きな傷でも十二級どまりだという。原則的に顔の傷では逸失利益は発生しないが、職業によっては例外が発生した事例があるそうだ。
     損保側には専任の医師がついており、意向に沿う意見書を書き立てられる。これに対抗するには自分の主訴を真摯に受け止めてくれる医師を見つけて、残存している症状を漏らさず記入してもらうようにする事が大切だというアドバイスが載っている(日常の治療行為で疲弊して雑に書かれることもある。診断書に書かれなかった症状・障害は「存在しないもの」と損保に判断される)。
     損保側には税理士もついており、提出された書類に目を通して「被害者の所得をできるだけ低く認定しようとする」という、普通の税理士とは真逆の行為をされることがあり、休業損害の減額を正当化しようとするという。
     交通訴訟の7割強は「和解」により解決しているが、死亡事故の場合は支払われる金額がより大きい「判決」のほうが良いと筆者は述べている(ただし、金額よりも一日も早く解決を望んでいる時はその限りではない)。この時、原告側が損害として計上しなかった(出来なかった)損害を既払い金に組み入れると損保側の思うつぼであるので、照合に気を払う必要があるという。
     最後の章は、弁護士の世界の小話である。損保側にも良識のある、というか分をわきまえた弁護士が一応いるという下りは、少しは気も休まるのではないだろうか。

     とても長いまとめになったが、「保険に加入しているのだから安心だ」という気持ちでいてはいけないと知るのには良い本だと思う。
     ところで、四章の「弁護士の見つけ方」において、「インターネットで交通事故を専門にしている弁護士を検索し、良さそうな人にアクセスする」という方法が載っていた。
     インターネット時代なのだからもっともな話だが、筆者の名前を検索すると、気がかりなウェブページが何件かヒットする。この本自体は良さそうな本だが、果たして筆者本人は良さそうな弁護士と素直に考えて良いのだろうか。

    0
    2013年03月15日
  • 自動車保険金は出ないのがフツー

    Posted by ブクログ

    これはオモシロイ。確かに損保会社が死にそうになっているのは理解しているのだけど、大手でここまでえげつなく心無い対応を取るのかと思うと悲しくなるね。
    確かにカミさんが釜掘られた時の慰謝料は一日4200円だったわ。あまり気にしなかったけど、そうやって無知な契約者からこっそりせしめてる訳ね。大きな事故じゃなかったから揉めなかったけど、ある程度の額になると途端に揉めそうだ。カミさんにもちゃんと言っとかないと。僕が事故に巻き込まれた時の対策をある程度想定してもらわないといけないから。

    0
    2013年04月24日
  • 自動車保険金は出ないのがフツー

    Posted by ブクログ

    交通事故にあいましたが損害保険会社から出し渋り、値切り交渉、一方的な治療の打ち切り、説明責任の放棄など、書いてある通りでした。事故により通院していましたが損害保険会社により治療を打ち切られてしまいました。突然で一方的な打ち切りです。一切の法的根拠の提示、説明を損害保険会社の担当はしません。
    無言の対応、ウソと意味が不明な説明、人格否定からはじまり差別、蔑視発言、恫喝や脅迫を受けた挙句、電話を切られる対応で混乱しました。

    ですが、本書を読んでから担当は最初から嘘の説明をするように指示されているのだと理解できました。
    損害保険会社が説明責任を放棄するのは金銭賠償をしたくないだけの理由です。会社側の都合一番により事故にあったばかりで辛い思いをしているときに人格否定や差別発言、脅迫まで受けるのはいわれの無い暴力で人権侵害にもあいました。

    金銭賠償をされなかったことより、仕事も休むくらいの怪我をしている辛い、苦しい思いをしているときに損害保険会社から受けた傷が遙かに大きいです。事故による傷なんてどうでもよく、損害保険会社の利益のために泣き寝入りしていろ、という主旨の発言、人権侵害を損害保険会社担当は何度も私へ粘り強く繰り返しました。

    日本人は裁判なんて起こさないし証拠が不足したり時効がくるまえに立証責任が被害者にあるため、裁判を起こせないのをいいことに損害保険会社は被害者をいじめ、泣き寝入りに心血注ぎ、金銭賠償を拒否する。
    損害保険会社と関わっているときは地獄の日々でした。

    債務不履行を起こしたのは東京海上日動という損害保険会社で2011年も契約違反、債務不履行、交通事故被害者泣き寝入りを強いています。東京海上日動の使用者である加害者に説明放棄、債務不履行や人格否定、人権侵害被害など受けた電話の録音や、日時、人物、場所の記録を持って事実を通告しに行きました。損害保険会社の法律違反は金融庁への通告も効果的です。

    本書にも記載がありますが損害保険会社は直接あって話をすることを拒みます。理由は直接あいにいくと会いに行く時間や費用がもったいないことと、電話だと録音されにくいためです。いまネットで安く録音機も録音マイクも買えるので損害保険会社がきたら必ず電話は録音し証拠をしっかり残し、債務不履行の動かぬ証拠をマスコミにもいいに行きましょう。

    自動車保険の落とし穴 (朝日新書)や
    ブラック・トライアングル―温存された大手損保、闇の構造
    なども併読おすすめです。

    0
    2011年02月16日
  • 密告の件、Mへ

    Posted by ブクログ

    弁護士が主人公のお話
    3つの事件を軸に物語は展開しました
    弁護士の世界のお話も多く勉強になりました
    そこはやっぱり弁護士さんがいないとな感じでした
    それぞれの事件について少しずつ事実を積み上げて
    真相にたどり着いていってました
    登場人物も物語を楽しませてくれました
    この弁護士の活躍がまた読みたいものです

    0
    2026年03月29日
  • 密告の件、Mへ

    Posted by ブクログ

    読み応えがあった

    主人公弁護士と縁のあった法科大学院の教授が殺害され、警察から教授が自分に伝えたいことがあったようだと知る
    時を同じくして今をときめく女性弁護士が受けた懲戒請求の異議申立の代理人を引き受けることになる
    資産家の巨額の財産がなくなる事件も絡んできて、事態は予想もしない方向へと進んでいく

    弁護士=エリート=お金持ちのイメージが実際はそうではなく、熾烈な競争、足の引っ張り合いが常態化している
    成功している弁護士には羨望と嫉妬が渦巻き、少しの躓きも見逃さないと目を光らせている者がいる

    法定での論戦は読んでいてスリリングで面白い
    主人公弁護士は弁護士=エリート=お金持ちだけれど、自身の実体験が根底にありブレることがない
    弁護士に限らず、こういった人が一番強いのだと思った

    0
    2024年04月02日
  • 審理炎上

    Posted by ブクログ

    現役弁護士・加茂氏のリーガルミステリー第二弾。主人公は前作と同じ、弁護士・水戸裕介。交通事故の損害賠償をめぐって損保会社と争う。賠償額があまりに大き過ぎて、まさに作者の言うリーガルドリーム。しかし裁判となると、時間というか月日がかかりますね。

    0
    2023年06月12日
  • 死刑基準

    Posted by ブクログ

    死刑は廃止か、存置か、というタイトル。死刑判決の是非を問うような内容もある。しかし、それより真犯人は誰なのか?まさかのどんでん返し、優れたリーガルミステリーである。410ページ、あっという間に読破。面白かった。

    0
    2023年06月04日
  • 密告の件、Mへ

    Posted by ブクログ

    加茂隆康『密告の件、Mへ』講談社文庫。

    現役弁護士が描くリーガル・サスペンス。『法廷弁論』の改題、文庫化。

    大分前に読んだ『死刑基準』『審理炎上』で主人公を務めた若手弁護士の水戸裕介が本作でも主人公を務める。

    真犯人の意外性という点に驚いた。ここまでのことが描かれると、もう何を信じて良いのか……しかし、今の世の中はこのくらい腐り切っているのかも知れない。

    本作の中では辛うじて正義が勝つが、現実の世界では正義が勝つとは限らないという恐怖。

    法科大学院の教授・平手理沙子が都内の運河で水死体となって発見される。平手教授の遺品に『密告の件、水戸Lへ』と書かれたメモが見つかり、警視庁の刑事は弁護士の水戸裕介の元に事情を聞きに来る。メモについて全く心当りの無い水戸は平手理沙子の夫を訪ねるが、手掛かりは得られなかった。

    そんな中、テレビのコメンテーター、CMなどで世間から注目を浴びていた弁護士の丘野ヒロ子が交通事故の訴訟を巡り、弁護士会から業務停止6ヶ月という重い処分を受けたが、不当であると水戸に助力を求める。

    ところが、丘野ヒロ子が平手理沙子教授殺害の容疑で逮捕され……

    定価858円
    ★★★★

    0
    2022年05月30日
  • 審理炎上

    Posted by ブクログ

    前作の主人公がまた活躍するお話
    前作では検事になって・・・ってくだりがあったが
    結局、弁護士で話は続いた
    車の事故の裁判のお話
    被告側が次から次へと反論する材料をもってきて
    それに原告が対応するような感じでした
    が、結末は・・・
    損害賠償の金額がぶっとんでましたが
    結末もまたいろいろとありました
    裁判での争いは楽しめました

    0
    2021年02月01日
  • 死刑基準

    Posted by ブクログ

    弁護士の妻が殺された事件の裁判のお話
    語りはその弁護士の友人、水戸さん
    犯人はすぐ捕まったが殺人は否認
    そのために裁判は長引いていた
    裁判の経過も楽しめましたし
    事件の結末にもおどろきました

    0
    2021年01月30日
  • 火災・盗難保険金は出ないのがフツー

    Posted by ブクログ

    保健事故の被害者救済を専門とする弁護士による、保険金支払を渋る損保との戦いを描いた法律ドラマ。

    自分は損保に勤めているが、さすがに普通はここまでやらんだろという印象なので、余程被害者と損保の見解が食い違った事例を例に挙げているのだなと思った。だからこそ書籍として面白いわけなのだろうが。

    とはいえ、安心安全を提供する損保の存在意義を考えさせられたのは事実。金儲けのために払い渋ることは本当に考えていないのだが、とはいえホイホイ払っていると一部の保険金詐欺を起こす人たちにつけ込まれてしまうのもまた事実で、だからこそある程度性悪説で対応せざるを得ない部分もあるのだと思う(損保の性質に鑑みてそれでも第二種の誤りを犯す方が深刻なので、低額支払の場合は極めてスムーズに払うわけだが。)。
    一方で本書が指摘しているとおり、肝心な場面できつめの査定をした結果第二種の誤りを犯すことは保険や保険会社の威信を失ってしまうことになるわけで、これをテクノロジー等の活用によっていかに無くしていくかが、「体験」が重視される今の世の中における保険業界の大きな課題。

    保険金支払の部署の人に読んでもらって感想を聞きたい。

    とにかく、筆者が損保に親を殺されでもしたのかというくらい辛辣かつ過激な表現を使っていて、読み物として面白かった。笑

    【過激なテーマたち】
    「失火を放火とされる火災事故」
    「台風を地震災害にすりかえる風災事故」
    「監視カメラの映像が残っていても支払わない盗難事故」
    「損保はあなたの泣き寝入りを待っている」

    0
    2020年06月13日
  • 火災・盗難保険金は出ないのがフツー

    Posted by ブクログ

    保険金が出ないことに対する裁判内容がいくつか紹介されている。
    リーガルドラマみたいな感じもあり、当事者ではない限りは楽しい。当事者になったときの心構えになるかも。

    0
    2019年08月01日
  • 自動車保険金は出ないのがフツー

    Posted by ブクログ

    保険金裁判をめぐる損保会社と弁護士の仁義なき戦い。

    こうした多くの裁判を担当した弁護士である著者が語るのは、損保会社はあらゆる手段を使って火災保険や盗難保険を不払いしようと試むということ。しかも、その不払事由は不条理で非常識なものばかりだ。

    火事で被災した家屋は持主の放火が原因。台風で倒壊した建物は保険契約前からすでに破損していた。強盗による被害は内部犯行の仕業。損保会社はそんな大胆な意見をロクな証拠がないまま言い放つが、そんな言いっぱなしで裁判に勝てるはずがないことも重々承知。目的は裁判をひたすら長引かせて原告にあきらめさせることと、社内向けの努力アピールだ。

    しかも、このやり方は東京海上日動など業界トップで浸透しているのだから、損保会社からの保険金は出ないのがフツーのようだ。

    と、損保会社のエゲツなさはよくわかった。じゃ、その対策となると著者のような弁護士に依頼して長い裁判に耐えるしかない。結局、儲かるのは弁護士という結論はなんとかならないのか。

    0
    2019年05月03日
  • 審理炎上

    Posted by ブクログ

    荒唐無稽。現実にありえないというわけではなくて、ミステリとして偶然に頼りすぎていて、おとぎ話としてのリアリティーを欠く。こんな荒唐無稽なビッグ陰謀を実行する人はいないし、そんなビッグな陰謀なのに詰めが甘すぎて露呈するきっかけがショボすぎる。著者がやりたかったことはよくわかる、裁判というシステムそのものに仕掛けを施して、真実とは何かを考えさせたかったのだと思う。残念ながらその試みは失敗している。
    ただし、著者あとがきに顕著だが、著者は弁護士という仕事を愛しており、よき弁護士たらんとする者を愛しており、正義を希求しようとする者に勇気を与えようとしており、弁護士になろうとしている者に希望を与えようとしている。その熱量だけは、作品の隅々から伝わってくる。
    あとボス弁の趣味が俗物すぎる。俗物をバカにするやり方もまた俗物に過ぎる。しかしやはり愛はあるんだ。

    0
    2017年12月18日
  • 自動車保険金は出ないのがフツー

    Posted by ブクログ

    気分悪くなるねえ。
    ぼくのような小額の事故相手だと、然程ではないのだろうが。保険屋は、保険料を集めて、保険金を出さないのが仕事だってのは、良く判るよ。

    0
    2013年10月14日
  • 自動車保険金は出ないのがフツー

    Posted by ブクログ

    交通事故事件に精通しておられる先生の一冊。
    一般の方々にも分かるよう丁寧に書いておられます。
    具体例を書いて下さっていることも助かります。
    加茂先生の熱さを感じる一冊。

    0
    2012年01月04日
  • 自動車保険金は出ないのがフツー

    Posted by ブクログ

    【目的】
    自動車保険の本質を掴むため
    仕事の知識を増やすため

    【引用】
    ・自賠責保険、任意保険、弁護士会の基準がある。

    【感じたこと】
    ・支払う額を少なくするための努力が損保会社での営利努力であれば、調査会社は損保会社の犬。損保会社の望む結果を作り出すために調査をする。「免責」という保険金不払い、請求取り下げに追い込むことが高評価とされるなら、それは保険金を詐取しようとする輩を排除したのか、あるいは善意ある市民の救いの手を撥ね退けたことになるのか。
    約款を読んでから保険加入しないと、いざ支払いという段階で不払いとなっては話にならない。知は力なりを改めて感じる。

    【学んだこと】
    「症状固定」はこれ以上改善しない状態のことを指す。
    「沈黙は損」保険金支払いで疑問を感じたら、自分1人で動くのではなく、弁護士に相談する。弁護士特約があるかどうかも加入時にチェックする。

    0
    2011年05月10日
  • 密告の件、Mへ

    Posted by ブクログ

    本のタイトルからは、複雑なストーリーが想像されたが、結果的には金に困った弁護士が犯罪に手を染めるとシンプルなストーリー。読み応えはあった。フィクションとはいえ、今や弁護士も受難な時代と思わせられた。

    0
    2024年09月16日
  • 自動車保険金は出ないのがフツー

    Posted by ブクログ

    2010年発行の著作なので、そこから10年立っている現在では状況は変わっているとは思うが、自分に良くしてくれるとは限らないというところか。

    0
    2021年04月23日