三好行雄のレビュー一覧

  • 漱石文明論集

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    同期から誕生日プレゼントとしていただいた作品。
    文学好きで知らない人はいない評論の名著との紹介を受けた。
    こんな粋なセンスを持った人と当たり前のように繋がれる今の自分の環境には本当に感謝したい。
    現代日本の開花、私の個人主義、模倣と独立の3つだけ読んだが、本当に笑っちゃうくらいの洞察力に基づいた説得的な内容。
    他者の個性を尊重して自己本位に生きる、自己の標準に沿って模倣でなく独立を重んじて生きる、これからの生きる指針にしたい。

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    2023年08月12日
  • 漱石文明論集

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    いやーこの人すごいね。現代の種々の問題を当時すでに。将来日本を動かすような高校生大学生に読んでほしい。

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    2023年07月15日
  • 漱石文明論集

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    自分は、まだ会社に1人一台パソコンがなかった頃に就職した。その内パソコンが当然に与えられ、Excelの使い方を覚え、海外含む顧客とのやりとりがメールになり、様々な業務はあっという間にインターネットを前提とするものになった。

    仕事は楽になったか?感覚的には寧ろ逆だった。加速度をつけて仕事は増え、余裕はどんどんなくなる。おかしくねえかと思いながら考える暇もなく渦に巻き込まれた。
    で、これは内発的か?というとやっぱり違う。海の向こうからやってきた技術に否応もなく(あるいは積極的に)「俄然外部の圧力で飛び付かなければならなくなった」訳で、スマホいじってパソコンの前で青息吐息で仕事にとりかかるたび「皮

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    2023年06月06日
  • 漱石文明論集

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    漱石が近代人として評価されていることの真の意味を知った。学習院での講演「私の個人主義」では、小説だけでは見えにくい漱石の思想の遍歴が披露される。
    明治期、様々な外来思想が輸入され社会が大きく変わる時代のなかで、戸惑いのなかに生きる漱石が啓示のように感じたであろう自己本位の思想。先進的な社会であろうとも後進的な社会であろうとも、外部の環境に影響されない自己本位の思想。自己が価値判断の基準となること、そのためには自分勝手という意味ではない真性の個人主義が必要となること。そんな漱石にとっての切実な悩みと回答が学生の前で力説されている。
    絶対的な身分社会の江戸期には生じない思想であろうし、輸入品として

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    2019年02月28日
  • 漱石書簡集

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    某文学館で「夏目漱石の手紙」の展示をやっていて、見に入ったら思いのほか面白く、ミュージアムショップで買ってしまった本。

    手紙が好きでものすごくたくさん書いた漱石。
    友人の正岡子規。妻の鏡子。後進の芥川龍之介――そのほかたくさんの人々に、実にいろいろな手紙を書いています。
    手紙というのは書き手の人となりが如実に表れるもの。
    漱石の手紙には、意外にも、正直さと、相手を思う気持ちと、何よりもユーモアがあふれています。
    自虐的であったり、シニカルであったりしても、常にサービス精神が見え隠れしているところが魅力。
    妻への小言とか友への愚痴とか、若者への羨望とか、いろいろありながら、そこには漱石の相手を

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    2017年12月28日
  • 漱石文明論集

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    今春高校生になる娘への課題で出たので読んでみた。

    「私の個人主義」は、これから様々なことを学び
    リーダーシップをとっていく人たちにとって
    大切なことが解りやすく書かれているので
    高校生にぜひ読んでもらいたい。

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    2014年03月31日
  • 漱石書簡集

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    夏目漱石が友人や家族に向けた手紙が
    まとめられています。
    漱石を身近に感じられるような
    日常の手紙もあり非常に興味深かったです。

    昔の文章(~で候など・・)を読むのに
    最初苦戦しました。

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    2012年10月23日
  • 漱石書簡集

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    漱石が方々に宛てた手紙をまとめたもの。森見登美彦の恋文の技術のあとがきで紹介されていたので読んでみたが、面白かった。恋文の技術が好きだった人は読むといい。

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    2012年08月01日
  • 漱石文明論集

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    ネタバレ

    夏目漱石の講演や評論文をまとめた本。

     『私の個人主義』は非常に論理的で明快。論理的思考の訓練にもなります。100年近く前の文章であるということを差し引いても読みやすく、頭に残りやすい論旨である。他人の個性を尊重しなければ本当の個人主義にはならないというのは今も続く命題である。国家が安定しているときは国家主義よりも個人主義に重きが置かれるという主張にも納得。

     他の文も読みたい。

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    2011年06月20日
  • 漱石文明論集

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     夏目漱石は森鴎外と同様に、西洋文明を丸々コピーすることには反対していた知識人であった。今や、西洋的考えを否定することはできなくなってしまった。それほど、日本の中に多くの西洋物が存在する。厳密に言えば、日本は、純日本的なものと中国・朝鮮などの東洋諸国の文化が日本式になったいわばハーフの文化が存在していた中に、明治になって外科手術的に西洋文明を上書きしてしまったと言える。

     今まではそうやって外のものを自分たちの良いように上手く吸収して日本になじませる(言わば、守・破・離のような)形式で、中国や朝鮮などの文化を自分たちのものとしてきた。しかし、西洋文明は今、十分に消化されているのか?そもそも、

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    2010年05月05日
  • 漱石文明論集

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    中学校の読書感想文のテーマに「ぼっちゃん」が指定されて以来、小説家としての夏目漱石って嫌いでたまらないのですが、やっぱり近代日本を代表するインテリであることには間違いありません。
    そのことを確信してしまった本がこれ。

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    2009年10月04日
  • 漱石文明論集

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    「吾輩は猫である」「坊ちゃん」「こころ」
    どれもこれも夏目漱石の代表作であるけれど、
    まったくぴんとこない。



    「智(ち)に働けば角(かど)が立つ。

    情(じょう)に棹(さお)させば流される。

    意地を通(とお)せば窮屈(きゅうくつ)だ。

    とかくに人の世は住みにくい。」


    この文をよんですこし漱石がすきになる。

    「私の個人主義」

    「現代日本の開化」

    講演を文章化したものを読んで、漱石の良さがはじめてわかった。

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    2009年10月04日
  • 漱石文明論集

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    夏目漱石の公演記録、日記、書簡などをまとめた本。教師をしていた漱石が当時の教え子達に向けて書いた「愚見数則」は学生のうちに一度は読んでおきたい。甘えた人生観に鞭をいれられるようです。月に一度は読み返したくなります。

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    2009年10月04日
  • 漱石書簡集

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    2008.7月 読むこと二度目。
    漱石の公平な紳士たる姿と。
    だしゃれ好きな好々爺
    また変人めいた言動とのギャップが
    なんだかとても魅力的に思え、
    これまで幾つか漱石の本を読んでも
    面白くもなかったのが、
    急にファンになる。
    その人に。

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    2009年10月04日
  • 漱石文明論集

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    この本に収録されている講演って、本当は漱石のべらんめえ口調で語られたのでしょうね。
    録音機材が当時に有ればなあ。

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    2009年10月04日
  • 漱石文明論集

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    漱石の講演会や新聞での評論、日記や書簡などが収められている本。漱石の考えを直接的に知るには最良の本だと思う。明治時代の日本や日本人について語っている内容は第二の明治時代と呼ばれるグローバル化の中にいる現在の日本や日本人にも悉く通じている。ますます漱石は偉大だなと思うようになった。

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    2009年10月04日
  • 漱石文明論集

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    現代に通じる学びがたくさん。本当に聡明な人だったんだ、と思う。明治の文明開化に巻き込まれながらも、客観的に自身や社会や日本を見て、誰に何と思われようと主張する。かっこいい。
    その姿勢はきっと読書によるもの、留学での経験、教育で経た対話を通じて・・・夏目漱石の一生?というか自伝があれば読んでみたいと思った。

    いいなぁと思った部分はたくさんあるけど、私の個人主義の中の「自己本位」(自分の興味の赴くままに信じる道を進んだらいい)、や「形式」(時代とともに中身が変われば立ち止まり考えて形式を柔軟に変えていく必要がある)、イミテイションとインディペンデンス(日本人は模倣が得意で大事だけど、インディペン

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    2019年09月10日
  • 漱石文明論集

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    タダでも読めるんだけど、編集の付加価値を頼りに購入。100年以上も前にこんなこと書いた人がいるんだなあ。「西洋」を体感し、苦悩した経験があるが故の説得力。幕末以前が舞台の青年立志小説にはないリアリティが満載。各自、頑張りましょう。
     
    ・理想は見識より出づ、見識は学問より生ず。学問をして人間が上等にならぬ位なら、初めから無学でゐる方がよし
    ・真面目に考へよ。誠実に語れ。摯実に行へ。汝の現今に播く種はやがて汝の収むべき未来となつて現はるべし
    ・二と二が四となるとは今世論理の法則である。昔はそうも相場がきまっておらなかった。きまらぬ所に面白味があった。物は何でも先の見えぬ所が御慰みだ
    ・昔は上の方

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    2017年08月26日
  • 漱石書簡集

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    昔の文体で、初めは読みづらく感じましたが読み進めるにつれ漱石の個性がわかってきました。
    極貧で奥様にも苦労をかけつつ、自分のやりたいことを探し続け、返事も書きなさい、みたいな寂しがりの一面も見え、人間らしさをかんじます。
    お金のないことは問題でなく、正岡子規への手紙など、当時の手紙は単なる近況報告ではなく、想いを届ける大切なコミュニケーションだったことが伝わってきます
    こういう手紙もらったり、書いてみたいなあ。

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    2017年02月25日
  • 漱石書簡集

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    夏目漱石。1867年2月29日(慶応3年1月5日)〜1916(大正5)年12月9日。明治22年22歳から、満49歳の没年までに書かれた書簡集。

    古い文章はさすがに難しくきちんと理解して読めなかったと思うけど、友人知人、門下生、家族、いろんな人たちへの心配りや暖かさが感じられる書簡が158通。

    目を引いたのは家族、妻の鏡子宛、娘の筆子、恒子、えい子宛。友人や門下生では、正岡子規、高浜虚子、他に、寺田寅彦、鈴木三重吉、津田青楓、中勘助、徳田秋声、武者小路実篤、芥川龍之介宛。


    「書簡ほど漱石を、漱石のままに表現しているものはない(中略)単独に書簡だけを読んで、其所から一貫した漱石を発見するの

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    2016年06月19日