三好行雄のレビュー一覧
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タダでも読めるんだけど、編集の付加価値を頼りに購入。100年以上も前にこんなこと書いた人がいるんだなあ。「西洋」を体感し、苦悩した経験があるが故の説得力。幕末以前が舞台の青年立志小説にはないリアリティが満載。各自、頑張りましょう。
・理想は見識より出づ、見識は学問より生ず。学問をして人間が上等にならぬ位なら、初めから無学でゐる方がよし
・真面目に考へよ。誠実に語れ。摯実に行へ。汝の現今に播く種はやがて汝の収むべき未来となつて現はるべし
・二と二が四となるとは今世論理の法則である。昔はそうも相場がきまっておらなかった。きまらぬ所に面白味があった。物は何でも先の見えぬ所が御慰みだ
・昔は上の方には束縛が無くて、上の下に対する束縛がある。これは能くない、親が子に対する理想はあるが子が親に対する理想はなかった。妻が夫に臣が君に対する理想はなかったのです
・私のような詰まらないものでも、自分で自分が道をつけつつ進み得たという自覚があれば、あなた方から見てその道が如何に下らないにせよ、それは貴方がたの批評と観察で、私には寸毫の損害がないのです。私自身はそれで満足するつもりであります -
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夏目漱石。1867年2月29日(慶応3年1月5日)〜1916(大正5)年12月9日。明治22年22歳から、満49歳の没年までに書かれた書簡集。
古い文章はさすがに難しくきちんと理解して読めなかったと思うけど、友人知人、門下生、家族、いろんな人たちへの心配りや暖かさが感じられる書簡が158通。
目を引いたのは家族、妻の鏡子宛、娘の筆子、恒子、えい子宛。友人や門下生では、正岡子規、高浜虚子、他に、寺田寅彦、鈴木三重吉、津田青楓、中勘助、徳田秋声、武者小路実篤、芥川龍之介宛。
「書簡ほど漱石を、漱石のままに表現しているものはない(中略)単独に書簡だけを読んで、其所から一貫した漱石を発見するのも、また興味深い仕事たることを失わない。(中略)此処にこそ最も自然な、また最も自由な漱石があるからである。」(解説より抜粋。小宮豊隆『漱石全集』解説) -
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夏目漱石
「私の個人主義」「現代日本の開花」ほか文明批評集。
普通なことを 淡々と言っているので 小説が かもし出す 「辛うじて保たれている精神」みたいなものを感じない
「私の個人主義」は 国家主義からの脱却を意図している様子。「現代日本の開花」「模倣と独立」は 人間論、日本人論な感じ
現代日本の開花=漱石の思想の核心
*開花=人間のエネルギー発現の経路→西洋の開花=内発的
*日本の開花=外発的〜今まで内発的だったのが 急に 自己本位能力を失って 外から無理押しされた
*開花=活力節約の行動+活力消耗の趣向(道楽)
*現代日本の開花=皮相上滑りの開花である
私の個人主義
*自己の個性を遂げるなら、同時に 他人の個性も尊重する
*自己の権力を行使するなら、それに付随する義務を心得る
*自己の金力を示すなら、それに伴う責任を重んじる
*意見の相違は どうする事もできない
模倣と独立
*人は人の真似をするものである
*人は 一方では模倣、一方では独立の思想を持っている
硝子戸の中〜日常の見せかけの平穏は 眼に見えぬ実在と その爆発の危険の上においてのみ 辛うじて保たれる