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某文学館で「夏目漱石の手紙」の展示をやっていて、見に入ったら思いのほか面白く、ミュージアムショップで買ってしまった本。
手紙が好きでものすごくたくさん書いた漱石。
友人の正岡子規。妻の鏡子。後進の芥川龍之介――そのほかたくさんの人々に、実にいろいろな手紙を書いています。
手紙というのは書き手の人となりが如実に表れるもの。
漱石の手紙には、意外にも、正直さと、相手を思う気持ちと、何よりもユーモアがあふれています。
自虐的であったり、シニカルであったりしても、常にサービス精神が見え隠れしているところが魅力。
妻への小言とか友への愚痴とか、若者への羨望とか、いろいろありながら、そこには漱石の相手を思う気持ち、がきちんとある。
文学館の人は言っていました。
手紙をもらった人たちが、漱石から手紙をもらったことが嬉しくて大切にとっておいたから(あるいは、なんだか捨てられなかったから)こそ、こうして100年後の私達が読むことが出来るのだ、と。
いろいろいい言葉がちりばめられているので、これからも時々読み返す本になりそうです。
Posted by ブクログ
夏目漱石が友人や家族に向けた手紙が
まとめられています。
漱石を身近に感じられるような
日常の手紙もあり非常に興味深かったです。
昔の文章(~で候など・・)を読むのに
最初苦戦しました。
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漱石が方々に宛てた手紙をまとめたもの。森見登美彦の恋文の技術のあとがきで紹介されていたので読んでみたが、面白かった。恋文の技術が好きだった人は読むといい。
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2008.7月 読むこと二度目。
漱石の公平な紳士たる姿と。
だしゃれ好きな好々爺
また変人めいた言動とのギャップが
なんだかとても魅力的に思え、
これまで幾つか漱石の本を読んでも
面白くもなかったのが、
急にファンになる。
その人に。
Posted by ブクログ
昔の文体で、初めは読みづらく感じましたが読み進めるにつれ漱石の個性がわかってきました。
極貧で奥様にも苦労をかけつつ、自分のやりたいことを探し続け、返事も書きなさい、みたいな寂しがりの一面も見え、人間らしさをかんじます。
お金のないことは問題でなく、正岡子規への手紙など、当時の手紙は単なる近況報告ではなく、想いを届ける大切なコミュニケーションだったことが伝わってきます
こういう手紙もらったり、書いてみたいなあ。
Posted by ブクログ
夏目漱石。1867年2月29日(慶応3年1月5日)〜1916(大正5)年12月9日。明治22年22歳から、満49歳の没年までに書かれた書簡集。
古い文章はさすがに難しくきちんと理解して読めなかったと思うけど、友人知人、門下生、家族、いろんな人たちへの心配りや暖かさが感じられる書簡が158通。
目を引いたのは家族、妻の鏡子宛、娘の筆子、恒子、えい子宛。友人や門下生では、正岡子規、高浜虚子、他に、寺田寅彦、鈴木三重吉、津田青楓、中勘助、徳田秋声、武者小路実篤、芥川龍之介宛。
「書簡ほど漱石を、漱石のままに表現しているものはない(中略)単独に書簡だけを読んで、其所から一貫した漱石を発見するのも、また興味深い仕事たることを失わない。(中略)此処にこそ最も自然な、また最も自由な漱石があるからである。」(解説より抜粋。小宮豊隆『漱石全集』解説)