ベルナルダン・ド・サン=ピエールのレビュー一覧

  • ポールとヴィルジニー

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    ナポレオンが愛読してた本を読めるなんてそれだけで凄い。光文社古典新訳文庫好きすぎる。作家兼植物学者っていう経歴も気になる。

    ジャック=アンリ・ベルナルダン・ド・サン=ピエール Jacques-Henri Bernardin De Saint-Pierre
    生年:1737年
    没年:1814年
    ル・アーヴルの中産階級の家庭に生まれる。国立土木学校を出て技術士官となり七年戦争などに従軍するが、同僚や上官と折り合いが悪く帰国。31歳のときにフランス島に赴任。そこからマダガスカルに渡って植民地を再建するという当初の任務を拒否してそのまま島に滞在し、島内旅行や植物学の研究に時間を費やした。1771年に帰

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    2025年01月07日
  • ポールとヴィルジニー

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    素晴らしい作品。
    純愛物語であり、ただの純愛物語ではない。

    ある意味シンプルな王道悲恋であるが、
    自然の中に生きることこそに幸福の道はあるというメッセージなどの哲学的・人生訓的な深みが一段奥に見える作品。

    18世紀から版を重ね続けているのは、何故なのか。

    これほどまでに美しい恋愛や自然描写。
    ハッとするほどに。

    自分以外の何者かに支配されたあくせくする日々をたた漫然と過ごすようになっている者に、
    この本は生きる意味を問いてくる。

    それでも、まず前面に出てくるのは、
    絶望的に美しい愛の物語。

    良書。

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    2019年09月20日
  • ポールとヴィルジニー

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    詩的な文章で、読んでいて楽しい。がしかし時折少々大袈裟…?と思うくらいロマンチックな言葉や言い回しが並ぶ。
    自然に囲まれ、閉鎖的にではあるが幸福に暮らしていたポールトヴィルジニー。しかし権力や社会に巻き込まれることでその幸福は崩れていく…。
    単純だけれど、自然への賛美と社会生活への批判が込められている。

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    2020年01月11日
  • ポールとヴィルジニー

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    所謂運命悲劇の物語。神様によって助けられ、豪華絢爛な生活をせず、質素倹約にそれでも幸せな毎日を暮らすポールとヴィルジニーとその母。
    そしてきっかけとなる出来事が起き一気に転落。
    物語としてよりも文学的価値の高い作品。一読の価値あり。

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    2014年12月31日
  • ポールとヴィルジニー

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    フランス島に住む二組の親子と彼らに仕える召使いたちのお話。

    良い家柄に生まれ地位のない青年と結婚しフランス島へやってきたラ・トゥール夫人。夫を亡くし途方に暮れていたところを、農村生まれで近所の貴族の青年にそそのかされて私生児を産み故郷を追われてフランス島に居着いたマルグリットに助けられて、二人で暮らすようになる。やがてラトゥール夫人にも娘のヴィルジニーが生まれらマルグリットの息子ポールと四人、そしてそれぞれに仕える黒人奴隷の召使いの6人で、慎ましく幸せな生活を送るようになる。
    お互いを唯一無二の兄妹であり幼馴染みであり愛おしい人と想い合うポールとヴィルジニー。幸せな暮らしは、しかしヴィルジニ

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    2025年04月18日
  • ポールとヴィルジニー

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    そうです
    またもやフランス文学です

    うーん、とうしても手にとっちゃうのよね
    血のなせる業といいますか
    今まで黙ってたけど実は自分母方の祖父がフランス人気質なんですよ
    だからフランス人気質のクォーターってことになるのかな
    なのでどうしてもフランス文学に惹かれてしまうのです
    しょうがない、これはしょうがない
    それが血ってやつですもの

    はい、かのナポレオン通称ボナちゃんも愛読したというフランス文学の名作『ポールとヴィルジニー』です

    悲恋純愛物語となっております
    そして純愛するのはなんと!意外や意外ポールとヴィルジニーです(そりゃそやろ)

    舞台はインド洋に浮かぶマダガスカル島(アフリカ大陸の脇

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    2024年06月18日
  • ポールとヴィルジニー

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    恋愛小説の古典のひとつで、清らかで純粋な二人の男女の恋愛悲劇を描いた作品です。
    二人のもつ心の清らかさを示すように、細かく描き込まれた風景描写は圧巻ですし、いかなる時にも「神」の存在を信じて自らを律し、他者を恨んだり自暴自棄になったりすることなく常に思いやりを持って行動するヒロイン、ヴィルジニーの姿の美しさは神々しさすら感じさせます。
    互いに想い合いながらも引き裂かれてしまう二人、という構成は、今では定番ですが、1788年に書かれたこの作品はその端緒と言えるのかもしれません。
    ストーリー展開は「王道」の筋道をたどりますから安心して読むことが出来ますし、ヴィルジニーがフランスに旅立った後に残され

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    2021年11月15日
  • ポールとヴィルジニー

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    美しい大自然のなかで育まれる無垢で純粋な愛情。
    二人を引き裂く文明社会。

    繊細で緻密な植物の描写は、まるで島の木々に囲まれながら太陽の光を頬に受けているかのような気分にさえなる。
    社会状態は堕落、自然状態こそ自由と平和だと説いたルソーの思想の影響が強く表れ、また神こそが摂理という啓蒙的な宗教観も表れ、その考え方は現代的になかなか受け入れ難いところもあるが、そういう時代の話だからと読み進めるものである。

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    2021年04月22日