大島堅一のレビュー一覧

  • 原発はやっぱり割に合わない―国民から見た本当のコスト

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    大島氏の書籍は、先日『原発のコスト』を読んだばかりだが、その本よりも1年以上新しいこともあってか、本書は、『原発のコスト』に比べると、内容的にかなりの進歩が見られた。
    が、相変わらず、「原発推進」に対しては厳しい目で、「脱原発」に対しては温かい目で書かれている印象は変わらない。

    原発のコストに関する考察については、全体で見れば、『原発のコスト』よりも改善したと思われるが、社会的なコストに対する考察は『原発のコスト』より後退したのが残念。

    「再生可能エネルギー推し」については、『原発のコスト』よりも勢いがなくなっているが、これについては、再生可能エネルギーの現実が見えてきたからではないかと想像している。

    「はじめに」にもあるように、技術面にはほとんど触れられていないが(『原発のコスト』でも、触れられていなかった)、その点が、この著者の書籍の物足りなさにつながっているように思う。
    書籍の内容に客観性・説得性を持たせるためにも、技術に関することも、ある程度は触れた方がよいと思うのだが。

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    2024年03月15日
  • 原発のコスト エネルギー転換への視点

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    原発は決して安価な電源でなく、さらにはエネルギー収支もプラスにならない(建設、燃料製造、再処理、廃炉、廃棄物管理に投入するエネルギーの方が生み出すエネルギーより大きい)という内容の本を読んだのはもう30年ほど前であろうか。福島の事故でこういう真実がより多くの市民に知られるようになったのは不幸中の幸いである。
    ただ書名に『原発のコスト』とあるのに、それについて分析したのは3章だけで、あとは反原発の総論的な内容に終始している。原発コストの大半を占めると思われる事故リスクや廃棄物処分のコスト試算も詰めが甘い。また総括原価方式を採用しているが故に、固定資産額の大きな原発の保有は電力会社の経営に有利であったことにも触れられていない。これでは30年前の本(残念ながら書名を失念してしまった)より内容に乏しく、福島の極めて大きな代償が無駄になっている。経済学者としてもっと踏み込んだ分析を期待したい。

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    2017年10月15日
  • 原発のコスト エネルギー転換への視点

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    非常に参考になる視点多し。忘れたらあかんと思うことも。若者に賭けると言われてもなぁ・・・と最初は思ったけど,そうするしかないよなぁと思うに至り,さらにもう少しポジティブに考えてもいいかもしれないと思うに至った。

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    2013年03月26日
  • 原発のコスト エネルギー転換への視点

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    経済性が謳われる原発だが、技術開発やリスクなどをコストに加えるとけっして安くない。昨今の原発報道である程度は見聞きしていたことがメイン。再生可能エネルギーのところはもうちょっと書き込んでほしかった。

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    2013年02月02日
  • 原発のコスト エネルギー転換への視点

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    本書は、電力会社やお抱え学者、マスコミ、経済界などが、わかっているのに無視し、国民に伝えない原発の抱えるコストについて、丹念に解説した良書だと思う。
    普通に読んでいただければ、原発だけが突出して技術開発、立地、運用のため地域への助成金ばらまき、当てのないゴミ処理、そして金銭に換算すらできないような巨額の損害賠償費用、事故処理費用など「発電コスト」ではない「原発のコスト」がかかっているにもかかわらず、「発電コスト」が安いといって推進しようとする国会議員(ほぼALL)や経団連米倉某などが目先の自分の利益しか考えておらず、日本の国土や国民、そしてその末来、子孫のことはまったく考えていない、最低の輩どもであるということが、くっきりと浮かび上がってくる。
    また、本書で指摘されているが、原発事故の当事者(加害者)となっているのは原子力事業者(東電)ひとりであり、原発を作ったメーカーは免責され責任の追及は受けていない。これは、当初積極的に導入された原発のメーカーがどこのものであったかということが重要なポイントになっており、そして彼らが免責を求めてきたことが、きわめて有効に機能したということ。その、あざやかな逃げっぷりには感心すらしてしまう。
    ビジネスは、こうやらなくっちゃ。あ、脱線^^;
    まず一回読んで内容を理解し、きちんと論評したい方は手元において参考にしましょう。

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    2013年01月12日
  • 原発のコスト エネルギー転換への視点

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    原発コストが他の発電方法に比べ圧倒的に高いという主張の内容。

    原発については事故後対応や使用済核燃料処理などの社会コストを含んでいるにもかかわらず、代替の化石燃料発電のCO2対策などには何も言及されていないのが気になった。

    この本に限らず現在出版されている本のほとんどが脱原発推進だが、あの事故以降なお原発推進を唱える方々の主張をまとめた書籍も読んでみたい。
    そのうえでこの問題に対して一定の理解を示したいと思う。

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    2012年06月12日
  • 原発のコスト エネルギー転換への視点

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     原発が経済的にお得という宣伝の根拠にされてきた政府の算定に意義を唱える本。原子力村は「村」どころの生易しいものではないという認識から,「原子力複合体」という呼称を採用。反原発方向にバイアスがかかっているので,話半分に読んだ方がよさそう。再生可能エネルギーにはだいぶ好意的。
     著者は経済学者なんだけど,金銭に換算できない「被害の総体」のすべてが賠償されるべしと主張しているのは何だか不思議(p.46)。
     もちろんコストの計算はしていて,減価償却費・燃料費・保守管理費等の直接コストのほかに,高速増殖炉・再処理技術等の技術開発や立地対策に支出される政策コスト,環境破壊や事故処理を通して外部が負担している環境コストも考慮する必要があると強調。それはそうだろうな。
     結局,事故を計算に入れなくても,脱原発による便益は年平均約2兆6400億円で,脱原発にかかるコスト年間約1兆4700億円を上回るとしている(pp.196-199)。この数値が妥当なものかどうかは皆目見当がつかない。よもや結論ありきの計算ではないだろうけど。
     原子力に関するすべての情報を公開し完全に透明にすることで,エネルギー政策を民主化せよとも主張。まあ正論だろう。
     難しいのは,市民が市民がと言っても,たいていの人はあんな事故があってもあんまり関心をもって調べたりウォッチしたりしないし,公開情報を駆使して発言できるのは意識の高いプロ市民か,そうでなければ「原子力村の村民」か「準村民」ってことにされちゃいそうなところかな。もっと冷静に情報を媒介してくれるメディアがあるといいんだけど。

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    2012年05月10日
  • 原発のコスト エネルギー転換への視点

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    筆者が徹底的に原発反対の立場から書いている。
    論旨が一貫していて好印象。

    原発が安全か否かよりも、行政や電力会社の実態に、原子力発電所の問題があるということがわかった。

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    2012年03月03日
  • 原発のコスト エネルギー転換への視点

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    原発の実際のコストが経産省発表のものよりも高いことを示し、再生エネルギーに舵を切るべきだと主張する本。

    事実の整理に関しては、実に秀逸。特に、原子力損害賠償法、並びに原子力損害賠償機構を網羅的かつ簡潔に記述しており、賠償スキームの構造を理解するにはうってつけ。また、本書が最も力を入れている部分である、経産省による原発コスト計算の恣意性に関しても、非常に詳解でありながらも明瞭な説明をしている。少なくとも、前提の置き方次第で、原発は最も安い発電方法にも、最も高い発電方法にも成りえることが分かる。

    しかし悲しいかな、原発の是非を巡る本の常で、議論に凄まじくバイアスがかかっており、「では、どのエネルギー源を推進すべきか」という問いに、客観的な答えを提供してくれない。原発に関しては、本当に関心するくらいに、コストに詰め込みうる要素をこれでもかと集めているのに、自分が推奨する再生エネルギーについては、一転、扱き下ろしている『原発安全神話』の信望者も真っ青になるような、無批判かつ楽観的な態度を見せる。

    いや本当に、その落差たるや凄まじく、公共経済学の第一人者が放つ渾身の研究調査が、いきなり小学生の調べもの学習レベルになる、というコントを見ているかのような錯覚に陥った。思わずズッこけ、『ひょっとしてこれはギャグなのか?いや、原子力安全神話の信望者たちに対する風刺?』と本気で疑ってしまうこと受け合いであり、そういう意味では必読かもしれない。

    そんなわけで、『再生エネルギー最強神話』の信望者が原発コストを(論理的に妥当な範囲内で)見積もると、原発は最も高い発電方法になりうるよ、ということが確認出来る本、というのが本書の正当な位置づけかと。

    ここから少し飛躍した教訓を得るとすれば、『結局どのエネルギー源が最も経済的かは、誰もよく分かっていない』ということであり、昨今のエネルギー政策を巡る混迷を見る限り、実際そうなのだろう。

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    2012年02月29日