【感想・ネタバレ】原発はやっぱり割に合わない―国民から見た本当のコストのレビュー

あらすじ

3.11の福島原発事故を受けて、原発のあり方が問われている。著者は、経済学者として長年にわたって、原発の「安価神話」に疑問を呈し、原発の経済性を研究し、実証研究で喝破してきた。本書では、多くの人がいだくであろう、「原発は最も安い発電方法なのか?」「脱原発で日本経済は悪くなるのか?」「税金や電気料金からどれだけ原発に回されているか?」「賠償や除染はどうなるのか?」「再生可能エネルギーはあてにならないのか?」といった疑問にわかりやすく答える。納税者として、電力利用者として、未来のために知っておきたい原発の真実がここにある。

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Posted by ブクログ

大島氏の書籍は、先日『原発のコスト』を読んだばかりだが、その本よりも1年以上新しいこともあってか、本書は、『原発のコスト』に比べると、内容的にかなりの進歩が見られた。
が、相変わらず、「原発推進」に対しては厳しい目で、「脱原発」に対しては温かい目で書かれている印象は変わらない。

原発のコストに関する考察については、全体で見れば、『原発のコスト』よりも改善したと思われるが、社会的なコストに対する考察は『原発のコスト』より後退したのが残念。

「再生可能エネルギー推し」については、『原発のコスト』よりも勢いがなくなっているが、これについては、再生可能エネルギーの現実が見えてきたからではないかと想像している。

「はじめに」にもあるように、技術面にはほとんど触れられていないが(『原発のコスト』でも、触れられていなかった)、その点が、この著者の書籍の物足りなさにつながっているように思う。
書籍の内容に客観性・説得性を持たせるためにも、技術に関することも、ある程度は触れた方がよいと思うのだが。

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2024年03月15日

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