中川聖のレビュー一覧
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○1992
これを読む前にNetflixの実写を観た(約3年前)
何となく内容は分かっていたけどそれでも楽しめた
というか記憶が曖昧なのもあってなのか割と内容が違うかったような…
ともあれ、原作はただ恐怖ってだけじゃなくてそこに息子の恋愛云々を入れることでより報われなさが増してよかったな
そして何より終わり方がよかったな
○公正な取引
これは所謂、世にも奇妙な物語的な作品
短編でありながらかなり満足度の高い作品
何でもかんでも代償は付きものでそれが今回は自分の周りの人に降り注ぐって設定がいいよな
ミステリーっぽいSFっぽい雰囲気、よかった -
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「1922」と「公平な取引」の2編。
「1922」は、妻を殺した男の独白なんだけど…。
「ドロレス・クレイボーン」を思わせるシュチエーションでありながら、全く同情の余地も哀れもない。とにかく醜悪なのだ。男も、殺される妻も、その近隣の人間も、普通に醜悪なのだ。そう、特別な悪意ではなく、特殊な憎悪でもなく、多分普通の範囲を出ないものなのだろう。が、結局、そういうものが自己の営利という方向のみに向かうとここまで醜悪になれるということなのだろう。
いわばまきこまれる形になる息子には、ちょっとだけ同情する。が、彼も若さゆえの、愛ゆえの暴走、というには自己的なのだ。
もっとも、あの男と妻との子 -
Posted by ブクログ
ネタバレ表題作はあることを契機に人生のタガが外れていく男の話。当時は社会インフラや医療技術などあらゆるものが現代とは異なっていて、今だったら同じ選択をしたとしても、もっとスマートな方法だったり、なんなら離婚訴訟とかになってたかもしれない。
オチは(自分的には)キングらしくないかなと感じた。「痩せゆく男」や「ダーク・ハーフ」を本作と同じ結末にしたらたぶんあまり面白くないと思う。救いとかそういうものがなく、恐怖は恐怖のまま終わってくれたほうが好きだ。
同時収録の「公正な取引」はグッドヒュー家が坂道を転がる石のように不幸になっていく部分の描写がいかにもキングらしい、リアルな手触りだった。こちらのオチは好き -
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ネタバレキングです。ホラーです。
ホラーっていっても、怖いんだけど、上品なんですよ。
だから余計怖いって話なんですが。
読んでしばらくたってるので、うろ覚えの部分もあるんですが
1922年ごろのアメリカの中西部?中南部の田舎のお話しです。
隣家まで数キロとか、何エーカーもの農地やら牧場を持ってるけど
決して暮らし向きはラクではなく、家族だけでカツカツの農業を営んでる。
こんな暮らしに妻は不満タラタラで、農地を売って都会に転居したい。
夫は、農夫ライフにプライドを持っていて、浮ついた妻が許せない。
そして、夫の方に従順な息子。
農地を売る売らない、で対立したあげく、妻を殺害してしまい、
息子と協 -
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ネタバレ恐怖の帝王キングが手加減なしで描く光なく真っ暗な物語。
恐怖の物語に帰還した巨匠の最新作。
「1922」
1930年、8年前に息子と共謀し妻を殺害した男の告白文という形で物語は進行する。
1929年といえば大恐慌の年であるため、それより少し前のアメリカ中西部を舞台としている。
農地を大企業に売ろうとする揺るぎ無い決意の妻の殺害を、土地に深い思い入れのある男は企てる。
妻を殺害後古井戸に遺体を棄て、企業の弁護士や警察の追及からなんとか逃れたものの、
その罪悪感は二人の人生を追い詰めていく……。
「因果応報」とはこのことだが、展開がまったく読めない。
「公正な取引」
所謂「悪魔との取引」をテ -
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スティーヴン・キングは『ペット・セメタリー』のあとでちょっと方向転換をしてしまい、ハッピーエンド志向とか、ゾロアスター教ふうの「善悪二元論」が前面に出されたりとか、あるいはそろそろ創作上のアイディアのパワーが弱まってきたようにも思える。かつてほどの「ベストセラーメーカー」ぶりはもう影が薄く、人々にも飽きられてきたかもしれない。
しかし彼の小説に出てくる「いかにもアメリカ人的な」モノローグの粘りが私は好きで、それはドストエフスキーや太宰治にも比較すべきものだと考えている。彼のスプラッタ趣味には共感というものは感じないが、物語をとおして「内面」のうねりを形成してゆく手腕は、文学的価値をも持っている -
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ネタバレキングの新作!恐怖の四季、真夜中4分過ぎに続く第3中編集。読むのがもったいなくて、下巻が出るまで積ん読してました。
1922。結構長い作品。ひたすらじわじわと、妻を殺した男が狂って行く様を、彼の視点で語る作品。いやー滅入るわー( ;´Д`)。全く状況が改善される見込みがなく、どこまでもずぶずぶ落ちていく状況がわかっているのに、やめられない止まらない。読後感よくないのがわかってるのに、惹かれて読まされちゃうのは、何でなんだろう。キングの魔法。ネズミ怖いっ。
公正な取引。古典的素材である「悪魔との取引」を、キング流にアレンジした短編。どんなどんでん返しが?と思ったら、意外にあっさり終わったなあ -
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ジャック・ケッチャムが油多め、麺硬めなら、スティーブン・キングは、何もかも普通で頼んで出てくる王道のストーリーテラー。例えが下手くそ?いや、ジャック・ケッチャムに嵌ると、何故かスティーブン・キングに戻りたくなる。旨いのは分かりながら、身体に悪い気がして…。
本作は農園における、ある一家を巡っての人間ドラマ。勿論、ホラー風味である。ちょっと怖さが足りないかなー、という感じ。幽霊が何でも知っているという設定は、罪悪感に脅える人間の心理的な理由によるものだろうか。その推測が成り立つとしても、その幽霊を見た人すら知らぬ事を、幽霊が知っていたとしたら、どう説明できるだろう。何か、我々は幽霊を神の如く時