彬子女王のレビュー一覧
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ネタバレ「伝統は残すものではなく、残るもの」という言葉が真理だと思った。いわゆる伝統と言われる堅苦しいものだけでなく、街も、生活も、慣習も。全部そうだ。
残るものにも、残らないものにも、理由がある。
もちろんこれまで築き上げられてきた日本の伝統文化が、なくなればいいとは思っていない。ただし、無理やり「残そう」とする動きには、違和感を感じていた。
残すのでは、残る、という言葉は、そんなことを考えていた自分にしっくりきた。
残っていくものにも、残っていかないものにも、必ず理由がある。
物を買うことにも、理由を持つことを最近意識している。何が気に入ったか、ずっと愛せるか、手入れして長く使えるか、想いを持って作られた物か。
ふるさと納税もそうだ。節税効果によってやや市場が荒れている気もするが、その土地で採れたものを選ばせていただくように心がけている。
消費者の選択意識や購買によう投票によって、この伝統文化も残るかどうか決まる。積極的に、文化や背景に共感できるものを手に取り、大切にする習慣をもちたい。 -
Posted by ブクログ
以前紹介した『日本美のこころ』『日本美のこころ 最後の職人ものがたり』をまとめた文庫本。めちゃめちゃ良い。人生で何度も読み返すであろう1冊。
自らのオックスフォード留学記をまとめ「赤と青のガウン」を発刊した彬子女王殿下。
6年間のイングランド留学を終えて、次に向かわれたのは「日本美のこころ」を探す旅だった。(博士号取得は、大英博物館所蔵の日本美術コレクションを研究)
『日本美のこころ』では、日本文化に精通された彬子女王の知識、気づき・発見、想いを、柔らかくユーモア混じった文体で読めるのが嬉しい。単純に勉強にもなるし、これから旅・観光をしたときに「彬子視点」を持って各地を巡ることができる。
盆栽・和紙・煎茶・浮世絵・磁器・土偶・蹴鞠・日本庭園などのモノから、皇居・正倉院宝物殿・出雲・高千穂などの場所、祭事まで、昔から連綿と紡がれてきた文化の過去と現在を楽しんだ。
『日本美のこころ 最後の職人ものがたり』では、彬子女王殿下が北は青森から南は沖縄・久米島まで日本各地の“最後の職人”を訪ね、取材している。
最後の職人とは、後継者不足・材料の枯渇・用途の減少により失われつつある伝統の手わざを、最後のひとりとなっても守り続ける矜持をもって、日々仕事に励む職人さんたちのこと。
烏帽子(えぼし)、杼(ひ)、蒔絵筆(まきえふで)、キリコ、丹後和紙などはギリギリ知っていたが、
烏梅(うばい)、和釘(わくぎ)、金唐紙(きんからかみ)、御簾(みす)、漆(うるし)かき道具など、見たことも聞いたこともないものを作っている職人さんもいて、とても興味深く読んだ。
特に印象に残ったのは、冒頭の「わたしが行きついた答えは『伝統とは残すものではなく、残るもの』であるような気がしている」との一文。
その後「今日までその技術が残ってきたのには理由がある。そして、その技術は失われるのにもまた理由があるのである」と続く。
目を見開いて日本文化・伝統を研究し続けてきたからこそ綴ることができた、彬子女王ならではの言葉には魂が宿っている。 -
購入済み
1人で知り合いもいない、何にも知らない新しい街に飛び込むのは、国内/外だろうが、学業/仕事/家庭の事情だろうが、すごくエネルギーのいることであり勇気が必要なことだと思う。彬子女王は留学中のあれこれを読者が楽しめるように書き、どんな人に世話になったとかどんな人といい関係になれたとか、読んでいるこちらも明るい気持ちになるようなテイストだったけど、世界的のトップでもあるOxfordで博士課程を修めるというのは並大抵ではない。その勇気やガッツはただひたすら尊敬に値する。
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Posted by ブクログ
非常に興味深い内容で一気読み!!
エッセイは普段あまり読まない上に皇族の方が書かれたものなんて全く読んだことがなかったので惹きつけられるものが多かったかな。
皇室のしきたりなども知れたし、皇族の彬子女王としての振る舞いの一端も興味深かったが、一個人としての彬子様の人となりが極めて自然体で描かれていることにより魅力を感じて読み進めることができた。
周りの方々に感謝しているという文脈がかなり多かった思うが、それは着飾ることなく接せられていたり、魂を込めて研究に取り組んでいることがわかるから周りの人も自然に応援したくなったのではないかと思う。
個性豊かな指導教授や他の先生・友人とのやりとりや旅先での出来事なども面白く、ドキドキワクワクしながら読ませてもらった。
文章はウィットに飛んでいて堅苦しい表現がないし、挿絵もすごく素朴だけど良いタイミングで描かれていて何か頭の中でカラー映像化した。
皇室を今までよりも近い存在にしてくれる一冊だと思う。
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購入済み
例に漏れず、X(旧Twitter)の呟きから本書を知り、読みました。
普段は遠い存在である皇族の方の皇族ならではのエピソード、そして私たちと何ら変わらない一人の人間としてのエピソードが、ユーモラスで丁寧な文章で綴られていました。
英国留学の日々がメインではありますが、お父様とのやりとりや、護衛官とのやりとりなど、随所に挿し込まれるこぼれ話もとてもおもしろかったです。 -
Posted by ブクログ
「髭の殿下」のご長女、彬子様の留学記。
以前、彬子様の京都のエッセイを読んで、とても読みやすく、優しく、現地を想像できる文体にとても惹かれたので、この本をずっと読みたかった。
今回は、オックスフォードでの留学。
一人の女の子が一生懸命に研究をされ、英語に苦労し、時には旅先で迷子になりそうになりながらも、現地の友人達に守られながら、博士号を取る。
読んでいて、時折、その女の子が、女王であることを忘れるくらい、一般の女の子と同じように過ごされていることに驚くとともに、とても親近感がわく。
やはり、彬子様の文章、好きです。
オックスフォードに留学していたとしても、日本美術展の展覧会設営を1からするなんてこと、早々ないと思う。
それを体験される彬子様は、ある意味、とてもラッキーな方なのだと思った。(ある意味では「持っている」ともいうかも)
素敵な留学期でした。 -
Posted by ブクログ
彬子女王がオックスフォードで博士号を取るまでの留学記。なぜ外交旅券である茶色のパスポートを持っているのか?と税関職員に聞かれて「プリンセスだから?」と答えるなど、凄すぎて笑えてしまう独特なエピソードが多々あります。
博士号を取るなんて筆舌に尽くし難い大変さだと思うのですが、その大変ささえ面白く書いてあり、読みやすく溌剌とした文章でした。
この本(連載)を執筆する理由について、
父である寬仁親王が「長期間海外に出て公務をしない以上、それを支えてくださった国民の皆さまに対して、皇族としてきちんとその成果を報告する義務があると考えておられたからである。」
とあり、ハッとしました。 -
Posted by ブクログ
最初は皇族の女性が留学したエッセイということで、プリンセス街へ出る的な興味で読んだのだけど、父である親王から託された想いと絆だったり、オックスフォード大学や英国の生活の実態だったり、博士号を取るというのがどんなに大変かということだったり、それを飾らない言葉でユーモアを交えて書いておられてとても良かった。
プリンセスならではの事情(側衛という人たちの存在だったり外交旅券だったりのくだりは新しい世界を知れた)、大学一厳しい教授の指導やその界隈では名だたる人たちとの出会いと交流、研究と勉学にかける情熱もさることながら、そのお人柄でこんなにもたくさんの人に愛されておられるんだなというのがわかる。
決して皇族という立場に甘えることなく一学生として勉学を真っ当したというのがまたかっこいい。とはいえ一般人では絶対に見られない世界、例えばエリザベス女王にお茶に招かれた話などもあって読み応えあり。 -
Posted by ブクログ
Twitterでおすすめが流れてきて、読んだ本。
声を出して笑い、そして、泣いた。
彬子女王のオックスフォード留学記。
英国の大学院生・研究者の生活、文化を知る面白い体験記で、かつ、プリンセスらしいエピソードが散りばめられるのもまた非現実味で面白い。
側衛や侍女の話はまさにプリンセス。侍女の届け物の話には、ハリウッド映画かよ!と思いつつあったかくて泣けた。
明らかメンタル病んでた記述もあり、やっぱり博士って大変よな、と、めちゃめちゃフランクな同期のドクターを見直したりする。
父、寛仁親王の章は、涙なしには読めず。人気の皇族だけある人柄よねと納得もする。
プリンセスだからこその邂逅もあり、それを思うと泣けたりもする。
仕事をする上での心構えとしても、同じ苦労や、思いが必要よね、と思って、とっても共感する。
プリンセスらしいまっすぐさをもった研究者の留学記。笑って泣ける、あたたかな愛に溢れる、人に感謝して、責任を持って生きていく、そうありたいと思える、エッセイでした。
〈笑えた話〉
展覧会の作品名『菊とおじさん図』。
側衛のシオダさんの話。などなど。
〈勉強になります〉
ジョープライス(プライスコレクションの!)の「どうしてそんなに作者の名前を気にするんだ。目の前にこんなに素晴らしい作品があるのに。作者に失礼だ。」