栗原景のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ひょっとしたらガチンコの鉄道ファンには物足りないのかも知れないけども、わたしにとっては物凄く楽しく読めた一冊。
鉄道ファンには撮り鉄・乗り鉄・模型鉄・時刻表鉄などなど様々な細分ジャンルがあると思うのだけども、沿線地域の発展史だとか車輌装備や路線開業にまつわる豆知識だとか、広く浅くの感じがとてもちょうど良かった。ここから興味を惹かれた分野を深掘っていくのもよいかも知れない。
私自身、仕事で東北に出入りする機会が数年前までは頻繁にあり、しょっちゅう東北新幹線に乗っていたので多少なり聞き馴染みがあるのも面白く感じた一因かも。
《上越新幹線との分岐点はどうして大宮から遠いのか》…失礼ながらすごく地味な着眼だと思いきや、思いの外に大きな裏話が隠れていた。まだ日本が元気いっぱいだった頃、東北新幹線と上越新幹線を互いに乗り入れさせようというプランがあり、しかも大宮駅は当時さほど重視されていなかったのでスルーして上尾あたりで線路をクロスさせるつもりだったが景気後退によってそれどころでなくなった…というやるせない理由。と同時に、高度経済成長期に郊外に住む人口が増えたために大宮駅の重要度が高まったとの背景もあるようだ。こういう話好き。
《「スワン駅」が誕生する可能性もあった?くりこま高原駅命名秘話》…くりこま高原駅については後述(p164)でも詳しく触れられるが、結構謎の多い新幹線駅。とにかく田んぼの真ん中にある、という点が強調されている。高原といいつつ高原でない。駅名を決めるにあたって「地元の意向を最大限に尊重したい」(p49)とし駅名の一般公募まで行ったJRは地元が示した候補を全く無視して自分で決めたのであった。高輪ゲートウェイ駅もそうだが公募ってなんなのか。
《宮城の高級米・ササニシキは今どこへ?》…本書で一番面白かったかも。「古川駅前には女性と子どもがなぜか裸でササニシキを掲げる「ササニシキ顕彰碑」がある」(p123)って、なぜかとか言わないであげてよ。さておき、ササニシキはたくさん獲れて病気には強かったが寒さに弱く、1993年の大冷害という決定打により「作付面積は宮城県の稲作の1%以下にまで低下してしまった。」(同)のである。衝撃。何年か前、仙台へ旅行に行った際にササニシキの新米炊き立てご飯を頂いたことがあったけど、日本酒に合うシャープなお米ってなかなかないよね。また食べに行きたい。
《見どころの多い新幹線の秘境駅 奥津軽いまべつ駅》…あるのは知ってるけど、言われてみれば降りたことがない駅。「駅前には広場以外何もない」(p186)という身も蓋もない紹介だが、実際に調べると確かになんにもないかも…。1軒、カフェのような食堂のようなお店がありちょっと行ってみたい。東京方面から龍飛崎を訪ねるにはここで降りて隣接の津軽線・津軽二股駅から三厩駅に行くのがよいのでは。三厩からもまだあるけど。それはそうと、津軽線の停車駅名は味わいがあって素敵。「オリオン美容院」とか「浜名五十嵐理容院」ってふたつも散髪屋さんがある。よく読んだら津軽線ってバスなの?
謎が多い…!家族は付いてきてくれないからいつか一人旅してみたい。
いやー、旅ってほんといいもんですね。妄想でも楽しい。
栗原先生の著作シリーズは集めたくなりました。
1刷
2025.10.18 -
Posted by ブクログ
副題に「デジタル新時代における鉄道遺構の
楽しみ方」とあります。
そうなのです。ネット情報やスマホを駆使し
て、情報を集めることにより、昔より簡単に
楽しく、廃線跡を巡ることができる時代にな
ったのです。
紙の地図だけから廃線跡をトレースせざるを
得なかったご同輩には賛同いただけると思い
ます。
特に最近は現在と昔の地図を比較できるア
プリなどもあります。現地で「過去と未来」
を見比べながら散策できるのです。
ただ個人的にはレール跡や鉄道の遺構らしき
物を発見した時に「昔はこんなものがありま
した」と調べることができるアプリを望み
ます。
第一発見者になりたいですからね。 -
Posted by ブクログ
アニメと鉄道の関係を時系列を追うように追いかけた一冊。
ただ、なんでもかんでもを通史的に追うというよりかは、象徴的な事象をピックアップし、その背景や相関関係をやんわり描く形でアニメと鉄道の相関関係を描いている一冊。
アニメに鉄道が出てくること自体はかなり昔からで。それが「アニメにリアリティを出したいから」という側面があったことは興味深く。そこに(メカ好きとしての)鉄道好きアニメーターが深みを出していた。
21世紀以降は、そこにアニメ側の「リアリティを出すための地方アニメブーム」と、鉄道会社側の「地域とともに歩もうとする方針」が重なり。
そこにアニメに親しんだ鉄道会社社員の理解もあって鉄道会社とアニメ(やキャラクタービジネス)のコラボレーションが、失敗がありつつも積み重ねられていった、そんな歴史が、文庫本一冊にきれいにまとめられている。
広告規制で易々とはキャラを電車に張り付けられない、などいろんな監督省庁とかかわりのある鉄道ならではの問題もふれつつ、海千山千でいろんな業種と関わってきた鉄道・アニメ会社のノウハウも垣間見られ。興味深い視点を提供してくれる一冊だった。
オタク業界内では、割と離れているジャンルとされてきたアニメオタクと鉄道オタクが、「地域やビジネス」というこれまたオタクとは一線を画す印象のあるものでつながっていくことは興味深く。
じり貧の印象が強い日本のビジネス業界で新しいなにかを生み出す方法の1つが「今まで見落としていた境界領域」なんだ、と感じられた一冊だった。
なお写真は多くないので…視覚情報を重視するタイプのアニメオタクにはあまり楽しめない一冊かもしれない。
逆に文字しかない時刻表とかから、載っていない(もしかしたら乗っていもいない)昔の列車を思い浮かべる、妄想たくましいタイプの鉄道ファンには一読をお勧めしたい一冊。 -
Posted by ブクログ
この前、京都に向かうため、東海道新幹線を利用した。「窓を開ければ港が見える」わけではなかったが、いろいろな景色が広がっていた。
今回の本は、東京から新大阪間で眺めることが出来る景色を取り上げている。
この前の移動で思い出すのは、お城と浜名湖だ。富士山は見たかったが雲に覆われて見ることができなかった。
静岡県掛川市にある掛川城は、日本初の木造復元天守だ。1994年に約10億円をかけて復元された本格的な天守閣だ。
そして名古屋駅を少し離れたところにあるもが清州城だ。1989年に建造された観光施設だ。掛川城と違って、清州城が元々あった位置に立っていない。それでも天守閣らしく見える。
東海道新幹線に乗っていて誰でも気がつくのが浜名湖だ。浜松駅を出てしばらくすると湖が目に入ってくる。
当初の計画だと浜名湖のど真ん中を東海道新幹線が走る予定だった。しかし、海苔や牡蠣の養殖業者に対する補償が途方もない金額になることがわかり、現在のルートを走ることになった。
発行元は鉄道関係の本を出している会社かと思ったら、まさかの東洋経済新報社だった。経済とは関係のないテーマを本にして出版するとはどうしたのかな。 -
Posted by ブクログ
テツものの本は数多ありますが、東海道新幹線とその沿線に限ったというものはあまり目にしないかも。そういう意味では、非常に目新しいです。
東海道新幹線が、戦前の弾丸列車計画を下地にしているとか、大阪で工事を行う際、新幹線が通るよりも前に、阪急の電車が新幹線の線路を走ったとか、世の中に広く知られている話も書かれていますが、東海道新幹線各駅の話が書かれているのは、なかなか面白いです。すべての駅が見開き2ページなのですが、話題がいっぱいあって2ページに収めるのが困難だった駅や、話題が少なくて2ページを四苦八苦しながら埋めた駅などがあるんじゃないでしょうか?? -
Posted by ブクログ
ネタバレ<目次>
序章 初めての廃線巡りに~名古屋鉄道美濃町線
第1章 廃線跡の魅力を知ろう
第2章 地理情報システムでオンライン廃線跡探訪へ
第3章 熊延鉄道をオンラインで旅してみよう
第4章 訪れる廃線跡の決め方・調べ方
第5章 廃線跡巡りの持ち物はどうする
第6章 廃線跡を訪れたらこう歩こう
第7章 特徴的な廃線跡4例
第8章 おすすめ廃線跡
<内容>
大変真面目な廃線跡巡りの指南書。第2~5章は、かゆいところに手の届く話だし(ちょっとお世話過ぎる気もするが)、他の章も実践例を示しながらの指南なので、わかりやすい。全国の廃線跡を網羅するわけではない(それは他書に譲る)が、まず廃線跡を楽しみたい人向けである。 -
Posted by ブクログ
東海道新幹線の車窓、東京から新大阪までの全82カ所の
気になるスポットを紹介。その正体は?愉しいネタが満載!
・東京駅丸の内駅舎から淀川を避けた新大阪駅まで、82の情報。
・車窓から見る社会1~5 ・新幹線の車窓をもっと楽しむ1~2
・新幹線の勝ち席ガイド ・新幹線におトクに乗るには?
・東海道新幹線全駅
読んでたら、新幹線に乗りたくなっちゃうよ~な内容です。
単に車窓だけの写真の本ではありません。
工場や野立て看板の会社への取材、現地からの新幹線の眺め等。
ちらっと見える場所と新幹線との縁。ルート決定までの計画変遷。
見える工場や野立て看板の種類や数・・・調べた量に感嘆します。
野立て看板の727やプチプチの秘密、高架水槽のカップヌードル、
ほんの30秒だけ見える名古屋城、超レアな手作りトトロなど、
濃いネタ満載で楽しめました。 -
Posted by ブクログ
【あらすじ】
東京~新大阪 気になるあのスポットの正体とは?自然風景から名所旧跡、工場、謎の看板?ルート選定のエピソードまで――全82カ所の謎に迫る!好奇心を刺激するネタが満載!オトクな乗り方、座席選び、駅弁の買い方なども伝授!旅でも出張でも、東海道新幹線を120%楽しもう!
東海道新幹線に乗るときは富士山を見たいので、いつも山側の席を予約する私です。あまり意識して見てませんでしたが、確かに大きな看板が多いなぁとは思っていました。
車内の電光掲示にも、ニュースの合間合間に絶えず企業の広告が流れてますよね。「たくさんのビジネスマンがまとまった時間を過ごす場所」という場所としては、特にBtoBの企業にとってこの上なく宣伝効果が発揮される場所なのかもしれないです。誰が最初に目をつけたんだろう。よく考えられてるなと思いました。