【感想・ネタバレ】アニメと鉄道ビジネス キャラクターが地域と鉄道を進化させるのレビュー

あらすじ

■目次
第1章:アニメと鉄道の関係史
第2章: 大人をもとりこにした「新幹線変形ロボ シンカリオン」の衝撃
第3章: 鉄道に魅せられたアニメ・漫画クリエイターたち
第4章: 西武鉄道が「アニメの鉄道会社」と呼ばれるまで
第5章: 「エヴァンゲリオン」×山陽新幹線 500TYPE EVA誕生秘話
第6章:アニメ・コンテンツツーリズムと鉄道
第7章:ラッピング列車の発達史
第8章: 全国の鉄道を結ぶプラットフォーム「鉄道むすめ」


■著者紹介
栗原 景(くりはら かげり)
1971年東京生まれ。小学生のころからひとりで各地の鉄道を乗り歩く。
旅と鉄道、韓国をテーマとするフォトライター、ジャーナリスト。
旅行ガイドブックの編集を経て2001年からフリー。
主な著書に『地図で読み解くJR中央線沿線』(岡田直監修/三才ブックス)、『東海道新幹線沿線の不思議と謎』(実業之日本社)、『東海道新幹線の車窓は、こんなに面白い!』(東洋経済新報社)など

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Posted by ブクログ

アニメと鉄道の関係を時系列を追うように追いかけた一冊。
ただ、なんでもかんでもを通史的に追うというよりかは、象徴的な事象をピックアップし、その背景や相関関係をやんわり描く形でアニメと鉄道の相関関係を描いている一冊。

アニメに鉄道が出てくること自体はかなり昔からで。それが「アニメにリアリティを出したいから」という側面があったことは興味深く。そこに(メカ好きとしての)鉄道好きアニメーターが深みを出していた。

21世紀以降は、そこにアニメ側の「リアリティを出すための地方アニメブーム」と、鉄道会社側の「地域とともに歩もうとする方針」が重なり。
そこにアニメに親しんだ鉄道会社社員の理解もあって鉄道会社とアニメ(やキャラクタービジネス)のコラボレーションが、失敗がありつつも積み重ねられていった、そんな歴史が、文庫本一冊にきれいにまとめられている。

広告規制で易々とはキャラを電車に張り付けられない、などいろんな監督省庁とかかわりのある鉄道ならではの問題もふれつつ、海千山千でいろんな業種と関わってきた鉄道・アニメ会社のノウハウも垣間見られ。興味深い視点を提供してくれる一冊だった。


オタク業界内では、割と離れているジャンルとされてきたアニメオタクと鉄道オタクが、「地域やビジネス」というこれまたオタクとは一線を画す印象のあるものでつながっていくことは興味深く。
じり貧の印象が強い日本のビジネス業界で新しいなにかを生み出す方法の1つが「今まで見落としていた境界領域」なんだ、と感じられた一冊だった。


なお写真は多くないので…視覚情報を重視するタイプのアニメオタクにはあまり楽しめない一冊かもしれない。
逆に文字しかない時刻表とかから、載っていない(もしかしたら乗っていもいない)昔の列車を思い浮かべる、妄想たくましいタイプの鉄道ファンには一読をお勧めしたい一冊。

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2021年07月13日

Posted by ブクログ

JR西日本の「500 TYPE EVA」はそのデザインの秀逸さにもあり今でも大好きな列車ですが、その制作話に当時の記憶が鮮やかに蘇りました。また観光との高い親和性はとても勉強になりました。

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2021年03月18日

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