貴戸理恵のレビュー一覧

  • 女子読みのススメ
    子供にとっては学校だけが世界に見えてしまう。そしてその学校という枠から逃げるという発想を描くことは難しい。学生時代にこの本を読んでいたらもう少し楽に学校生活が送れていたかもしれない。子を持つ親としては自分の子供にも読んでもらいたい本である。
  • 女子読みのススメ
    内容:
    女性が書き手による、女性が主人公の小説を、
    女性の目線で読み解いていくことを通じて、
    今を生きる少女たちが
    子どもから大人になる過程」で出会うさまざまな経験や悩みを浮き彫りにしていく。

    1章 教室、スクールカースト、いじめ、不登校、友情
    2章 恋愛 いろんな愛のカタチ 歪んだ愛のカタチ
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  • 平成史【完全版】
    1989年に始まった平成時代は、30年後の2019年に幕を閉じた。本書は平成が終わり、令和が始まった2019年に、平成史を書くという試みのもとに編まれた本である。編者は小熊英二、それ以外に7人の執筆者が参加している。最初に小熊英二が、「総説」を書き、以降、政治・経済・地方と中央・社会保障・教育・情報...続きを読む
  • 平成史【完全版】
    厚みがすごい。平成という時代が多様な時代であったためか、中身は骨太な思想がひとつ詰まっているというより、ぺらぺらな印象がしてしまうが、そのぺらぺらな時代をよくこのようにまとめ切ったな、という雑感をもった。日本のインターネットはタイムマシン的であり、アメリカの発展をなぞるようなものだという濱野智史の主...続きを読む
  • 「コミュニケーション能力がない」と悩むまえに 生きづらさを考える
    ブックレットだが内容は見た目は立派で中身さっぱりな新書版より濃縮されておりとても良い。こういう社会学者が増えると日本の未来は明るいと思いました。中でも最初の「〇〇力」の問題と不登校から見る「関係的な生きづらさ」が読ませます。
  • 10代から知っておきたい あなたを丸めこむ「ずるい言葉」
    「みんなでやることに意味がある」「世の中そういうものでしょ」などつい使ってしまいがち、聞きがちな「ずるい言葉」を漫画や文章で説明した本。
    理想論的なところはあるが、惰性で言葉を使うのではなく、自分の違和感を大切にして言葉を発していきたいと思う一冊だった。

    特に「負担は平等に」という考えや、「相手の...続きを読む
  • 女子読みのススメ
    女性作家による女性が主人公の小説を読み解き、今を生きる少女たちの生きづらさや葛藤を浮き彫りにする。
    教室、恋愛、家族、大人をキーワードに導き出されるものは、どうしようもない現実。しかしその先には希望もあることも示唆する。その力が小説にはある。
  • 10代から知っておきたい あなたを丸めこむ「ずるい言葉」
    ほんとに嫌いです、ずるい言葉。
    多数派に胡座をかいた、ずるい言葉。
    嫌いだからこそ、自分がふと使ってはいないか
    強く意識していきたい。
    そして「抜け出すための考え方」を
    広く共有していきたい。
  • 女子読みのススメ
    こういう、本から色々なことを読み解く新書は好き。
    本の文章を分析することで、自分にとって救われるようなことが書いてあると分かる。

    今、ローティーンの自分が読んで感じることと、時間が経ってから読んで感じることは違うと思う。
    でも、「女の子」がどういう風にこの「社会」を生きていくのか、生き抜くことが出...続きを読む
  • 「コミュニケーション能力がない」と悩むまえに 生きづらさを考える
    薄い、平易なのに、濃厚。

    「コミュ力」を個人の問題とせず、かつ社会の問題にも押し込み切らず、「関係性」の問題として「関係的な生きづらさ」から丁寧に検討していく姿勢を示す。

    主に不登校を題材としていくのだが、不登校の推移の3期間分類といい、生きづらさを巡る議論の(①キャリア/②弱さ)×(A市場/B...続きを読む
  • 平成史【完全版】

    日本の平成を、政治・経済・地方自治・社会保障・教育・情報化・移民政策・ナショナリズムの観点からまとめた本。

    総じて言うなれば、日本の平成とは、変化するさまざまな環境に対して、昭和の枠組みをその場しのぎで改変することで対応してきた時代であり、その綻びがあらわになってきた時代といえる。

    重要な観点...続きを読む
  • 「コミュニケーション能力がない」と悩むまえに 生きづらさを考える
    コミュニケーション能力って、場や相手によって発揮できたり、できなかったりする。「ある人が魅力を発揮する関係性がある」ことがコミュニケーション能力というのには納得。それなのに、なんだか個人個人の能力みたいな言われ方をしてますね。
    後半は話が小難しくなって読み飛ばしたけれど、中盤の昔の不登校は経済的な事...続きを読む
  • 女子読みのススメ
    7歳から12歳まで学校に行かず家で過ごし本を読みまくった著者が、思春期の女の子の心の中を探るキッカケとなるような本を紹介してくれてます。
    内容はみな、けっこう重いです。でもだからこそいいのかもしれません。世の中にはいろんな家庭があり、いろんな人生があるんだよと。

    自分とは真逆の真面目な本ばかりの巻...続きを読む
  • 女子読みのススメ
    自分のことはもちろん、周囲との付き合い方について考え、悩み、一番大きな変化の時期である思春期の女子たち。そんな彼女たちを対象に、「学校」「恋愛」「家族」そして「自分自身」にそれぞれ章立て、多くの本を紹介しながら女子の生き方を考えていく。

    こうあるべきといった表現は一切なく、女子に寄り添い、乗り越え...続きを読む
  • 女子読みのススメ
    大人になるまでに
    十代の頃は不安でいっぱいだった。
    溢れる自意識をコントロールできず、些細なことで傷つき、必死でもがいているがその方法が間違っている事にさえ築かず、それを指摘するものを糾弾する。
    痛々しい。
    だが、その結果なんとか折り合いを付けられる場所を見つける。

    私の悩みは誰よりも深くて特別!...続きを読む
  • 女子読みのススメ
    『生き辛さ』を感じる女子のためのブックリスト。
    けっこう読んでない本ばかりだったので、少しずつ制覇していきたいなぁ。
  • 「コミュニケーション能力がない」と悩むまえに 生きづらさを考える
    岩波ブックレットシリーズ。時代の変化に伴って、モノ作りからサービス業への職業スキルの転換があり、それに従い、社会性やコミュニケーション能力というものが話題になる機会が増えた。社会性とコミュニケーションの障害である自閉症も、その軽症型を含めたスペクトラムとしての疾患概念が認知されて久しい。
     筆者は不...続きを読む
  • 「コミュニケーション能力がない」と悩むまえに 生きづらさを考える
     不登校についての捉え方、考え方の手がかりが多数示されていると思います。
    特に当事者を理解しようとする側(社会)の価値観に不足しがちな視点についてはなるほどと思いました。
    文体に丁寧な説明の配慮があるように思いました。
  • 「コミュニケーション能力がない」と悩むまえに 生きづらさを考える
    「できる」のに「できない」ゆえの生きづらさ。
    「○○力」という言葉はすべての責任を個人のなかに見出そうとする。
    理解できないのは、理解するための文脈がないから。
    「頑張って耐えて働く俺ら」が「怠けてる奴ら」に憎悪を抱くのは紙一重の場所にいるから。理解できてしまう故に理解したくなくて憎悪する。

    「私...続きを読む
  • 「コミュニケーション能力がない」と悩むまえに 生きづらさを考える
    この本は、題の「コミュニケーション能力」より、むしろ副題の「生きづらさを考える 」の方が、内容をよく表していると思う。
    現在の「生きづらさ」を抱えた人について、その原因を社会にも個人にも還元することなく、それらの相互関係の問題という視座から探っていっている。