貴戸理恵のレビュー一覧
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ブックレットだが内容は見た目は立派で中身さっぱりな新書版より濃縮されておりとても良い。こういう社会学者が増えると日本の未来は明るいと思いました。中でも最初の「〇〇力」の問題と不登校から見る「関係的な生きづらさ」が読ませます。Posted by ブクログ
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「みんなでやることに意味がある」「世の中そういうものでしょ」などつい使ってしまいがち、聞きがちな「ずるい言葉」を漫画や文章で説明した本。
理想論的なところはあるが、惰性で言葉を使うのではなく、自分の違和感を大切にして言葉を発していきたいと思う一冊だった。
特に「負担は平等に」という考えや、「相手の...続きを読むPosted by ブクログ -
ほんとに嫌いです、ずるい言葉。
多数派に胡座をかいた、ずるい言葉。
嫌いだからこそ、自分がふと使ってはいないか
強く意識していきたい。
そして「抜け出すための考え方」を
広く共有していきたい。Posted by ブクログ -
薄い、平易なのに、濃厚。
「コミュ力」を個人の問題とせず、かつ社会の問題にも押し込み切らず、「関係性」の問題として「関係的な生きづらさ」から丁寧に検討していく姿勢を示す。
主に不登校を題材としていくのだが、不登校の推移の3期間分類といい、生きづらさを巡る議論の(①キャリア/②弱さ)×(A市場/B...続きを読むPosted by ブクログ -
コミュニケーション能力って、場や相手によって発揮できたり、できなかったりする。「ある人が魅力を発揮する関係性がある」ことがコミュニケーション能力というのには納得。それなのに、なんだか個人個人の能力みたいな言われ方をしてますね。
後半は話が小難しくなって読み飛ばしたけれど、中盤の昔の不登校は経済的な事...続きを読むPosted by ブクログ -
岩波ブックレットシリーズ。時代の変化に伴って、モノ作りからサービス業への職業スキルの転換があり、それに従い、社会性やコミュニケーション能力というものが話題になる機会が増えた。社会性とコミュニケーションの障害である自閉症も、その軽症型を含めたスペクトラムとしての疾患概念が認知されて久しい。
筆者は不...続きを読むPosted by ブクログ -
不登校についての捉え方、考え方の手がかりが多数示されていると思います。
特に当事者を理解しようとする側(社会)の価値観に不足しがちな視点についてはなるほどと思いました。
文体に丁寧な説明の配慮があるように思いました。Posted by ブクログ -
「できる」のに「できない」ゆえの生きづらさ。
「○○力」という言葉はすべての責任を個人のなかに見出そうとする。
理解できないのは、理解するための文脈がないから。
「頑張って耐えて働く俺ら」が「怠けてる奴ら」に憎悪を抱くのは紙一重の場所にいるから。理解できてしまう故に理解したくなくて憎悪する。
「私...続きを読むPosted by ブクログ -
この本は、題の「コミュニケーション能力」より、むしろ副題の「生きづらさを考える 」の方が、内容をよく表していると思う。
現在の「生きづらさ」を抱えた人について、その原因を社会にも個人にも還元することなく、それらの相互関係の問題という視座から探っていっている。Posted by ブクログ