神西亜樹のレビュー一覧
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待望の神西亜樹さんの新刊。坂東蛍子シリーズがとても好みで、だけどシリーズが完結して2年以上情報が無かったので、もしかして次作はもう無いのかも、と思いかけていました。そんな時にふいに本作を書店で見つけて、びっくりして即購入。というか、たしかそれ以前に一度本作を見かけた気はするんだけど、タイトルも表紙も既刊と印象が違いすぎて、スルーしちゃってた気がします。
舞台は未来の東京。この世界では東京タワーは電波塔ではなく居住空間として使われている。タワーの中では料理という概念は失われ、食事は全てゼリーになっている。そこに過去からタイムスリップした青年サジタリが現れ、2人の仲間と一緒に、料理を再生していく -
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『この女子高生、名を坂東蛍子という。容姿端麗にして才貌両全ながら、本来自動開閉のタクシーのドアを躊躇無く開いてしまう、この物語の主人公だ。』
『出来ることなら積み重ねてきた全ての矜持を捨て去って、この密室の只中で大声で歌でも歌ってしまいたい気分だったが、生来の紳士の性分と近代合理の精神がローレヌにそれを許さなかった。「カラオケでやれ」と神が囁くのだ。』
『まだまだ子供だな、とほくそ笑んだ。メロン味を選択するのは気を衒って他と差別化したい心の表れなのよ。私も昔選んでた。』
『今度はレモン味である。まだまだ子供だな、と蛍子は思った。レモン味を選択するのは安易な刺激を求めている証拠よ。私も昔選 -
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才色兼備な主人公が、本人は知らないままに人類滅亡の危機の中心人物になっていて、周りの宇宙人やらアンドロイドやら意志持つぬいぐるみやら神様やらが右往左往する話(笑)
ちょっと読んでて涼宮ハルヒを思いだしてしまった。
そう言う意味ではこれ新潮文庫だけどラノベだよね。
ハルヒとの違いは語り部が固定されてないことと主人公が巻き込まれ型な所。
そのため少し共感しにくかったかな。
ラストのなんだかよくわからない(笑)壮絶な追いかけっこは楽しかった。
まあ結末はわかってたので、驚きはなかったけど、安心感はあった。
ただこのスタイルで続けるのはちょっとムリがある気がするなあ。 -
Posted by ブクログ
より正確に★をつけるなら3.5くらい。
極端に悪くはない、でも主人公のキャラクター像が「涼宮ハルヒ」みたいな、ちょっとありがちなのが残念。
作者の文体は、ユーモアのセンスもあるし、文章力も感じる。…が、「説明描写」がどこまで意図的なのか、少ないので主人公 蛍子のキャラクター像、各キャラクターの行動の理由、物語中で何が起きたのか?が、とにかくわからなくていちいち「?」となる。
割と新しめの作品だと「ビブリア古書堂」シリーズなんかも似たような「説明不足」を感じた。これは、最近の作家さんがそういう書き方を好んでいるということ?私が最近のラノベ寄り作品に触れてなくて世界観や空気感を掴みきれてないだけ -
Posted by ブクログ
ネタバレ第1回「新潮nex大賞」受賞作
主人公『坂東蛍子』が歩くとことには常に事件が…。
群像劇的な感じで話が進む中、坂東蛍子は気づいてないってのが面白い。
これは面白いのでは?とも思って読み進めていくと意外とこぢんまりとしたところに終着する。
面白いギミックは色々あるんですが、彼女自身の魅力が文章からあまり感じられなかった。かといって完全にマクガフィンになってるわけでもなく。(※マクガフィンって言いたいだけ)
ということで★3
群像劇ものは読んでる時は楽しいんだけどオチに凄いの期待してしまうんですよね。なんで勝手に肩透かし食らった気がして好みも平坦になりがり。
群像もので一番好きなのはゲ