木村岳史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ相変わらずの木村節さく裂といえばそうなのだけど、クロステックで読んでいたので概ね中身は想像通り。日本のSIerという産業がいかにダメかっていうのはいつもの事なのだけど、DXの本質はデジタルではなくエクスチェンジ=変革だという主張を今回は強く感じた。まあ、当たり前のことなんだけど、世の中で言われているDXって単なるIT化であることが多くて、何がXなのか判らないものが多い。自分が今係わっている仕事も、現行踏襲というITの世界ではもっともやりたくない仕事であり、DXとかけ離れた仕事。本当に色々なことを考えさせられてしまいました。色々反省ついでにいうと、今回の自分の仕事も現場からのボトムアップで検討が進んだ。そもそもの間違いがこれ。今の仕事からスタートしたら、小さな改善ばかりに目が行って、抜本的な改革なんてできない。それができるのは経営者だけというのはその通りだと思う。コンサルはクライアントの意に沿って動く。だから強力な意思を持った経営者がクライアントならDXになるかも知れないけど、現場主導のDXなら結果は自ずと知れたもの。なるほど、DXのオーナーが誰なのかが大事なんですね。本当にそういうことを強く感じました。たしかに、アカン!です。
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Posted by ブクログ
お馴染みのSIer滅亡論を掴みにユーザー企業のIT部門を滅多切り、終章ではこれからのSIerの方向性を考察する。自分の経験のなかでも優秀なIT部門もあれば、ユーザとの単なる窓口まで、色々とお付き合いさせて頂きましたが、一概にIT部門だけ責めるのも気の毒な気がする。紙媒体を売る会社さんがWebメディアに進出した際、以前、雑誌の販売管理システムでお世話になった方が、しばらくしてお会いすると、Webの開発マネージャになっていました。これは経営陣が新しいWebビジネスに向けて、IT部門の体制を大きく変えた事例だと思う。また、二つの対談でも述べられているコードを書く重要性についての言及はまさに我が意を得たり、ソフトウェアはコードを書くことが最終的な設計なので、これを単なる製造と見なしてプログラマの地位を貶めるから、日本のIT産業が夢のある業界に育たないのだ。色々と考えさせられる示唆を頂きました。
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Posted by ブクログ
DXを切り口に日本企業の問題点を指摘した1冊。中盤までの指摘については、例えば今ブームになっている「脱炭素」に置き換えてもそのまま当てはまることも多いように思った。(後半のSIerに対する指摘等はDX分野に特化したものだったが)
「そもそも変革すべき仕組みがない」、「勝手にやっている現場の集合体なので誰も自社の仕組みの全貌を把握していない」、「イノベーションの本質がわからない」
→日々働く上で漠然と感じていたもやもやが言語化され批判されていたのでスッキリ&共感した。
経営者に読んでもらい、自らの言動を悔い改めてもらいたい一冊。ただし、一従業員の立場からいくら「そうだそうだ」と思ったところでどうしようもない、というか従業員目線の解決策は示されていない。大企業と共に心中するか転職するか、ということなのか?事業者ではなくコラムニスト、批評家の立場で書いておられるので「そんなもん、期待しすぎ」といったところか。
以下、本著を読んだ自分のtake away。(作者が書いたままの表現というわけではない。)
・DXの核は変革であるはずが、変革という魂が抜かれ、デジタル化に成り下がっている。デジタルごっこ。「DX」の「活用」や「導入」といったおかしなフレーズが跋扈している。
・プロジェクトが、明確なKPIを達成できなければ失敗で。だが実際は、プロジェクトが炎上して想定外のオーバーランをしたとしても、とりあえずシステム刷新を完遂できたなら失敗と誰も言わない。誰も責めない。結果、レガシーシステムを今後10〜20年使い続けるというコストオーバーラン以上の損失が残る。
・事業部門は勝手にやっている部隊の集合体で、その事業部門の集合体が日本企業。結果、「我が社の強みは現場力」などとほざく経営者が現れる。事業部門連邦制。取締役でも他の担当役員のシマには手を出せない。
・ジェフ・ベゾス「Good intention doesn't, work, only mechanism works」=「善意は役に立たない」。日本企業は逆。従業員の善意に頼る。おもてなしの精神を発揮して長時間労働で過剰サービスを提供する。職場のブラック化や不正に繋がることもある。(最近のダイハツの不正等もこういったところに真因が見いだせるのだろうと思った。)
・企業のIT部門やSIerにとっては、経営者はITオンチのほうがよい、という不都合な真実。なぜなら経営者がITに詳しくなると、御用聞きの人月商売であるSIerやそこに仕事を丸投げしている企業のIT部門が存続の危機に立たされるから。
・仕組みづくりには、アーキテクト=仕組みをつくる人、が欠かせない。単なるコーダーはプログラマーではない。
・中途採用したIT人材を終身雇用しようとする愚。「優秀なDX人材が採用できない」等と嘆く企業の安直な考え。DX人材に何をさせたいのか明確ではない。優秀なDX人材さえ雇えば彼らが何をすべきか考えてくれると思っている。 -
Posted by ブクログ
日経クロステックでも連載されてて、よくこの人の連載は読んでいたが、耳が痛い。。
確かにIT業界に人が足りないと言われているが、その大半は「臨時工」や「COBOL見習い」なのかもしれない。景気が減退し、案件が少なくなると、「新規事業だ」といって新しいシステム作りに注力させる一方、既存の保守が盛り上がると「新規事業」から人を引き抜くITベンダー。正直その「新規事業」も、何のためにやってるのか分からないような格好つけの事業に過ぎない。その意味で、セコムの例は見習える。新たなサービスを作り出す。
大企業では技術者がいないのも頷ける。大規模プロジェクトでは正直大きな部分を担うことがないので育ちようがない。
そしてこれから重要になってくるのが、IT部門との「殴り合い」。御用聞きの時代は終わった。ベンダーは上から目線で、やれることはやるしやらないことはやらない姿勢となるべき。(ただしその上から目線は、技術的なことでマウントを取ることではない。それは単なる仕事のしにくいヤツ。業務改革の目線である。)
この本が書かれているのは、2016年。5年後にSIerが死滅すると言われてるが、流石にそうはならなかったか、、
逆に何でそうならなかったかというと、SIerが、日本の雇用慣行と深く関わっているからじゃないか。雇用慣行の話は、以前小熊さんの本でも読んだが、「慣習」として深く根付いている。確かにクラウドサービスは増え、IT業界自体は大きく変わってきているが、そもそも雇用慣行が変わらない限りそんな急激にIT業界は変わらないだろう。
公共部門のITについても、耳が痛い。もう顧客の御用聞きとなるべきではない。パッケージシステムだけ売って、あとは終わりでいいじゃない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ日本のSE、SIの現状やありかたを考える本
Tipsメモ
・今の開発はERP、FinTechなどに置き換わる
・需要が一定でないと今のSIは成り立たない→下請けからつらくなる
・「ものづくり」「おもてなし」気質
→現場の頑張り依存、マネジメント後進国
・仕様書を書く人がPGを書かない、プログラムを書く人が意味も解らず仕様通りに書く
→生産性低い
・建造物では設計図・構造計算あり→建てなくても強度は解る
→ITは「設計図と建物」より「レシピと食べ物」に近い
→なんちゃってレシピでおいしいかおいしくないか関係なくレシピ通りに作る
→あいまいな要件・仕様で、経験・行間読み・稼働で実現する日本のITベンダは凄い
・独自システムは属人性高→引き継ぎなど無駄コストも高い
・SEの稼働率が重要となっており、仕事がなくなることへの危機感あり
→アメリカで人材流動化している部分を、日本では社内で疑似的にやっている
・大規模PJで特定部分しか担当しない
→一部のスーパーキーマンで回る、若手が育たない
・ユーザ企業は専門家(ITベンダ)まかせになっている
・ビジネスのいねべーしょん⇒デジタル化
→ユーザ企業がITベンダ化し、ITベンダもビジネスを直視していく
→事業領域をまたいだ変革がおきていく -
ネタバレ 購入済み
刺激的なタイトルなんだけど
この業界で働く立場で読みました。
私自身、この本で取り上げられている受注開発・人月ビジネスとは異なるは働き方ではあるものの、同じ業界にいるものとして、常々日本のIT業界の持つ異常性について、同様の問題意識を持っていた。
それで、刺激的なタイトルだったので、立ち読みして購入し読んでみた。
―んですが、どうも途中で読むのが疲れてしまった。
同じジャンルの書籍でも技評から出ている「システムインテグレーション崩壊 ~これからSIerはどう生き残ればいいか?」の方が個人的には読みやすかった。
なんでかなと思い、著者の経歴を調べてみると、本書は日経コンピュータの編集者で、ITと経営をテーマにしたコラムなどを手掛けている方。
もう一方の技評から出てる書籍の著者は実際にIT業界(ネットコマース系)に身をおいてる方。
という違いがあった。
かなり個人的な感想になってしまっているが、本書ではあくまでも取材に基づいて書かれているようで、掘り下げていくと1つ1つの話題に対して、問題点や改善点に至るまで、具体性がいまいち薄い、抽象的(精神論?)すぎるというか、そんな印象を受けた。
そのためか段々と入っていかなくなってしまった。
読み手の大半は、広義のSE=技術者なんだから、具体性を得ない話は社長の訓示以上に「だから?」って感じてしまう、からかな。
あとSEというか技術者が一番嫌うのが、同じリスクを負ってない人間の、理想論や啓蒙ってことが分かってないんじゃないかなと思った。
その意味で実際にその業界に身を置いている者と、そうでない者とで、言葉や考え方にたいする重みの違いというか、そういったことも、この書籍が自分には入っていかなかったことの一因のような気もした。
テーマ事態は問題視すべきことなので、それを考える際に、こういう考え方もある、ぐらいにとらえるのが良いと思う。