伊藤文英のレビュー一覧
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ポイント
● 知能・脳(新皮質)の主要な機能は「記憶による予測」である。これが本書の一貫した主張。
● 知能を備えた機械を作ることは可能。しかし、それは人間に近づけたり人間を超えることとは別の話しである。そこを理解できるかが人工知能を使う一般ユーザーが持つべき前提としての知識。
●脳の働き方を、組織のあるべき情報伝達に当てはめて考えながら読める。
以下メモ
知能・脳(新皮質)の主要な機能は「記憶による予測」である。これが本書の一貫した主張。 →読み進めると言っていることがわかってくる。
脳ある人間は、あるがままの世界をそのままの形で知覚し、考え、行動するのではない。これまでに蓄 -
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Posted by ブクログ
2004年に書かれた本なのに、今の大規模言語モデルを予言している。
松尾先生の解説から読むと凄さが判る。
まともな音声認識もなかった時代に、CNNや深層生成モデルやトランスフォーマーに近いモデルを論じている。自己教師あり学習のNext Word Predictionや画像のinpainting処理は現在のAIで基本になっている技術である。
本書の予言のいくつか(音声認識、画像認識、自動運転、天気予報AI,タンパク質折り畳み問題を解くAI)は、すでに現実になっており、次は何かを予測して運動の命令が発せられ結果的に行動するロボットができてくるのか?すべてを同一アルゴリズムで扱うマウントキャッスルの -
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Posted by ブクログ
オフィスワーカーが数値化、モデル化され、そして最適化の対象となる。業務の効率化のために、あるときは単なるコストとみなされ、そしてある時はモデル化のための数値とみなされる。個人の意思も数値化できるという前提があるのだろうか。オフィスワーカーにとって便利になる一方で悲しい未来に向かって、着実に歩みを進めている。
昔、個人商店主がいたるところにいた。個人の嗜好を把握して適切なソリューションを提供してくれる顔なじみの店主は、最高の営業マンであり、コンシェルジュだった。彼らはコミュニケーションを豊富にとり、行動を観察していた。
現代の我々は、コンピュータと会話をして、行動を積極的にコンピュータにインプ -
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Posted by ブクログ
不可解な量子の世界の理解が、いかに多くの物理や化学の現象の根本からの(科学的に)整然とした説明が可能か?!、を、結構ドッシリと説明した書籍。
敢えて数式の掲載を控え過ぎず、むしろ「数式は可能な限りは控えるけど、これを理解すれば科学的満足感が得られるんだぞ!、という部分は敢えて出すし、詳細も説明する。だから是非とも努力して理解してみろ!、絶対面白いぞ!」という、何とも情熱的な科学者の情熱を感じるわけです。
しかし、翻訳本に在りがちな、冗長な?(冗談交じりの)文章で延々と数式と理論の説明をされると、うーーーん、さすがに全数式と全文章を追って理解しよう・時間を投資しようって気にはなれませんでした..