【感想・ネタバレ】クオンタムユニバース 量子 すべては近似にすぎないのか?のレビュー

あらすじ

「量子力学」は、万物のふるまいを説明する三つの大理論の一つだ。残りの二つは、アルベルト・アインシュタインが提唱した「特殊相対性理論」と「一般相対性理論」で、時間と空間と「万有引力」を対象にしている。ほかのすべてを対象にするのが量子力学で、満足しようが途方に暮れようが、自然のふるまいを予測するという実用的な価値において、正確さと適用範囲の広さを誇っている。
何かの役に立つことはかならずしも科学の目的ではないが、純粋な興味からはじまった基礎研究によって、しばしば技術や社会に大変革がもたらされてきた。あらゆる分野での発見のおかげで寿命が延び、飛行機や電子メールが大陸のあいだを行き交う。人々は単調な肉体労働から解放され、無限の宇宙へと思いをはせる。だが、そのような成果は、ある意味すべて副産物だ。科学者の動機は好奇心にあり、理論の拡張や製品の改良にあるのではない。
深遠な理論が広範に適用できる好例として、おそらく量子力学は真っ先にあげられる。粒子が複数の場所に同時に存在し、瞬時に宇宙のかなたまで飛んでいくと主張するのだから、これほど深遠な理論もない。宇宙を構成する基本要素のふるまいを理解すれば、森羅万象が説明できるのだから、これほど適用範囲が広い理論もない。
この本の目的の一つは、量子力学から神秘性を取り除くことにある。その理論が誕生したときから、研究者の困惑がはじまった。一〇〇年にわたる努力のおかげで、現在では全貌の理解も進んでいる。だが、歴史的な背景を知るためにも、一九世紀が終わろうとする時代から説明をはじめたい。当時の物理学者は、なぜ、それまでにない革新的な理論にたどり着いたのか?
(第一章より)

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Posted by ブクログ

粒子はどのような法則に基づきこの世界を構築しているのか。分子、原子、陽子、電子、中性子、クォーク。量子の世界は標準モデルとしてまとめあげられた。しかしまだ重力の統合はなされていない。明快な説明に助けられて量子の世界の法則を垣間見る。ファインマン・ダイヤグラムの意味がようやく分かった。いろいろな本で説明がされていたが、この本の説明でようやく明らかになった。といっても深い意味が分かったわけではないが。とても分かりやすいが二度三度と読み返すとより理解がすすむだろうな。

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2019年01月26日

Posted by ブクログ

量子力学の本。全11章とエピローグ。
2016年6月20日初版。
他人から貰った。

8割位の理解。今現在、新聞ではより新しい事が記事になっていることもあるし、他の宇宙に関する新書の知識もあるからとは、と思っていた。

量子力学も科学技術で応用される分野でもあるので、全理解しようと思ったが、8章「原子のきずな」がきっかけで分からない記述が増えた。これからも量子力学の分野を他の書物などで理解を深めたい。

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2020年07月21日

Posted by ブクログ

不可解な量子の世界の理解が、いかに多くの物理や化学の現象の根本からの(科学的に)整然とした説明が可能か?!、を、結構ドッシリと説明した書籍。
敢えて数式の掲載を控え過ぎず、むしろ「数式は可能な限りは控えるけど、これを理解すれば科学的満足感が得られるんだぞ!、という部分は敢えて出すし、詳細も説明する。だから是非とも努力して理解してみろ!、絶対面白いぞ!」という、何とも情熱的な科学者の情熱を感じるわけです。
しかし、翻訳本に在りがちな、冗長な?(冗談交じりの)文章で延々と数式と理論の説明をされると、うーーーん、さすがに全数式と全文章を追って理解しよう・時間を投資しようって気にはなれませんでした...
ただ、「量子論って、何だか現実感を伴わない、いかにも特殊な世界を科学的に表現する時だけに使われるモノだよね?」的なイメージは覆された。
化学の周期律表の規則性も、量子論で整然とした説明がつく(完全にではないが)という部分は、へえーなるほど!と改めて納得。
敢えて全文を読もうとせず、読めるとことだけ拾い読みしても面白い書籍だとは思いました。

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2016年10月08日

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