森下信雄のレビュー一覧
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『宝塚歌劇やAKB48を支える人たち(ファン・コミュニティ)は、OLであろうが、主婦であろうが、学者であろうが、ニートであろうが、宝塚歌劇・AKB48に関わっている瞬間は血縁・地縁・社縁・肩書きといった様々なしがらみから解放される「無縁の瞬間」に生きていると感じられること……それが大きな魅力なのです。
このことは、宝塚歌劇やAKB48のファン・コミュニティとは、社会学者の宮台真司氏の言う「第四空間」であることも示しています。つまり、学校(会社)でも地域でも家庭でもない「自らの尊厳を奪われない居場所」を彼らに提供していることになるのです。』
マーケ的、社会学的な知見もあり、ケーススタディーと -
Posted by ブクログ
こうして特徴のあるエンタテインメントを、客観的に分析してみるのは、非常に興味深い。
これからの時代、あらゆることがエンタメ化されていくだろうと、個人的には感じている。
教育などは分かりやすいが、先生が教科書を元にして、板書して授業するスタイルは変わっていくだろうと思う。
単純にオンライン化されるだろうことは想像できるが、もし昔ながらの教室という場所が変わらなかったとしても、授業の形態自体は大きく変わるかもしれない。
勉強が「つまらないもの」「苦しみながら身に付けるもの」という感覚から、「楽しみながら学んで成長するもの」という感覚に変化するだけでも、大きなパラダイムシフトだと思う。
当然、そうい -
Posted by ブクログ
うーん。宝塚ファンですが、書いてある内容は特段目新しい視点ではないし、所々承伏しかねる。女性ファンはオトコの言う「母性本能」でタカラジェンヌを応援しているわけではないし、男性ファンは招かれざる客、なんて思っていませんが。
また、ファンは男役という虚構を推しているのだから品質は二の次で良いと言って憚らないのはファンをバカにしている。明らかにグレーゾーンであるファンクラブの存在も経営戦略の一部と断言してしまうのはどうなのでしょう。もっと切っても切れない、複雑な事情があるもののはず。この本で述べられているのは一昔前のファン像、経営戦略であって、これまで100年間はこれで乗り切ってきたのかもしれないけ -
Posted by ブクログ
いきなり私事で恐縮ですが、私が大学生のころまで、妹は宝塚歌劇団の大ファンで家には雑誌「歌劇」が散乱していました。また、当時付き合っていた彼女も宝塚の大ファン。日比谷にある東京宝塚劇場の出待ちに付き合わされたこともあります。元カノが宝塚を語るのを聞いて思ったのは、「どこがいいんだ?」。40年以上の謎を解くために、新聞広告で見つけた本書を購入しました。
また、現在、私が憧れているあの人も宝塚ファン。共通の話題を見つけて、仲良くなりたいという若干やましい理由もあります。
著者の森下信雄さんは元々は阪急電鉄の社員。1998年から2011年まで宝塚歌劇団に出向して、総支配人まで歴任されました。現在は阪 -
Posted by ブクログ
兵庫県宝塚市から戻ってきた後、六本木の青山ブックセンターで、この本を見つけました。これまで、宝塚の経営本は、小林一三の業績に関するものばかりでしたが、この本は、現在、宝塚がどのように経営されているか、が書かれています。その経営戦略は、一言で言えば、エンターテイメントの「垂直統合」。開発→生産→販売をすべて社内でやる、エンターテイメント界のユニクロです。著者は、これを「創って作って売る」と表現しています。脚本を書き、舞台をつくり、チケットを販売し…すべてが、阪急電鉄グループでまかなわれています。その強みは、作品の著作権が、すべて宝塚歌劇団にあるため、再演はもとより、DVD、CD販売、CS放送、関