立川談春のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
『赤めだか』、落語の演目のような書名。文庫化される時点で、単行本は13万部以上売れたという。それも当然、内容はもちろん、その語りとサゲの巧さといったら。でも、それが本職か。
17歳で談志の門を叩き、33歳で真打になるまでの自伝。そこに描かれている談志がいい。矛盾だらけで、迷いがあって、弟子にはそれをそのままさらけ出して。談志なりに可愛い弟子たちのためを思っている。
最終章、真打昇進のかかった7日連続の独演会。談春は、なんと米朝と小さんに稽古をつけてもらうという正攻法に出た。そして小さんの稽古のつけ方が談志のそれだということに気づく。いい話だ。
途中には、高田文夫が登場する章がある。これが抱腹絶 -
Posted by ブクログ
筆者の立川談春は、立川談志の弟子。本書は、談春が談志に弟子入りし、真打ちになるまでのことをエッセイにまとめたもの。
驚くほど面白い。
落語家の世界、特に天才・立川談志について書かれているので、題材として面白くない訳がないのであるが、ストーリーとしての面白さばかりではなく、談春という人は、とんでもなく文章が上手で読ませる。
また、色んな意味で、過不足のない、絶妙なバランスのエッセイだと感じた。
まず、文章の抑制の効かせ方が素晴らしい。落語家の子弟関係は簡単な関係ではない。お互いに愛憎半ばするはずであるが、師匠の談志についての記述が、これ以上書くと愚痴や悪口になるぎりぎりのところで留まっており、か -
Posted by ブクログ
立川談春さんの入門から真打ち昇進までの話。いやー落語家にだけはならないと心に誓いましたw 50個も噺覚えられないでしょ。みんな頭良いんだなあと感心します。子ども向けの見に行ったことありますけど、また爆笑しに行きたいですね。
あとこの本は、師匠と弟子の関係から学ぶコーチングの本でもあります。
>後年 、酔った談志は云った 。 「あのなあ 、師匠なんてものは 、誉めてやるぐらいしか弟子にしてやれることはないのかもしれん 、と思うことがあるんだ 」この言葉にどれほど深い意味があるのか今の僕にはわからないのだが 、そうかもしれないと思い当たる節はある 。
>型ができてない者が芝居をす -
Posted by ブクログ
前に一度齧り読みしてるのかな、ところどころ読んだ事あるシーンが出てきたので。まぁ読んでるか。あの談春師匠の本だし。
何年、何十年も前に一度小平で、談春師匠の独演会を観たことがある。まー完成度の高い高座に膝を打った覚えがある。
観終わったあとの一杯やってるときの同行者との熱を帯びた会話がそれを物語る。
文才、というレベル感かどうか分からんが、題材が題材なだけに談志ってのはほんとおもろいなぁ、落語という枠よりも生き方が面白いということが伝わってくる。
自分としては談志はあくまで異端なので落語の本流とは思っていないが(知ればしるほどそう思う)、そんな彼に真底惚れ込んだ弟子たちの葛藤もまた面白