おそらく日本で最初に自分がオタクであることを公言した女性でしょう。上総国から都への旅路を経て夢中で物語の世界に浸った少女時代。親しい人たちと別れ、容赦ない現実の波に押し流されていく青春時代。宮仕えして源資通と議論を交わし作者の人生で最も晴れがましかった"春秋のさだめ"。晩年を迎えて己が所業を深く悔恨
...続きを読むしながらの神仏への傾倒…かつて栄華を誇った王朝政治が翳りを見せ始めた平安後期に一下級官吏の娘である女性が辿った人生。現代の中産階級オタク少女にも共感する所があるのではないでしょうか。