永井麻生子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
シャオミという企業についても、その戦略についても、CEOの雷軍という人についても、全く知らなかった。
これだけ情報が溢れている時代。
自ら得ようと思えば、ほとんどの情報にアクセスが可能だろう。
しかし、そもそも知らなければ、その情報にアクセスすることができない。
ただでさえ情報過多で、自分の中でも消化しきれていない状況で、効率よく情報を取捨選択していくことは、本当に難しい。
今回はたまたまこの書籍との出会いがきっかけとなったが、シャオミのことを知らないままでいたら、相当損をしていたことになる。
それぐらい自分にとっては価値ある書籍だった。
端的に言えば、勝つためにどこまで徹底的に突き詰めるかということ。
ついつい自分自身に対して甘えが出てしまって、「この程度でいいか」と思う瞬間が訪れる。
そこを乗り越えていくためには、最初の段階で「ここまで突破してやる」という覚悟を持って臨む必要がある。
これだけ言うとただの根性論になってしまうのだが、ここにプラスして考え抜かれた秀逸な戦略があるからこそ、上手く回る。
まさに車輪が勢いを増して回転するように、相乗効果を生んでいるように見えるのだ。
彼のこの起業物語を読み解いていくと、レッドオーシャンだからといって、諦める必要はないことに気付かされる。
結局は、どんな状況であっても「どうすれば勝てるか」を考えて愚直に実行することなのだ。
最初はブルーオーシャンだったとしても、周囲の状況が変化すれば、すぐに競合がひしめき合う場所に変化してしまうかもしれない。
戦略的に戦う場所を選ぶことも、確かに重要な要素かもしれない。
しかし、環境だけは自分たちのコントロールでどうにも出来ない部分があることも事実。
今ある環境の中で冷静に勝てる部分を見つけ、磨き続けて、勝負に勝つ。
雷軍氏は、勝てる目算があったから、この勝負に打って出た訳だ。
様々参考になる部分があったが、本書で紙面を多く割かれていたのは、人材獲得についてだった。
勝負に勝つために、時間を惜しまずに徹底的に勝てる仲間を集めているという点は、ものすごく考えさせられるところだ。
正直、本書を読んで「CEOがここまでやるのか」と思った部分でもある。
結局勝負に勝つためには、人材が何よりも一番大事ということなのか。
当然、能力は超一流である必要がある。
それに合わせて、シャオミの理念を共有できるのかが大事だということ。
そして、理念に向かって覚悟を持って仕事を完遂できるのか。
そんな超一流人材が、創業間もないベンチャーに来てくれる訳がないから、CEO自らが行脚して直接口説きにかかる。
スティーブ・ジョブズ氏も「人たらし」だったというエピソードを聞くが、企業が成功するための最低限の要因なのかもしれない。
人材に興味を持たない経営者がいる企業は、今後生き残れる訳がないということだ。
私自身、社内では人事の仕事が長くなったが、本当に人材では苦労している。
そもそも「人間の悩みのほとんどは、人間関係である」と言うくらいだから、当然のことなのかもしれない。
人間は社会的な動物であり、1人では生きていけないにも関わらず、人間同士の諍いはどうして尽きないのか。
人間というものの本質を見極めているところが、雷軍という人物だ。
起業に合わせ7人を招聘した訳であるが、超一流の人材を揃えてから、会社を始めたという。
まさに神セブンか、七人の侍かだが、これはそんな簡単な話ではない。
普通は、人員を集めるためだけに、ここまで徹底的になれない「甘さ」がある。
きっと、2〜3人でも集まったら、それでスタートを切ってしまうだろうと思う。
能力が足りなくても、「これでいいか」と妥協して、まずは始めようとしたと思う。
しかし雷軍氏には、「シャオミをこうしたい」というゴールイメージが最初からあった。
そのためには、最低でも〇〇の能力を持つ人材を7人は揃えなければ到達できない、という目算があったということだ。
すごいと思ったのは、雷軍氏は、スター人材の自社へのスカウトだけに留まらない。
サプライヤーについても超一流を揃えるし、その部品については一番という企業に合うまでに、何百人とも面談したという。
創業間もないベンチャーと取引するというのは、サプライヤー側からすれば相当なリスクである。
そもそも部品の選定から発注・納品までこぎつけるのも大変なはずであるが、そのハードな交渉をCEO自らが行っていたという。
雷軍氏をここまで焚き付けるのは何だろうかと考えてしまう。
シャオミを起業する以前の会社で、雷軍氏はすでに成功を収めていた。
一時期、ベンチャー企業へのエンジェル投資も行っていたというくらいだ。
お金は相当持っていたはずで、生きていく上では何の苦労もなかったはずだ。
しかし、不退転の覚悟で、シャオミ創業に懸けたのだ。
やはり並みの起業家ではない。
そんな覚悟を持って臨むシャオミだからこそ、勝つために選択と集中を徹底させていく。
彼は、最もエンゲージメントが高い顧客である「米粉」(シャオミのファン=ミーファン=ビーフン)とも、積極的に直接交流を持つが、これも「徹底」である。
流通を通じての販売は行わず、自社店舗も一切持たないシャオミが勝つための戦略なのだ。
すべて自社ECだけで、製品を直接販売をする。
宣伝予算は一切持たず、流通にかかる間接費もかけない。
それら費用を徹底的に削った分を、そのまま商品価格に転嫁させる。
つまり、高機能なスマホを、他社よりも圧倒的に安い価格で提供するということなのだ。
だからビーフンの声を何よりも大切にし、それらを次の製品開発に活かしていく。
今となればこういう企業も増えてきたと思うが、起業当時からこのやり方を徹底していたのがスゴイところだ。
彼にとっては、あらゆる人(社員・サプライヤー・ビーフン)を大切にすること(集中すること)が勝ち筋なのだろう。
このように、勝ち筋の本質を見極めているところが大きなポイントだと思う。
他にも、雷軍氏の際立ったビジネスセンスについてのエピソードが印象的だった。
CPUなどの先端部品は、シャオミのスマホに新たに搭載する際は、仕入れの値段が非常に高価だ。
しかし、雷軍氏はその価格分だけスマホの値段を上乗せせずに、敢えて低価格で販売し、ライバルを圧倒するのだという。
他よりも高機能なスマホが、低価格で手に入るのであれば、ユーザーは購入するに決まっている
。
ここで、一気に販売を伸ばせば、仕入の先端部品は結果的に大量生産することとなり、大幅なコストダウンが図れるという。
雷軍氏はここまで先読みして販売している訳であるが、競合からはクレームの嵐だったという。
もちろん業界の常識を破壊していくのだから、クレームを受ける訳である。
しかしながら、ルールを逆手に取って戦うのは、弱者が強者に挑む以上当然のことじゃないか。
それをとやかく言われる筋合いはない。
そんなシャオミは、スマホメーカーとしてスタートしたが、実は超一流ソフトウェア会社としての一面も持っている。
アプリの使い勝手や不具合については、ビーフンからの意見を超速で取り入れ、解決していく。
「使用感こそが、競争力の源泉」というのも雷軍氏の言葉であるが、これをソフトの更新で実現させていく。
そんなシャオミは、今では各種スマート家電も取り扱い、そして2024年にEV自動車を発売した。
これからの自動車産業は、ハードとソフトをどうやって融合させていくかが大きなカギと言われている。
スマホで得たノウハウを転用し、SDV(Software Defined Vehicle)の覇権を握ろうとしているということか。
ハードウェアを最適にコントロールするソフトウェアは、使用によって得られるデータをAIにフィードバックさせることで、日々進化されていく。
スマホでも、高機能なハードを発売しつつ、日々の使用感についてはソフトのアップデートで改善を図っていた。
EV自動車についてもスマホと同じように、日々機能が更新されていくのが、SDVの核心とも言えるから、この分野については一日の長があるということだ。
対して日本の自動車産業は、これら新興企業とどう戦っていくのか。
まさに群雄割拠の状態であるが、未来はまだまだ予期せぬことが起こっていくだろう。
だからこそ、未来は面白い。
年齢に関係なく、雷軍氏のように熱い気持ちを持って戦略的に生きていきたいと思った。
(2024/9/1日) -
Posted by ブクログ
難読書 やっと一読できました 見慣れない中国企業名、わかったようでわかっていなかった金融用語、そして、IT用語。加えて、箇条書きの改行をとって一文につめこんだような、凝縮された各ページ。要所で、用語を調べるために、何度もスマホに打ち込んでいました。
恐るべき中国金融のテックフィン(アリババはフィンテックではないと言っている)、日本の金融システムとは異質だが、解放感がある。
要点
・アントフィナンシャルは、アリババの金融部門ではなく、金融プラットフォームである
・アリババは、既存の金融機関とはすみわけをする。(これをインクルーシブ・ファイナンスといっています)
・既存の金融機関が上記20%を対象とするならば、インクルーシブ・ファイナンスは、のこりの80%を対象とする。だからアント⇒蟻。ロングテールで稼ぐ。
スマホ決済、しかもスマホカメラで対応できる安価なQRコードを使う
信用市場がなかった中国に新しいマーケットを作った。裁判所での対応も与信に組み込んでいる。
・アリペイ 決済
・余額宝 資産運用
・保険
・花唄、仮唄 マイクロクレジット
・芝麻信用 信用情報
膨大なビッグデータと、AIを背景に金融クラウド
セキュリティ(生体認証)、リスク管理(個人ごとに金融商品の金額を算定)
DX:単なる言葉ではなく、たくさんの入力項目を必要とする金融商品の申し込みを、口座名とパスワードだけで実現
融資は、4分で完結
すぐ借りられて、すぐ返せるしくみ 等
目次は以下
はじめに
第1部 ゲームチェンジャー・アリペイ
第1章 アリペイの誕生
第2章 アリペイの野心
第2部 アリが夢見るインクルーシブファイナンス
第3章 余額宝がもたらす資産運用革命
第4章 インターネット時代の零細企業融資
第5章 信用を財産に
第3部 金融の勢力図を塗り替える
第6章 1匹のアリが作る新金融エコシステム
第7章 グローバルな発展の未来図
第8章 農村金融の荒野を開墾する
第9章 オープンプラットフォーム
あとがき -
Posted by ブクログ
2024/05/30読破
一言 今日は昨日までの総括。
感想 ジャックマーの精神と、確固たる信念からやりたいこと・実行したことが著者の推測と共に記載してあり、面白い物語でした。
下記は印象に残った点
p38
ナマケモノによってこの世界は支えられている
努力したら、成果が出るとは限らない
p84
チャーチルが運命に対しての言葉
「自信に満ちて出発するのは、目的地に着くことに勝る」
p172
「マネジメントの成功の15%は、技術が決め85%は個人との人間関係と問題処理能力が決める」
p217
愚かな人は口で話す。利口な人は頭で話す。思慮深い人は心で話す。馬雲
リーダーは何を言わなくても構わない。しかし言うなら本当のことを言わなくてはいけない。
p234
「能力」は、あなたの位置を決める「品格」は、あなたがその位置にどれくらいいられるかを決める -
Posted by ブクログ
口コミの肝は、消費者の期待を超えること。
いつ何をやるべきか決める
誰に何をやらせるか決める
いかに人に全力を尽くしたいと思わせるか
「ビジネスを成功させるうえで最も大切なことは、友人を増やし、敵を減らすこと」
孫子の兵法にも書いてあった、コウダプロのHPにも似たようなこと書いてあったな
偉大な製品は本来まねできない。(ブランディングも含めて)
真似されることを危惧する、ないし真似されているのであれば、それはその製品が不十分だから。
どんなに凄い画期的なサービスを作ったとしても、ユーザーにとって価値がないものであれば、なんの意味も持たない
商品は100でなければ0になる
完全に100満足して、お客様にも満足してもらえるサービスを提供しないと意味がない
最初の話に戻ると、期待を超えないから口コミも広がらない
良い口コミも悪い口コミも見漁って、R&Dにつなげていく、CRMを構築する。
不満が大きいほど、大きな市場が眠っている。深い。
D2Cのメリットは様々あると思うが
最終的に行き着くのは、コストカットできてる、工数カットできてるからこそ、R&DとCRMに全集中できる。ここが一番のメリット。(利幅が大きいとかリスクが低いとかはその手前の話)
有限である付加価値の領域に全集中し、付加価値の低い領域を自社で保有せずに行う。
最もヘビーなファンを100人を満足させられたら、残りの人々は簡単に満足させやすい
結局VOCなどが出回って商品自体の信頼も上がっている。
そうするとフラシーボ効果も発揮しやすくなる。
バンドワゴン効果=羊の群れ
神は細部に宿る=細かい修正を加えて、どんな些細なことにも拘ることで、全体的にレベルの高いサービスが生まれる
競争することの最大の目的は
「相手を打ち負かすことではなく、自らを発展させることだ」
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Posted by ブクログ
技術後進国がイノベーションによって一気に技術立国になることがある。レガシーのジレンマがなく最新技術をフル活用できるからだ。アントフィナンシャルの躍進はまさにそれであろう。本書で描かれる蟻たちの集合体は世界最先端の金融エコシステムであり、農村金融のようにテクノロジーで裾野まで拾い上げる様はこれまで金融が挑戦して成し得なかった領域をも開拓しつつある。
中国というとどうしても国家統制の計画経済を思い描いてしまい、アリババもアントも膨大な中国内需があるから成長できており国家擁護のもと成長した企業と勝手に思っていたが、本書で描かれるアントは規制と果敢に向かい合いユーザーファーストで泥臭くトライ&エラーを繰り返すスタートアップそのものだ。彼女らの凄まじいアジャイルに驚かされる。
IT/AIの業界ではシリコンバレーではなく深圳のほうが進んでいる領域が幾つもあるが、金融もそのうちのひとつだろう。TechFin企業としてのアントフィナンシャルの凄さはもとより、米国が中国を恐れる理由、中国の底力を理解できる良著である。 -
Posted by ブクログ
ネタバレアリババ創業者の馬雲氏の半生に添いながら、アリババ創業までとその後の歴史の中で、馬雲氏の考えや発言をベースにアリババへの想いが書かれた本。
はっきり言ってアリババの創業秘話は全くの無知だったので、非常に意外であったのと、馬雲氏の人となりが知れたこと、自分にも還元できる良い考えが数多く書いてあり、前半部は非常に読んでいても並走できる。
一度は読んでおくと良い。おそらくもっと良書が中国語で書かれているはずで、そちらもいずれは読んでみたくなった。
感想を書いていて思ったが、まだ自分が読む準備をできていなかったかも知れないので、近いうちにまた再読したい。 -
Posted by ブクログ
アリババグループが率いるアント・フィナンシャルの事業については、信用評価サービス「ジーマ・クレジット」が取りざたされることが多い。しかし、最初期の金融サービスである決済の「アリペイ」を始めとして、様々な金融領域に拡大した彼らの事業について、なかなか全貌をつかむのは難しい。本書は、北京大学のデジタル金融研究センターに所属する研究者集団によるアント・フィナンシャルの新金融エコシステムについてまとめた論考集であり、恐らく日本語で読める類書の中では、既に多くの評者が指摘しているように最高の一冊である。
高い経済成長を誇っているとはいえ、都市部と農村の経済格差が大きい中国においては、全ての国民が等しく金融サービスへのアクセスを持てているわけではない。そうした環境下で、融資や投資などの金融サービスを等しく全てのユーザに対して提供するアント・フィナンシャルの事業は、いわゆるファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)の典型例として理解することができる。特にその一例として脅威深かったのは地方における農業従事者をターゲットとしたサプライチェーンファイナンスや融資などの一連の金融サービスである。日本においても、農業ビジネスの大規模化・高度化を図るにあたって金融×農業の意味合いは非常に大きいのではないかという仮説を考えていた自身にとって、その仮説を既にビジネスとして成立させている中国の取組は極めて示唆深かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレまず書籍としての品質が高い。調査して、正しく書籍として書かれている印象を受ける。アメリカのバスワード一発なワイヤードな感じの書籍より数倍情報量があり、読み応えがある。また、途中のエピソードで、squareに学びに行って学びが何もなかったと言うものがあるけれど、その通り、ファイナンス分野で、グラミンのように包摂的で、その上でテクノロジーに結びつき、明らかに世界の最先端を走っている企業の話としてよく書かれている。プラットフォーム企業としてのあり方も、アメリカの先行企業に対して一つレベルの高い哲学を持っているように感じられる。中国だから、と言うことで、多分政府に情報を全て持って行かれているだろうと言うような印象操作だけでこの企業の物語を見逃すと大変まずい。まあ実際にどうなのか?はわからないけれど。
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Posted by ブクログ
ネタバレふっきーがお勧めしていたので読んでみた。
シャオミは中国のIT企業。ハード、ソフト、インターネットサービスの「鉄のトライアングル」を事業領域とし、ハイスペックで安価なハードで顧客を獲得し、ソフト、インターネットサービスで収益をあげている。
最も印象的かつ実践で役立っているのは「ディテールに拘ること」。神は細部に宿る。シャオミは普通なら対応しないようなユーザーの細かいニーズにまで応えることで熱狂的なファンを獲得・維持している。不動産開発も来訪者の利用シーンをイメージし、詳細まで入り込みどのような施設だったら来てくれるのか、ストレスなく楽しめるのか、感動してくれるのかを考えなくてはならない。その時に重要なのが「期待を超えること」。ユーザーの期待を超えるものだけが口コミで広がっていく。
また、「風の吹くところに立つ」という言葉はビジネス、社会人として、時勢を読んで自らの立ち位置を考え、そこに立つ為に何をすべきかを熟慮しなくてはならないと教えてくれた。不動産はビジネスはもはや過去にロケーションだけに依存するものではなく、投資のタイミングが重要になってきている。景気が後退し、安価に用地取得できるタイミングで事業部にいれば大抵の事業は成功するのだろう。
集中はパワー。集中が究極をうむ。
顧客価値にフォーカスすること。ユーザーの利便性、感動を徹底的に考えることで誇れるものができる。 -
Posted by ブクログ
ジャック・マーのこれまでを12章に分類し、それぞれの観点から述べた本。章の中も小分けにされており、どこからでも読み進められる構成になっている。
ジャック・マー、アリババについては昨年の上場に加え、ソフトバンクの孫社長が出資をしていることでも名が知れている。しかしながら、ジャック・マー自身の考え方や生き方、またアリババの経営史については残念ながらほとんど知らずじまいであった。
本書を読んで、ジャック・マーの人生が決して順風満帆ではなく、その時々で決断を下してきたからこそ今があることが分かる。また、彼が国内外のトップリーダーに成長できたのは、彼らと同じくバイタリティやスピード感にあふれていることも伺える。
本書からすれば、ジャック・マーはそれほど本を読んでいないということらしい。逆に、私自身は本を読まない日はないというくらい本に支えられた生活を送っている。衝動に駆られて、でないことはせめてもの救いだろう。
いつ会えるか、またもう会えないかもしれない人たちに触れ合えるそんな機会を提供してくれる本があるからこそ、本書にもこうして出会うことができた。行動を伴わない知識は自己欺瞞だが、知識を行動へと促進できるなら、本との触れ合いも実際の人と同じくらい強烈なカンフル剤に成りうるに違いない。