ユーザーレビュー アントフィナンシャル――1匹のアリがつくる新金融エコシステム 廉薇 / 辺慧 / 蘇向輝 / 曹鵬程 / 永井麻生子 難読書 やっと一読できました 見慣れない中国企業名、わかったようでわかっていなかった金融用語、そして、IT用語。加えて、箇条書きの改行をとって一文につめこんだような、凝縮された各ページ。要所で、用語を調べるために、何度もスマホに打ち込んでいました。 恐るべき中国金融のテックフィン(アリババはフィン...続きを読むテックではないと言っている)、日本の金融システムとは異質だが、解放感がある。 要点 ・アントフィナンシャルは、アリババの金融部門ではなく、金融プラットフォームである ・アリババは、既存の金融機関とはすみわけをする。(これをインクルーシブ・ファイナンスといっています) ・既存の金融機関が上記20%を対象とするならば、インクルーシブ・ファイナンスは、のこりの80%を対象とする。だからアント⇒蟻。ロングテールで稼ぐ。 スマホ決済、しかもスマホカメラで対応できる安価なQRコードを使う 信用市場がなかった中国に新しいマーケットを作った。裁判所での対応も与信に組み込んでいる。 ・アリペイ 決済 ・余額宝 資産運用 ・保険 ・花唄、仮唄 マイクロクレジット ・芝麻信用 信用情報 膨大なビッグデータと、AIを背景に金融クラウド セキュリティ(生体認証)、リスク管理(個人ごとに金融商品の金額を算定) DX:単なる言葉ではなく、たくさんの入力項目を必要とする金融商品の申し込みを、口座名とパスワードだけで実現 融資は、4分で完結 すぐ借りられて、すぐ返せるしくみ 等 目次は以下 はじめに 第1部 ゲームチェンジャー・アリペイ 第1章 アリペイの誕生 第2章 アリペイの野心 第2部 アリが夢見るインクルーシブファイナンス 第3章 余額宝がもたらす資産運用革命 第4章 インターネット時代の零細企業融資 第5章 信用を財産に 第3部 金融の勢力図を塗り替える 第6章 1匹のアリが作る新金融エコシステム 第7章 グローバルな発展の未来図 第8章 農村金融の荒野を開墾する 第9章 オープンプラットフォーム あとがき Posted by ブクログ アントフィナンシャル――1匹のアリがつくる新金融エコシステム 廉薇 / 辺慧 / 蘇向輝 / 曹鵬程 / 永井麻生子 アリババの決済部門を担うアントフィナンシャルの立ち上げから現在に至るまでを詳細に解説した本。 独身の日における凄まじい量の決済データをクリアするため、OSやデータベースソフトまで自前で作り出してしまうパワーは今の日本企業に無いものです。 企業が歩んできた事実を中核メンバー1人ひとりの個性も絡めて...続きを読む著しているので、迫力のある企業小説のように読むことができます。 Posted by ブクログ アントフィナンシャル――1匹のアリがつくる新金融エコシステム 廉薇 / 辺慧 / 蘇向輝 / 曹鵬程 / 永井麻生子 アリペイを提供するアントフィナンシャルの本。 あまり日本では知られてない・報道されてない内容に思う。 圧倒的に先をいっている。 テックフィン企業。 小さなところへの集中。 信用。 Posted by ブクログ アントフィナンシャル――1匹のアリがつくる新金融エコシステム 廉薇 / 辺慧 / 蘇向輝 / 曹鵬程 / 永井麻生子 結構、ボリューミーな一冊。アントの中核事業である信用部門のビジョン・ミッションが「信用の空白を埋めるということが芝間信用の役割」であることが良く分か。同社が個人情報保護のSIOも取得していたことを知らなかった。意味不明な理由で中国叩きをする人にこうしたChina Digitalの側面を知ってほしい。 Posted by ブクログ アントフィナンシャル――1匹のアリがつくる新金融エコシステム 廉薇 / 辺慧 / 蘇向輝 / 曹鵬程 / 永井麻生子 技術後進国がイノベーションによって一気に技術立国になることがある。レガシーのジレンマがなく最新技術をフル活用できるからだ。アントフィナンシャルの躍進はまさにそれであろう。本書で描かれる蟻たちの集合体は世界最先端の金融エコシステムであり、農村金融のようにテクノロジーで裾野まで拾い上げる様はこれまで金融...続きを読むが挑戦して成し得なかった領域をも開拓しつつある。 中国というとどうしても国家統制の計画経済を思い描いてしまい、アリババもアントも膨大な中国内需があるから成長できており国家擁護のもと成長した企業と勝手に思っていたが、本書で描かれるアントは規制と果敢に向かい合いユーザーファーストで泥臭くトライ&エラーを繰り返すスタートアップそのものだ。彼女らの凄まじいアジャイルに驚かされる。 IT/AIの業界ではシリコンバレーではなく深圳のほうが進んでいる領域が幾つもあるが、金融もそのうちのひとつだろう。TechFin企業としてのアントフィナンシャルの凄さはもとより、米国が中国を恐れる理由、中国の底力を理解できる良著である。 Posted by ブクログ 曹鵬程のレビューをもっと見る