デイヴィッド・ピリングのレビュー一覧

  • 日本-喪失と再起の物語 黒船、敗戦、そして3・11(下)

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    ネタバレ

    下巻では、高度成長期以後の特に若者世代と女性、アジアとの関係、震災後の新たな社会活動、安倍政権について取り上げている。丁寧なインタビューと活き活きとした筆致で、日本は様々な意見や考え方を持つ人々がいる多元的な国であることを描き出している。時々出てくる皮肉な物言いも面白い。
    型にはまった画一的なまとめかたをされた日本観や日本人像を鵜呑みにすべきではない、というメッセージが上下巻を通して届いてきた。

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    2015年02月07日
  • 日本-喪失と再起の物語 黒船、敗戦、そして3・11(上)

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    ネタバレ

    ファイナンシャルタイムズの日本支局長を務めたイギリス人である著書が、現在の日本が彼の目にどう見えているかを描いている。
    上巻では東日本震災、明治維新、敗戦からの復興、バブルとその崩壊、小泉劇場を扱う。多くのデータやインタビュー、著作を引用して、楽観・悲観どちらにも大きく偏らないよう気をつけている感じが伝わってくる。押し付けがましくなく、また突き放しもしない、ほど良い距離感で書かれていて参考になる。翻訳も読みやすくてよい。
    はかなく消えゆくものに美しさを感じる感性は日本人の「文化的連想」で説明ができる、つまり生来的に日本人に固有のものであるという説明を持ち出す必要はないのではないか、という指摘に

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    2015年02月01日
  • 日本-喪失と再起の物語 黒船、敗戦、そして3・11(下)

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    有名無名を問わず、あらゆる階層の日本人への膨大なインタビューと、詳細な情報に基づき、著者の巧まざる好奇心の赴くままに、日本と日本人を論評した日本文明論。
    失われた20年以降、自信を無くした日本人に、ちょっと楽観的かもしれないが、希望を持たせてくれる著述に好感を持ってしまう。
    経済的衰退は避けられないかもしれないが、国民一人当たりで計算すると、現在でも中国人より平均して八倍裕福である、と著者は、励ましてくれる。そして、「日本が非欧米圏の中で最も早く近代化に成功し、先進国の生活水準に追いついたという点で卓越したモデルを提供している事実に変わりない。」と述べる。
    さらに著者は、あとがきでこう助言して

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    2018年06月26日
  • 日本-喪失と再起の物語 黒船、敗戦、そして3・11(上)

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    新聞の書評欄で、2紙に同日に掲載されており、興味を持って購読。
    知日派の英国人ジャーナリストの日本文明論。
    東日本大震災のルポルタージュから始まり、刺激的な内容にたちまち読み進んだ。

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    2014年12月17日
  • 日本-喪失と再起の物語 黒船、敗戦、そして3・11(上)

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    面白いけど、思い込みインタビューが多い。
    藤原や飯島との対応は必要以上の揶揄が多く、不快な気分になる。
    対して自分寄りの意見は外見など褒めながらサラッと流して
    あまり公平感がなく、結論ありきの強引感がある。
    縦横無尽な勉強っぷりと、論理の組み立ては面白いのだけど…
    まあ、イギリス人だしな‼︎←偏見

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    2015年11月19日
  • 日本-喪失と再起の物語 黒船、敗戦、そして3・11(下)

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    通読したが、印象は上巻と余り変わらない。

    ステレオタイプな日本人論から離れたというが、ステレオタイプ以外の何物でもないように感じる。

    東アジアの隣国との関係において、共産党独裁の中国との関係はともかく、「同じ」民主主義国家である韓国との関係が悪いことが日本の歴史認識における特殊性を示す何かの指標であるかのような記述は、正に著者の浅薄な歴史認識を示す以外の何物でもない。

    こうして西洋至上的な史観は上塗りされていく。

    所々に現れる優越的な視点は、英国人特有の皮肉の表れと都合よく解釈されるのか?

    NYTに代表される自称中立的な欧米ジャーナリズムの常套的論説に触れるには、最適かも知れない。

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    2015年02月20日
  • 日本-喪失と再起の物語 黒船、敗戦、そして3・11(上)

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    好評判に期待して読んだのだが。

    リアルタイムの経済状況についての評価はまだしも、幕末以降敗戦までの近代史は表面的な知識を賢しらにひけらかすもので、読めたものではない。

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    2015年02月12日