今井宏平のレビュー一覧

  • トルコ現代史 オスマン帝国崩壊からエルドアンの時代まで

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    非常に読みやすく、ドラマチックで面白い。しかし内容は大変充実している。個人的な見解だが、本書はまさに新書らしい新書といえ、中公の歴史本では傑作の1つではないか?とさえ感じた。
    著者が若くて驚いたが、若さゆえ?の謙虚な(読者のことを考えた)姿勢で書かれたのだと思う。
    私が「黒海の国際関係」という本を読むにあたり、ほぼ無知だったトルコについて、政治史の概略を知ることができた。
    元来は(エルドアン前までは)エリート層や軍の主流が世俗主義者であったということが興味深かった。軍というと、私は勝手に保守的・伝統主義的なイメージを持っていた。だが、この国の保守主義とはケマルによる共和国建国の理念を堅持するこ

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    2021年03月21日
  • トルコ現代史 オスマン帝国崩壊からエルドアンの時代まで

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    【行進の足跡】文化や歴史については日本人の間でも何となく知られているトルコ。同国がくぐり抜けてきた波乱の現代史を振り返りながら,今日に到るまでの政治・経済・外交の歩みについて記した作品です。著者は,トルコへの長年にわたる留学経験も有する今井宏平。

    著者があとがきで述べているとおり,トルコの現代史に関する手頃な作品というのがあまりなかったため,新書という手軽な形でこのような本が世に出たことそのものが嬉しい限り。代表的な人物の写真等も掲載され,トルコについて勉強したいという方に,取りあえずオススメできる一冊でした。

    〜トルコ共和国のあゆみは,新たな国家建設の指針であった六本の矢との対話であった

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    2018年11月21日
  • トルコ現代史 オスマン帝国崩壊からエルドアンの時代まで

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    ネタバレ

    トルコ現代史

    オスマン帝国の滅亡から、トルコ共和国ができ現代までの歴史の変遷を丁寧に説明している。
    2002年に公正発展党が政権を握ってから、経済的に安定成長を続け、国際的にも存在感を強めつつある。
    最近はトルコ国内で多くの事件が起こり、隣国のシリアやイラクの混乱への対応、難民問題をめぐるEUとの関係などもあり、また公正発展党出身のエルドアン大統領と安倍首相との良好な関係、2014年末から15年初めに上映された日本とトルコの合作映画『海難1890』もあり日本でもトルコへの関心が高まっている。

    第一世界大戦で敗北したオスマン帝国は、条約によって解体されようとしていた。
    しかし建国の父、ムスタ

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    2017年06月28日
  • 権威主義:独裁政治の歴史と変貌

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    権威主義体制について正面から解説されている良書。他に類似の本がないので貴重。以前読んだ「市民的抵抗」と同じシリーズで、トピックが細かく区切られながら進んでいくので、非専門家でも読みやすい。世界の全地域(アフリカ、中東、南米が多いが)の情報が網羅されているのも良い。主に第二次大戦後の権威主義の様々な情報をデータ化し、統計的に分析している。

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    2024年06月25日
  • トルコ100年の歴史を歩く

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    トルコのイスタンブールはトランジットで数時間滞在しただけ。この先も多分先行くことはないだろう。トルコが建国100年ってことも知らなかったが、ウクライナ戦争あたりから、エルドアン大統領をニュースでよく目にするようになって、読んでみようか・・・となった本。

    普通にトルコといえばイスタンブールなんだが、首都はアンカラで、こっちが中心のお話で、これはこれでいい勉強になった。

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    2023年11月21日
  • トルコ現代史 オスマン帝国崩壊からエルドアンの時代まで

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    重厚で読み応えのあるトルコの現代史だった。三度にわたる共和制の成り立ちを丁寧に紐解いていて勉強になる。その中でも第三共和制から現在に至るまでが本書の主眼となっていて、文字通りのトルコ現代史を知ることができた。ところどころに挟まれたコラムも面白い。

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    2017年09月27日
  • トルコ現代史 オスマン帝国崩壊からエルドアンの時代まで

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    あまり馴染みの無いトルコについて建国から現在までわかりやすくまとめた一冊。政治と軍部の関係、世俗主義、そしてクルド問題などこれ一冊で概略がつかめる。何より著者が若いことにより驚愕した。

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    2017年06月03日
  • トルコ現代史 オスマン帝国崩壊からエルドアンの時代まで

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    トルコは来年、建国100周年を迎えるんですね。
    私が面白く読んだのは、エルトゥールル号事件について。せっかく明治の日本人がトルコの方々を助けてくれたおかげで、トルコは親日家の方が多いです。いつまでもこのいい関係を築いていきたいですね。
    もっとトルコのことを知りたいです。

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    2022年05月04日
  • 権威主義:独裁政治の歴史と変貌

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    日本語で権威主義体制について一般向けの書物はほとんどなく、本訳書が出たことは貴重なことらしい。
    権威主義体制について、軍事、個人、支配政党型に分類しそれぞれの特質を論じているのは興味深かった。近年は民主主義体制から移行する個人型が増加している。また、権威主義体制であっても民主主義の外形を持つようにしたり抑圧の仕方も公然としたものではなく目立たない巧妙なものに変化しているとのこと。

    基本的に第二次世界大戦以降の権威主義体制の状況に対する記述で、近年の学術的成果をまとめたものと思われる。権威主義体制の発生メカニズム・条件、経済成長との関係等が論じられている訳ではなく、その点物足りなさを感じた。

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    2021年10月23日