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  • ナショナリズムとは何か 帰属、愛国、排外主義の正体
    NEW
    -
    1巻1,210円 (税込)
    民族や国民をめぐる心の働きを強め、再生産するナショナリズム。 帰属意識、愛国心、排外意識の三つの顔をもつ。 世界で猛威をふるう排外主義・右派躍進の正体とされるが、なぜ同胞愛は憎悪に変わるのか。 なぜ民族紛争は再燃するのか。 経済不安との関係とは。 本書は国民国家誕生からの歴史を一望し、豊富な事例をふまえナショナリズムがいつ生まれ、社会に浸透し、私達の心を動かすかの全容を描く。 俗説を覆し、本質に迫る。 【目次】 まえがき 第1章 ナショナリズムとは何か 議論の概観 1 出現    ネーションはいつからあるのか  近代の社会現象  多様化し日常化するナショナリズム 2 定義 言葉の由来 「生まれ」  ①政治の意識として  ②政治運動のイデオロギーとして  日常的なナショナリズム 3 源泉 ①近代主義  ②民族象徴主義  ③政治や権力闘争 4 分類 「良いナショナリズム」と「悪いナショナリズム」? ナショナリズムとパトリオティズム 5 まとめ――プラスでもマイナスでもなく 第2章 ナショナリズムを構成しているもの 1 三つの意識 2 三つの意識の背景 社会学/政治学/心理学  着目点の違い  諸意識の実態  世界各国の実態  意識は時間とともに変わる 3 意識間の相互連関 愛国心と排外意識はいつ結びつくの?  個人的差異より社会的文脈が重要?  グローバル化の効果?  国のメンバーシップの性格? 4 まとめ――ナショナリズムの多次元性 第3章 何が帰属意識を強めるのか 1 ネーションへの帰属意識 地域主義との関係  複数のアイデンティティ 2 近代化と帰属意識の高まり 学校教育、鉄道  出版・印刷の普及  軍隊 3 現代文化と帰属意識 スポーツの祭典  FIFAワールドカップ  アフリカのサッカー選手権  ラグビーワールドカップ 4 帰属意識を高める政治 5 まとめ 第4章 何が愛国心とプライドを強めるのか 1 愛国心の多義性・多様性 愛国心をどう捉えているか  愛国心の国際比較 2 経済格差との関係 格差と貧困  政府の陽動 3 政治的動員・選挙との関係 選挙と動員 4 国際環境の影響 グローバル化の影響  国際紛争と脅威 5 文化表象としての音楽イベント 音楽の力  国歌と祭典 6 まとめ 第5章 何が排外意識と優越感情を強めるのか 1 経済不安よりは向社会性? 経済的な脅威  集団的な脅威  外国人比率の効果 2 政治状況と排外主義 ホモナショナリズム/フェモナショナリズム 3 隠れた反移民感情 文脈によって異なる「望ましい回答」 4 国際政治の影響 外交的緊張 5 まとめ 第6章 政治・経済への効果 1 公共財の分配 福祉への効果  多民族国家は不利なのか 2 シンボル操作の効果 国土・国旗という象徴と寄付  党派的分断を癒す 3 民主的な規範と政治信頼 民主主義を促すか  社会的な信頼と負担 4 経済や資源の開発 資源ナショナリズム  エコ・ナショナリズム/グリーン・ナショナリズム 5 まとめ――ナショナリズムの政治経済的効用? 第7章 暴力・紛争への効果 1 ナショナリズムと内戦 貧困と格差  政治的排除の回避  連邦制や選挙制度への効果 2 ナショナリズムと少数派の弾圧 暴力と流血が生まれる理由  東欧でのホロコースト 3 ナショナリズムと国家間戦争 国民国家と戦争の波  失地回復運動  言説枠組みの影響 4 ファシズムとセクシュアリティ 5 まとめ――ナショナリズムと暴力 終 章 ナショナリズムの実態を見る 1 何がわかっていて、何がこれからわかるのか 2 政治をめぐる意識の一つとして 3 おわりに あとがき 注記一覧 / 参考文献・出典
  • ナショナリズムと政治意識~「右」「左」の思い込みを解く~
    4.5
    1巻902円 (税込)
    グローバル化がますます深化拡大するなか、世界の政治は外国人排斥や反グローバリズム、そして時には戦争という、しばしば「ナショナリズム」と結び付けられる現象に彩られている。このような動きに対して「保守化」「右傾化」といった表現がされることがあるが、それは適切なのか?経済、環境、ジェンダーをはじめナショナリズムをめぐる政治イデオロギー間の関係性をときほぐすことで、現代社会の複雑な政治意識を明らかにする。
  • 権威主義:独裁政治の歴史と変貌
    3.5
    1巻2,475円 (税込)
    後退するデモクラシー ここ数年、民主主義に巣食うポピュリズムが大きな注目を集めている。ブレグジットやトランプ政権はじめ各国はデモクラシーに特有の病理に苦しめられているというわけだ。 他方、こうした潮流はいまや「民主主義の後退」として、新たな局面に入ったと捉えることもできる。 その際、鍵となる概念が「権威主義」である。 本書によれば、民主化の「第三の波」(ハンティントン)にもかかわらず、権威主義体制は依然として政治の日常風景となっており、現在、数において民主主義国が権威主義国を超えてはいるが、もしこの傾向が続けばその優位は逆転するという。 私たちは、好むと好まざるとにかかわらず、ビジネスパートナーや援助先として権威主義体制と関わり、また国内の権威主義化に向き合わなければならない地点に立っているのである。 民主化の波に洗われた権威主義は、より巧妙にアプローチしてくる。強権的でむき出しの暴力ではなく、柔軟かつ狡猾な統治がその最新版だ。 加えて、お馴染みの軍事独裁や一党独裁ではなく、個人独裁の比率が近年高まっており、その兆候になるべく早く気づくことが重要になってくる。身を守るための必読書!

ユーザーレビュー

  • ナショナリズムと政治意識~「右」「左」の思い込みを解く~

    Posted by ブクログ

    素晴らしくわかりやすかった。流石サントリー学芸賞受賞の学者さんの新書というクオリティ。ナショナリズム=右派というイメージが強いが、歴史的文化的な文脈においてはむしろ左派こそがナショナリズムを活用していたこともあるし、現代においても国や地域によって様々である。そして、左右とは何なのか、ということを一軸ではなく経済的な文脈(分配・平等か市場の自由か)と社会文化的な文脈(GAL-TAN)の二軸で捉える視点やナショナリズム意識を構成する意識の分類や相互関係など、メディアや一般的なイメージでは雑に捉えられているものが最新の研究の世界ではどのように整理され、探究が進んでいるのかよくわかって、これから参照す

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    2024年11月30日
  • 権威主義:独裁政治の歴史と変貌

    Posted by ブクログ

    権威主義体制について正面から解説されている良書。他に類似の本がないので貴重。以前読んだ「市民的抵抗」と同じシリーズで、トピックが細かく区切られながら進んでいくので、非専門家でも読みやすい。世界の全地域(アフリカ、中東、南米が多いが)の情報が網羅されているのも良い。主に第二次大戦後の権威主義の様々な情報をデータ化し、統計的に分析している。

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    2024年06月25日
  • ナショナリズムと政治意識~「右」「左」の思い込みを解く~

    Posted by ブクログ

    なかなか面白かったですね〜

    まぁ、ナショナリズムといわゆる「右」とか「左」ってどのように結びついてるかって話で、ざっくりと結論を言っちゃうといろいろあるよってことなんよ

    ナショナリズムひとつとっても色々な意味を内包していて多義的なんよね
    で、日本で言えばナショナリズムって「右」と密接に結びついてそうなイメージなんだけど、時代の移り変わりであったり、国によっては全然そんなことないよ
    ほんと色々あって、その色々を踏まえた上で考えるのが大事なんよってことなんよ

    特に印象に残ったのが、ナショナリズムとLGBT平等の関係性についてってところ
    みなさんはどんな印象を持つ?
    わいはそれって相反するイメ

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    2024年06月21日
  • 権威主義:独裁政治の歴史と変貌

    Posted by ブクログ

    日本語で権威主義体制について一般向けの書物はほとんどなく、本訳書が出たことは貴重なことらしい。
    権威主義体制について、軍事、個人、支配政党型に分類しそれぞれの特質を論じているのは興味深かった。近年は民主主義体制から移行する個人型が増加している。また、権威主義体制であっても民主主義の外形を持つようにしたり抑圧の仕方も公然としたものではなく目立たない巧妙なものに変化しているとのこと。

    基本的に第二次世界大戦以降の権威主義体制の状況に対する記述で、近年の学術的成果をまとめたものと思われる。権威主義体制の発生メカニズム・条件、経済成長との関係等が論じられている訳ではなく、その点物足りなさを感じた。

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    2021年10月23日

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