中井遼のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ナショナリズムとは、ネーション(国民、民族)による政治を重視する主義である。国民の政治に関わる意識、またそれを推進するイデオロギーの要素であり、また国民の生活の様々な場面で顔を出す国民にとって日常的なものでもある。
そのナショナリズムは帰属意識、愛国心、排外意識という3つの側面を持つという。その3つの側面に関して、それぞれ現在までの学会の研究成果に基づいて解説を加え、これまでナショナリズムについて持たれてきた一般的な言説の当否なども検討する。
また、ナショナリズムが実際の社会で政治や経済現象、国際社会での暴力や国内紛争の発生とどのような関わりがあり、またどのような時にどのような影響を及ぼしあう -
Posted by ブクログ
素晴らしくわかりやすかった。流石サントリー学芸賞受賞の学者さんの新書というクオリティ。ナショナリズム=右派というイメージが強いが、歴史的文化的な文脈においてはむしろ左派こそがナショナリズムを活用していたこともあるし、現代においても国や地域によって様々である。そして、左右とは何なのか、ということを一軸ではなく経済的な文脈(分配・平等か市場の自由か)と社会文化的な文脈(GAL-TAN)の二軸で捉える視点やナショナリズム意識を構成する意識の分類や相互関係など、メディアや一般的なイメージでは雑に捉えられているものが最新の研究の世界ではどのように整理され、探究が進んでいるのかよくわかって、これから参照す
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Posted by ブクログ
ナショナリズムは多くのイデオロギーとともに近代に生まれた概念。ナショナリズムが台頭している背景にはそうでない国が戦争に敗れて消滅しているから。その意味で国家の数は徐々に減少している。
ナショナリズムは本質的に同胞愛などの正義と結びつくため危険である(主観的正義)
グローバル化は世界のと競争が促されるためグローバル化が進む国ほどナショナリズムは強く働く。
ナショナリズムは近代化とともに醸成される。教育、軍隊、鉄道、出版の普及。
ナショナリズムは帰属意識、愛国心、排他主義の3つの要素から成る。
帰属意識は必ずしも自国を肯定するものではない。
経済格差を国内から問題の目を逸らせるため政府は愛国心を煽 -
Posted by ブクログ
なかなか面白かったですね〜
まぁ、ナショナリズムといわゆる「右」とか「左」ってどのように結びついてるかって話で、ざっくりと結論を言っちゃうといろいろあるよってことなんよ
ナショナリズムひとつとっても色々な意味を内包していて多義的なんよね
で、日本で言えばナショナリズムって「右」と密接に結びついてそうなイメージなんだけど、時代の移り変わりであったり、国によっては全然そんなことないよ
ほんと色々あって、その色々を踏まえた上で考えるのが大事なんよってことなんよ
特に印象に残ったのが、ナショナリズムとLGBT平等の関係性についてってところ
みなさんはどんな印象を持つ?
わいはそれって相反するイメ -
Posted by ブクログ
日本語で権威主義体制について一般向けの書物はほとんどなく、本訳書が出たことは貴重なことらしい。
権威主義体制について、軍事、個人、支配政党型に分類しそれぞれの特質を論じているのは興味深かった。近年は民主主義体制から移行する個人型が増加している。また、権威主義体制であっても民主主義の外形を持つようにしたり抑圧の仕方も公然としたものではなく目立たない巧妙なものに変化しているとのこと。
基本的に第二次世界大戦以降の権威主義体制の状況に対する記述で、近年の学術的成果をまとめたものと思われる。権威主義体制の発生メカニズム・条件、経済成長との関係等が論じられている訳ではなく、その点物足りなさを感じた。