市古貞次のレビュー一覧

  • 新訂 方丈記

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    身の程を知り、何事にもしがみつかず、自然を愛で、足るを知る生活。
    が、多くは「無常」に耐えられなかったのか、余剰生産は搾取を生み出し、もはや引き返せないようになった。

    現代の無常観は、「行く川のながれは絶えずして、しかももとの水にあらず」ではなく、「行く川のながれは絶えずして、ほぼもとの水である」という、無常というより空虚に近い。
    同じ「むなしい」でも今と昔ではその意味が異なる。

    鎌倉時代、大きな火事、嵐、地震を通して、鴨長明は「完全なものなんてねぇな」って思って、無常を知り、足るを知った。
    が、現代(の一部)では、そういったことが起きた時に、「完全なものをつくるしかねぇな」と思っている。

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    2012年06月12日
  • 新訂 方丈記

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    下鴨神社に行って帰ってきて読みました(鴨長明の「方丈」がある)。

    無常観が貫かれていて、読んでよかったです。
    疲れたときにはここに戻ってこればいいんだ、という安心感
    いろんなものを捨ててね。
     
    下鴨神社は糺の森の雰囲気と合わせて、高野山に似てました。

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    2012年04月29日
  • 新訂 方丈記

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    これは時間論であり、都市論であり、建築論だ。歴史の勉強をしながらゆっくり読みたい。誰かに読んでほしい。渋み含んだ重い声の人なんかに。

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    2010年12月18日
  • 新訂 方丈記

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    実はすごく短くて、あっという間に読み終えることができる。
    脚注とか全く見ずに読んだから内容はざっくりとしか捉えてない。
    むしろ文章のリズムとかを楽しんだ感じ。

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    2010年11月14日
  • 新訂 方丈記

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    この本は、読んだ年齢によって大きく印象が変わるのではないかと思った。
    著者の万物流転、諸行無常で何をか栄華を望まんや、という姿勢は、今の時代においては「負け組」の発想を容易に連想させる。
    著者の、才覚が筆致から溢れるような、現代でも無駄のないと感じるテンポのいい叙述で物事への執着心の無常を説く心の裏には、
    彼の出自を絡めてみると、どうにも若き日の栄達を阻まれた世間への憾みが見え隠れするように読める。
    これは自分が20代であるからなのかもしれない。
    注釈も初心者に便宜的で、原文自体が平易な短文なので、初めて日本の古典に親しむという目的なら適切。

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    2009年10月04日
  • 新訂 方丈記

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     文章の調子がとてもいいです。冒頭の部分は名文として名高いそうです。
    「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまるためしなし。」
    声に出して読んでみるのもいいかもしれません。美しい文章です。
     比較的平易な表現で、全体も短いので読みやすいと思います。古文でなにか読んでみたいけれど、難しそうでなかなか手が出ないというような人にお勧めです。

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    2009年10月04日
  • 新訂 方丈記

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     この歳になって、これほど有名な作品も通読したことがなかったというのは恥ずかしい限りです。今回は鎌倉期の随筆、鴨長明の「方丈記」。岩波文庫で薄かったので手にとってみました。
     現代語訳はついていないのですが、和漢混淆文である上に注釈も適切だったので、私レベルでも何とかかんとか(最低限の)意味はとれたかなという感じです。
     しかしながら、解説や注釈によると、その中に古今の古典・漢詩・和歌等に由来する表現が数多く散りばめられているとのこと。当然のことながら私のような薄学では思いも至らず、作品の理解という点では全く不十分、その楽しみも半減以下という体たらくです。

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    2011年11月05日
  • 新訂 方丈記

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    突然古典が読みたくなる時期が一年に一度くらいやってくる。
    とりあえず岩波文庫の黄色のコーナーをひとしきり見渡して選んだのがこれ。
    有名だし短いし読みやすいし中身は濃いしで、古典が読みたい願望をみごとにかなえることができました。感謝。

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    2009年10月04日
  • 新訂 方丈記

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    悩み、遁世し、それでも悟りきれず。
    なんとなく親近感を感じつつも、その厭世観は鵜呑みにはできないな、と。
    小賢は山陰に遁し、大賢は市井に遁す。
    とりあえず、26歳の感想として。

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    2009年10月04日
  • 新訂 方丈記

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    一度読んでみようと思っていたのですが、こんなに短いとは思いませんでした…。
    読む前は飄々とした感じなのかと思ったら、現状を遠い視点でうつくしく描きつつも寂しさが透けて見えるようで、哀れをさそいます。多分鴨長明はそんなこと思われると思ったら発表しなかったんじゃないのかなと思う。それくらい人間性が分かるエッセイ。文章は美しくて、読んでいて気持ち良いです。

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    2009年10月04日