山口謡司のレビュー一覧
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初めて手にした時から、読み終えるのに長い時間を要したのは何故か、考えてみた。というのも、読み終えた今、なかなか面白い内容だったと思ったにも関わらず、途中ずーっと読まずに放置していたから。
考えてみたら、このところ、雑踏の中にいても、電車の中にいても、人々の話し声を聞かなくなってしまった。突然耳に届くのが外国語だったりすることがよくある。「表現する」っていうのは、書き言葉だけで完結するものではなくて、音声や身振りも含まれるわけで、その辺りのバランスが自分の中で崩れてきているからだと気づいた。
そういう意味からして、今回この本を読み終えたというか、再読したのはとても良かった。
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<目次>
はじめに 1000年に一度の改革期
第1章 あ″い"う"え"お″の誕生
第2章 学校が教えない「あいうえお」の秘密
第3章 国語の授業は謎だらけ
第4章 濁音の不思議
第5章 五十音図の功罪~忘れられた「いろは歌」のこと
<内容>
マンガで書かれる「あ゛」や「き゜え″~」」の表記。そこには通常の「あ」や「きえ~」では表現できない感情が込められている。そこからスタートして、「五十音図」の由来や歴史(つまり、五十音図を使わないといけなくなったわけ=方言では戦争時に話が通じない…)などを解いていく。納得の話だ。ただ第3章で、高校の国語の指導要領が変 -
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<目次>
第1章 日本語の増殖
第2章 万葉仮名で書く日本語
第3章 「かな」前夜
第4章 清なる世界が創られる
第5章 言葉は曼荼羅
第6章 訓点と濁点
第7章 言葉遊びの文化
第8章 みんなで極楽へ
第9章 キリシタンと濁音
第10章 江戸と濁音
第11章 言葉は科学である
第12章 濁点のの研究
<内容>
日本語の歴史について、多くの著書を持つ著者。今回は「濁点」(半濁点)について、その発音から始まり、表記についてまで、日本史の流れの中でまとめてある。途中、空海など脱線があるように見えるが、必要なものだったらしい。結論を書くと、濁点を表記することはなく、日本語に