鶴原吉郎のレビュー一覧
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クルマのビジネスモデルが大きく変わる
所有からサービスへ
Ⅰ.クルマの課題 ①交通事故死②CO₂③小売りの変革
実用価値⇒情緒価値エンターテインメント性
ハイブリッド車は元が取れない
イニシャルコストに寛容
ランニングにはシビア
Ⅱ.2040年までにガソリン・ディーゼル車を禁止
中国は世界最大のEV大国 2017年80万台
水素車FCVは扱いにくい
Ⅲ.自動運転 ①LiDAR②カメラ③ミリ波レーダー
5G通信
5つのレベル 高速道路から 一般道は30年
Ⅳ.サービス化をめざす MaaSモビリティ
電動化 自動化 コネクテッド化→通信が不可欠
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現在、急速に進行している「所有から利用、モノからサービス」をいくつものレイヤーから構成される「複層的な価値形成」と定義して、自動運転を支える様々な技術の解説から自動運転が既存の自動車産業や関連する他の産業にどのように変化をもたらすかを考察します。
エレベータで低層と高層の価値が逆転した話が特に興味深く読めました。地方では駐車場の必要性から、駅前の商店街の価値が低下して、広い駐車場が確保できる、ロードサイド(郊外)の価値が高くなって、間延びした街が形成されています。また、東京のような都会では、まだまだ駅近に価値があります。それらが、自動運転で駐車場が不要になると、街の形態がどのように変化するのか -
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インターンに際し、EVの勉強をするために読んだ。なぜ今車が100年に一度の転換期と言われているのかその理由が分かった。車が所有するものからサービスとして利用するものに移行しつつあるかもしれない、ということである。
昨今の電気自動車の流行に疑問を持っていた自分にとって76〜78ページまでの記述はまさに自分が知りたかったこと、すなわち、電気自動車はエコではなく、ガソリン車の方がエコではないか。という言説に対する反論はかなり面白かった。火力発電の割合の多い日本では電気自動車の利用がかえって二酸化炭素排出量を増やしてしまうのではないかという懸念だが、現時点ではそれが正解だとしてもそういった正誤判定が大 -
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■目的
自分が勤めている業界の動向(何が起きていて、この後どうなるのか?)をざっくりと理解しておきたかった。
■要旨
・車を「所有」してもらうビジネスを続けるには、「機能的価値」ではなく、「情緒的価値」に重きを置かなければならない。
・現在の自動車業界はこの「情緒的価値」を高める努力が為されていない
・「情緒的価値」を高めるには
①電動化
②自動化
③コネクティッド
の力を高めることが大事。
■参考になった点
・車は外貨稼ぎの大黒柱。海外に売るだけではなく、現地に工場を作ると、そこで生まれたお金がまた、国内に還流して来る
・「EVが流行らない理由」に対する反論
①EVはエコでは -
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自動車業界での大きな流れである電動化、自動運転、コネクテッド化について、その巨大なインパクトが語られていた。
自動車産業はもはや日本経済をほぼ一本足で支える存在であるが、高まる環境規制の中で日本企業が得意とするハイブリット車を閉め出してEVを主戦場とする流れが作られた。テレビ事業の液晶化の流れにビジネスモデルを対応させられなかった家電業界の轍を踏まぬよう、オープンイノベーションや外部連携を積極的に進める必要がある。環境性能車の一分野として認められている燃料電池車における優位性を発揮するためにも、逆説的ではあるが、技術を囲い込まずにオープンにすることで普及を促す戦略が必要である。
自動運転は、カ -
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自動車業界を揺るがす CASE の激震を、主に電気自動車の観点から詳説し、自動運転とコネクティッド、シェアリング・エコノミーについても後段でそれぞれ触れる。
自動車産業における EV をテレビにおける液晶ディスプレイと比較して分析したところは秀逸。「液晶にみながこぞって投資したのは、それが優れた技術だったからではない。既存のブラウン管技術が無くても新規参入できる領域だったからだ」と喝破。逆に既存のブラウン管技術や垂直統合に固執した TV メーカーは、水平分業で大量生産されることで劇的に値段が下がり続ける液晶 TV の前に破れ去った。自動車業界とバッテリーパックの間では、同じことが起きるのか? -
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自動車部品業界に勤務していますので、自動運転がいつごろ実現するのか、また自動運転は人間が行う運転と比べて何がどう変わるのか、特に自動車部品に与える影響についてとても興味があります。
特に私が社会人になってからの30年は、私の取り扱っている部品(潤滑油)の高機能化・性能化・耐久性向上が開発のテーマであったといっても過言ではありません。この本では自動運転が進むことで影響が受ける業界を、二つに分けて、伸びる業界と消える業界に分けて解説しています。
オートフォーカス・フィルム自動巻き上げのカメラができて、特定の技術は不要になりましたが、今でも多くの人が写真を撮ることは続けています、カメラで撮ること -
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ネタバレ・日産自動車は、2016年から2020年にかけて段階的に、自動運転技術を導入することを2014年7月に表明した。この計画によると、2020年には高速道路、一般道路を含めて人間の操作がほぼ不要な自動運転が実現する見通しだ。世界で最も自動運転の技術が進んでいると言われている米グーグル社は、すでにステアリングもアクセルもブレーキもない実験車両を試作し、テスト走行を始めている。自動運転の技術は遠い夢物語ではなく、近い将来の現実の世界の話なのである。
・①交通事故の激減、②交通渋滞の解消、③電気自動車の普及によるCO2排出量の大幅な減少、④少子高齢化社会への対応、⑤物流コストの大幅な低減と人手不足への -
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ネタバレ自動運転が破壊的イノベーションであることを物語にしている。読んだ時点(2017/3/31)では、ちょっと古い本だが、書いてあることは至極まっとう。シナリオ予測本なので、技術一つ一つの考え方が100%あっているわけではないが、総論として、自動車産業がやばいということで、異論はない。深みのある本ではないが、重要なことを言っている。
自動運転だから、EVが来る!、ということ。電動化が進展するのは規制ではなく、エンドユーザーのニーズにあるのだ。ロジックとしては、自動運転車=ロボタクシー/自動配車シェアカーなので、車という移動体を所有するのは個人ではなく、サービサーになる。となると運用ががらっと変わる