金子薫のレビュー一覧

  • アルタッドに捧ぐ

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    献本企画でいただきました。文藝賞受賞作です。 幻想と現実が入り混じった小説家の卵のお話。どこからが幻想でどこまでが現実なのかわからない。すべてが妄想なのかもしれない。きっとどちらでもよいのでしょう。哲学ぶって、理屈をこねくり回しているだけかもしれないけれど、無為に過ごす日々がいつか有為になるかもしれない。ならなかもしれない。それすらもどちらでもよいのでしょう。只々すごく雰囲気のある小説でした。その分、好き嫌いが分かれるかもしれません。

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    2014年12月08日
  • アルタッドに捧ぐ

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    小説家を目指すニート青年が原稿用紙から飛び出してきたトカゲもどき(ファンタジー作品の動物なので実在はしない)の世話をする話。
    原稿用紙から実際に飛び出してくるからファンタジーかと思いきやそこから事件が起きたり話が展開したりするわけではなく、主人公もそれを当然として受け止めているのでファンタジーではない。
    持って回った言い回しや凝った文章を書きたい青年の妄想録のような文章は面白かったが、ストーリーがない。
    登場人物は自分と創作作品のキャラと元カノだけで、行動範囲は基本的に家の中だけで世界がとても狭く感じた。


    創作作品の描写は細かくて情景が浮かぶような文章力はあると思うけど、分かりやすい話が好

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    2014年11月20日
  • アルタッドに捧ぐ

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    成熟した文章表現と
    あまりに幼い主人公の思考とのアンバランスさ。
    主人公は学生なのだから考え方が幼くても
    不思議はないのだけれど、
    計算されてのことだとするとすごいな、と。
    自分の創作した世界の顕在化は
    創作する者にとっては一度は夢見ることだと思う、
    それを或る意味で実現させたわけですね。
    ”書くこと”に対する考え方に関してはあまり共感できない、というか、
    なんだか十数年前の自分の日記を読み返しているような気恥かしさがあった。
    それを踏まえて10~20年後、アルタッドと本間のその後を書いていただきたい。

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    2014年12月16日
  • アルタッドに捧ぐ

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    今年の文藝賞受賞作。献本企画で頂き、光栄にも
    読ませて頂きました。

    難解なお話、というのが最初の印象。

    読み進めてゆくと、村上春樹さんの
    「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」
    をどういうわけか思い出しました。
    作者様がお好きなのかもと、ふっと考えついたり。

    主人公は、何故か物語の中で死んでしまった人物から
    アルタッドというトカゲを譲られます。

    自ら紡ぐ物語の中からやってきたトカゲ。
    アルタッドとの、現実か夢のあわいか…と思うような生活。

    そういう側面を見れば、これはもちろんファンタジーで。

    主人公が小説をものしようといろんな着想や言葉、
    世界観を自分の中で形にしようとす

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    2014年11月13日
  • アルタッドに捧ぐ

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    献本企画で読ませていただきました。うーん、正直言ってなかなか作者の世界に入れませんでした。アルタッドがとても魅力てきなのは伝わりましたが、カタカナや凝った表現が私的には邪魔になって、あまり入り込めませんでした。作者の力は感じましたが。つぎはもう少し気負いない作品でお目にかかりたいです。

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    2014年11月04日
  • アルタッドに捧ぐ

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    文藝大賞の献本企画でいただいた。

    主人公の書く小説の中から出てきた(と表現していいのかどうか?)トカゲのアルタッドとの生活。比喩表現なのか何なのか、非常に不思議で幻想的な雰囲気の小説で、それが夢なのか、現実なのか、生活のスパイスの比喩表現なのか、そもそもファンタジー要素でアルタッド実際にいるんじゃないかとか、いろんな考えが頭をもたげる。
    アルタッドが妙に可愛いし雰囲気は好きだけど、巧みな表現方法が全体に及んでいて、国語の授業中にやった「この比喩表現は何を言っているのでしょうか」という課題をひたすら投げつけられているような気分になって結局の所なんだったのかよく分からないままに読んでいた。

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    2014年11月02日