きむらじゅんこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
速水くんは「変わり始めた自分」に対する不安を持っている。(変わりたいと思っていないわけではないけれど)(自分のキャラクターとは違うけれど)この変わり方で良いのか─その意識を実は僕も持つことがある。彼の答えは自分の「居場所」(自分そのものではない)を認識することだった。つまりそれは,自分の中で,自分が配役された物語に参加することでもある。
彼の不安の源とは何だったのだろうか?おそらく,物語がわからないこと,そこに参加して良いかどうかわからないことがあったのではないだろうか。同じ不安を抱えていたとしたら,僕に必要なのは,自分がいる物語なのだろう。
彼は,親が不在で愛されていないと思い込んでいたが,孤独だったわけではない。軍隊という組織の中で定義されていたわけで,物語がなかったわけではない。おそらく一頃より物語が複雑になって理解しくくなったからなのではないか。よく言われていることだかど。
外に物語が見つからなければ自分の内に求めるしかなくなってしまう。そうなってくなると,自分という物語を否定されることを恐れてしまい,臆病になってしまうのだろう。最後の一線である自分(しかいない物語)は自分しか守れないから。自分の外に物語が見つかれば自分を守る必要がなくなる…そんなことが頭をよぎったりした。
ちなみに「日常」とあるものの,前半はとりたてて日常を特に感じさせなかった。世界のあり方が非日常であり,彼らにとってはそれが日常だからだろう。後半は「普通の暮らし」が垣間見れて,微笑ましい。