原書のタイトルは『blown to bits』、その後にyour lifeやらhapinessやらと続く。つまり、デジタルにより幸せの既成概念が崩れ去るという事。bitsは、断片などの単位的な意味だが、ここではコンピュータの情報単位であるビットとかけているのだろう。中々示唆的で挑発的なタイトルだ。何故、デジタル講義という和訳になったのか。ややチグハグな感じがする。
例えば、ハイアービューという会社が採用面接に活用可能なアルゴリズムを開発。応募職種にふさわしいか否か、共通しているパターンを検知するが、すでに面接の現場で使われているらしい。アルゴリズムの透明性が確保されなければ、経験則から差別を...続きを読む 助長する。過去に似たような出自や学歴、民族、話し方をしていた社員が使えない奴だったなら、ソックリさんは理由なく不採用になるわけだ。アルゴリズムは企業ノウハウとして明かされない。
また、今日、検索エンジンの検索結果に表示されなければ存在すらしないに等しいという価値観が根付き始めた。ググった結果がエビデンスであり、そこに無ければ、本当にあるのか、不安になるだろう。地名、お店、社名、商品、言葉、情報そのもの。
更に、クリアビューAIという企業がFacebookを始めとするソーシャルメディアで集められた何十億枚もの写真を活用した仕組みを構築し、セキュリティ会社や法的機関にも利用されている。
これら以外にもセキュリティ、著作権問題、ネット犯罪などなど。既に幅広く生活に取り込まれ、監視され、見分けられ、判断され、依存している。最早、これらから遮断、離脱した原始的な生活には戻れない。そして更に人類のデジタル化は不可逆的に加速していくのだろう。その結果、辿り着く場所はどこか。我々はどうなっていくのだろうか。