泉秀一のレビュー一覧
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面白かった。外国人という記号や、異なる人種として一括りに見てしまっていたが、彼らにも当然人生があることに思いいたれた。人生背負っている分、大人だよ。最後に書いてあったように、人を理解しようと思い行動することが、社会の形を変えて行くんだ。とても素敵にまとめた文章があったので、ここに引用させていただきます。
「誰かを知ろうとすることは、世界を少しだけ優しくする行為だと信じている。完全に理解することはできなくても、その人の背景に想像を巡らせること。その存在を、数字や記号ではなく、自分と同じ一つの人生として感じ取ること。それだけで、世界の輪郭が少し変わる。一人ひとりの世界の輪郭が変わると、いつしかそれ -
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熱心な駅伝ファンではないが、1月2日、3日はつい観入ってしまう。
2区は特に。
いや、2区だけに注目している、といってもいいかも。
そんな天邪鬼な自分。
淡々と表情を変えずに走る留学生ランナー。
区間記録を出してインタビューを受ける。
片言の日本語。
普段の生活はどんな感じだろう。
◯◯高出身とあっても、日本の高校生とは全く違う生活を送ってきたのは容易に想像できてしまうが、誰も話題にしないはなぜか。
彼らも人であり、故郷には家族がいる。
遠くの国からやってきて、周りの子達とうまくやれているのか。
ゴール直後の様子を観察しながらそんなことを思う。
どんなに素晴らしい記録でも、さほど話題にならな -
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近年箱根駅伝に数多くエントリーし好記録を連発してきた留学生ランナーたち、そのほとんどは東アフリカのケニアの若者たちである
本書はそのケニア人ランナーたちにスポットをあて、「助っ人ランナー」という記号ではなく、それぞれが持つ「物語」を感じさせる一冊となっている
まず自分が衝撃を受けたのは、故郷のケニアでインタビューに答える若者を写した写真である
Σ(゚Д゚)
「パーカー着てるやん!」
そう、ケニアは涼しいのだ!
赤道直下の国ではあるが、一部に平野はあるものの国土の大部分は標高1.100〜1,800mの高原となっており、平均気温は26℃
日本の夏のがよっぽど暑いいやもう熱い(STOP温暖 -
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ネタバレ箱根駅伝のケニア人ランナーはとても足が速い。ケニアの中でも箱根駅伝にぴったりの速いケニア人を日本人が留学生として連れてくるのだ。ケニアでは、足が速いと将来ランナーになることを期待される。農村部では、依然として多くの住人が貧困ライン以下だ。子供を小学校に通わせられない家庭もある。その中で走りが速いと成功者の例であったように一年でケニアの平均所得の五〜十倍以上を稼げる。しかし、教育を得ないまま若くして日本へ来て大金を稼いでどうなるか。お金の使い道もわからず使い切ってしまう。競技力ではなく、教育や家庭環境で差がつき、日本で学んで大学へ行く人と落ちぶれる人が出てしまう。子供の頃から足が早いとランナーに
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丹念な取材に基づく出色のドキュメンタリーです。
私は、箱根駅伝の大ファンですが、著者が指摘するように、「ケニア人ランナーについてほとんど知らないこと」を気にもしていませんでした。池井戸潤の『俺たちの箱根駅伝』にも描かれているように、日テレのスタッフは駅伝をドラマにするために出場選手について入念な取材をし、それを中継で紹介しています。しかし、思い返せば、ケニア人ランナーについてその生い立ちやランナーとしての歴史が語られることはまったくありません。ケニア人ランナーは箱根駅伝というドラマのキャストとされていないのです。
本書の帯に書かれているように「生きるためには走るしかなかった」ケニア人ランナ -
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正月のこたつで「あ、留学生速いな〜」なんてお餅食べてる裏側に、あんなに濃密で、切実で、ちょっとヒリつくようなドラマがあったなんて、、、
まず、彼らにとっての箱根は「青春」じゃないんですよ。
もちろん青春なんだけど、その中身は「一族の運命を背負った出稼ぎ」なんです。
ケニアの村の期待を全部背負って、言葉も通じない、雪も降る日本にやってくる。彼らのタスキには、物理的な重さ以上の「人生」が食い込んでるんですよね。
でも、この本の素晴らしいところは、彼らを「悲劇のヒーロー」だけで終わらせないところ。日本人の監督がどう彼らと向き合い、時には「勝つための道具じゃないか」と自問自答しながら、泥臭い信頼関係を -
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非常に興味深く読みました。
エティーリ選手が初めて箱根予選に参戦した際、惜しくも東京国際は出場権を逃しました。あの時、周りの選手のあまりの嘆きっぷりにエティーリ選手が浮かべていた戸惑いの表情はとても印象的でした。
「生きるためには走るしかなかった」と帯にありましたが、あの瞬間からもう一つの理由が加わったと思います。
貧困からの脱却と箱根出場へのプレッシャー。本当によく頑張ってくれたと熱くなりました。
それにしても、そうか、学生という立場でも稼げていたのかとそれは新鮮な驚きでした。「助っ人」と呼ばれる意味がわかりました。
一番興味深かったのは留学生を受け入れることにした監督達の話。
特に上田