あらすじ
ごぼう抜きランナーたちの素顔に迫る
生きるためには走るしかなかった――
箱根駅伝「花の2区」を駆け抜けたケニア人留学生たちのドラマ。
箱根駅伝のエース区間「花の2区」を誰よりも速く駆け抜けたにもかかわらず、私たちは彼らの家族、兄弟、故郷、友人、そして来日の方法などについて何ひとつ知らない。正月のテレビ画面に「見えている」のに「視えない存在」――ケニア人留学生の謎を追ってアフリカの大地を訪ね歩いた。
●箱根2区の区間記録保持者、リチャード・エティーリの素顔
●マラソン五輪金メダリスト、元仙台育英のサムエル・ワンジルの死
●陸上ファンの間で疑問視されてきた謎の高校「ガル高校」の真相
現地取材で徹底レポート。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ケニア人留学生は「助っ人」でも「走り屋」でもない。
他人より速く走れるという己の才能を信じ、それだけを武器に異国の地で努力を続ける「陸上選手」だ。
今や箱根駅伝に欠かすことの出来ない要素の一つとなった、彼らの歴史や生い立ちを視れる素晴らしい一冊。
駅伝ファンにおススメの書
日本では箱根駅伝での活躍が目立つケニア人ランナーが、どのような経緯で来日しているのか、その歴史や選手たちの暮らし・素顔を取材した力作。今まで、一人ひとりのケニア人ランナーのパーソナリティーに注目することは、ほとんどありませんでしたが、これからはその見方が変わりそうです。特に、この作品に登場するトヨタ自動車のカロキ選手のファンになりました。
Posted by ブクログ
海を超えて日本にまで来て走る彼らのバックグラウンドに触れる良本。特にガル高の話は面白かったし、こうやって海外に出ていった人たちの話は好物です。
Posted by ブクログ
箱根駅伝で見る留学生ランナーたち
日本で走るようになった歴史や強さの秘密が学べる
何より、日本でランナーとして活動するのが、貧困を抜け出すための一つの大きな手段となっていることを知った
圧倒的強さを誇る彼らだが、日本まで来た背景を知れば応援する気持ちが強くなると思う
Posted by ブクログ
非常に興味深く読みました。
エティーリ選手が初めて箱根予選に参戦した際、惜しくも東京国際は出場権を逃しました。あの時、周りの選手のあまりの嘆きっぷりにエティーリ選手が浮かべていた戸惑いの表情はとても印象的でした。
「生きるためには走るしかなかった」と帯にありましたが、あの瞬間からもう一つの理由が加わったと思います。
貧困からの脱却と箱根出場へのプレッシャー。本当によく頑張ってくれたと熱くなりました。
それにしても、そうか、学生という立場でも稼げていたのかとそれは新鮮な驚きでした。「助っ人」と呼ばれる意味がわかりました。
一番興味深かったのは留学生を受け入れることにした監督達の話。
特に上田元監督の話はもっと詳しく読みたかった。
そして世羅高校の経緯は意外でした。テレビにて住民の方々があたたかく迎えている事は存じ上げておりましたが。
続編があれば是非。
Posted by ブクログ
お正月は箱根駅伝、と子どものころから決まっていた。
毎年、1月の2日・3日は半日テレビが駅伝に固定される。
物心ついたころから、箱根の2区は留学生ランナーがごぼう抜きの大活躍をし、一気に順位を上げる(そして、そのあとに順位を落とす)ところだった。
あまりに「そういうもの」だったので、その背景に何があるのかまで、今までさっぱり思い至らなかったなということに気付く。
箱根駅伝と実業団という日本の特殊な環境が、ケニアでこんな影響を及ぼしているとは。貧困層から抜け出す手段になっているとか、日本での給与で十分豪邸が建つとか、言われてみればそうだよね、という内容がしっかり取材・調査した内容をベースに書かれていて、どれも興味深かった。
最初にケニアの選手を日本に招くスキームを作っていくあたりは、なんというか…昭和ならではのある種の乱暴さと勢いがあって、それはそれで興味深い。
ケニア選手を招いた日本の学校の関係者(監督とか)にもインタビューしていて、そのあたりも面白かった。単純にはいかないよね。
著者自身も、ランナーに対する見え方が変わったと書いていたけれども、多分来年の箱根駅伝ではちょっと違った想いを持って、これまでと同じように応援すると思う。