【感想・ネタバレ】アフリカから来たランナーたち 箱根駅伝のケニア人留学生のレビュー

あらすじ

ごぼう抜きランナーたちの素顔に迫る

生きるためには走るしかなかった――
箱根駅伝「花の2区」を駆け抜けたケニア人留学生たちのドラマ。

箱根駅伝のエース区間「花の2区」を誰よりも速く駆け抜けたにもかかわらず、私たちは彼らの家族、兄弟、故郷、友人、そして来日の方法などについて何ひとつ知らない。正月のテレビ画面に「見えている」のに「視えない存在」――ケニア人留学生の謎を追ってアフリカの大地を訪ね歩いた。

●箱根2区の区間記録保持者、リチャード・エティーリの素顔
●マラソン五輪金メダリスト、元仙台育英のサムエル・ワンジルの死
●陸上ファンの間で疑問視されてきた謎の高校「ガル高校」の真相

現地取材で徹底レポート。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

箱根駅伝のケニア人ランナーはとても足が速い。ケニアの中でも箱根駅伝にぴったりの速いケニア人を日本人が留学生として連れてくるのだ。ケニアでは、足が速いと将来ランナーになることを期待される。農村部では、依然として多くの住人が貧困ライン以下だ。子供を小学校に通わせられない家庭もある。その中で走りが速いと成功者の例であったように一年でケニアの平均所得の五〜十倍以上を稼げる。しかし、教育を得ないまま若くして日本へ来て大金を稼いでどうなるか。お金の使い道もわからず使い切ってしまう。競技力ではなく、教育や家庭環境で差がつき、日本で学んで大学へ行く人と落ちぶれる人が出てしまう。子供の頃から足が早いとランナーになれと将来を決められてしまう雰囲気も、家族が子供に将来を賭ける環境もどこか苦々しく思える。なんにしろ、義務教育程度の教育を受け、礼儀正しくあれば、どんな外国人でも箱根駅伝で走ってくれてかまわない。箱根駅伝を走るケニア人が学校に通い、健やかに育ち、教育を受けた両親に学び、無理せず生活することを祈るばかりだ。

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2026年03月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

お正月は箱根駅伝、と子どものころから決まっていた。
毎年、1月の2日・3日は半日テレビが駅伝に固定される。
物心ついたころから、箱根の2区は留学生ランナーがごぼう抜きの大活躍をし、一気に順位を上げる(そして、そのあとに順位を落とす)ところだった。

あまりに「そういうもの」だったので、その背景に何があるのかまで、今までさっぱり思い至らなかったなということに気付く。

箱根駅伝と実業団という日本の特殊な環境が、ケニアでこんな影響を及ぼしているとは。貧困層から抜け出す手段になっているとか、日本での給与で十分豪邸が建つとか、言われてみればそうだよね、という内容がしっかり取材・調査した内容をベースに書かれていて、どれも興味深かった。

最初にケニアの選手を日本に招くスキームを作っていくあたりは、なんというか…昭和ならではのある種の乱暴さと勢いがあって、それはそれで興味深い。
ケニア選手を招いた日本の学校の関係者(監督とか)にもインタビューしていて、そのあたりも面白かった。単純にはいかないよね。

著者自身も、ランナーに対する見え方が変わったと書いていたけれども、多分来年の箱根駅伝ではちょっと違った想いを持って、これまでと同じように応援すると思う。

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2026年01月15日

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