あらすじ
ごぼう抜きランナーたちの素顔に迫る
生きるためには走るしかなかった――
箱根駅伝「花の2区」を駆け抜けたケニア人留学生たちのドラマ。
箱根駅伝のエース区間「花の2区」を誰よりも速く駆け抜けたにもかかわらず、私たちは彼らの家族、兄弟、故郷、友人、そして来日の方法などについて何ひとつ知らない。正月のテレビ画面に「見えている」のに「視えない存在」――ケニア人留学生の謎を追ってアフリカの大地を訪ね歩いた。
●箱根2区の区間記録保持者、リチャード・エティーリの素顔
●マラソン五輪金メダリスト、元仙台育英のサムエル・ワンジルの死
●陸上ファンの間で疑問視されてきた謎の高校「ガル高校」の真相
現地取材で徹底レポート。
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Posted by ブクログ
お正月は箱根駅伝、と子どものころから決まっていた。
毎年、1月の2日・3日は半日テレビが駅伝に固定される。
物心ついたころから、箱根の2区は留学生ランナーがごぼう抜きの大活躍をし、一気に順位を上げる(そして、そのあとに順位を落とす)ところだった。
あまりに「そういうもの」だったので、その背景に何があるのかまで、今までさっぱり思い至らなかったなということに気付く。
箱根駅伝と実業団という日本の特殊な環境が、ケニアでこんな影響を及ぼしているとは。貧困層から抜け出す手段になっているとか、日本での給与で十分豪邸が建つとか、言われてみればそうだよね、という内容がしっかり取材・調査した内容をベースに書かれていて、どれも興味深かった。
最初にケニアの選手を日本に招くスキームを作っていくあたりは、なんというか…昭和ならではのある種の乱暴さと勢いがあって、それはそれで興味深い。
ケニア選手を招いた日本の学校の関係者(監督とか)にもインタビューしていて、そのあたりも面白かった。単純にはいかないよね。
著者自身も、ランナーに対する見え方が変わったと書いていたけれども、多分来年の箱根駅伝ではちょっと違った想いを持って、これまでと同じように応援すると思う。